鍛冶というと刀剣だとか刃物ばかりが注目されがちですが、周辺の部品の製作も大変難しい事がしてあります。
現代では完全に忘れられた妙技の数々が見てとれます。
その一つが
・口金(胴輪 輪っか)
刃物のこの部分です。
地味に見えます部品それぞれに違った難しさがあります。
現代の鍛冶屋さんはこの部分他の金物で代用している事がほとんどです。 大昔は鍛造で製作していました。
同じように見えて違う。左は機械製。右は鍛冶製。よく見るとついだ部分がわかります。(つなぎ目が無い工場製と同じ鍛冶製法の物もあります)
鍛冶屋さんでもパイプで代用する事が多くなった口金ですがパイプとの違いは口金の中央。中央が山型に⛰厚くなっています。こうする事で軽さと強度が両立するという考え方です。
更にこれ。テーパー形状と言って先細りになった“槍の口金”です。口金でも難しいのですが更に大きくなり先が細くなっています。おそらくこの形をやられている鍛冶屋さんは多くないと思います。
更に更に。口金から両腕が生えている物もあります。 鍔になった口金です。槍に使われていたようです。
朝鮮の鍛冶屋さんの口金 コイル状にくるっと巻きっぱなしです。 ついでいません。
モンゴル ヤクート包丁
これは口金がありません。
日本の古い絵の中の包丁も口金がありません。
口金は口金の難しさがあります。せっかく立派な刃物をつくっても口金だけはつくっていないという鍛冶屋さんも多いです。
因州小鍛冶も真鍮やその他で代用しがちでしたが鉄の口金を手掛けはじめました。