神社の境内を守りながら、アート作品を展示する私たちの活動。
「どうして神社でやるのでしょうか?」
そんな疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
古代、宗像ではその当時の最高の技術でつくられた超一級品の品々が沖ノ島をはじめ神様へ捧げられてきました。
私たちもその当時の自然とのつながりとアート性を想像し、それには及びませんが、文化の中心を担ってきた神社においてアート活動をしていきたいと考えています。
日本において、人は自然のひとつであり、人も含め様々な力が集まる場所に、気高い存在が宿るという考えがありました。
宗像は、その世界観のなかで祈りの文化を育んできたのだと思います。
秋の大祭は、人が集い楽しみ、神々を迎え、感謝の気持ちを伝え、親交を深めるひととき。
「御生れ(みあれ)」の季節に行う現代アートの祭典は、芸術家がその土地の精神世界に深く迫り、今とこれからを表現することで、訪れる人に未知の体験と発見を届けてくれます。
急速な変化を求められる時代。
技術や知識、制度の発展や生産性が評価され、経済による指数によって価値を見極める時代。
人が追い付けないほどの速度が、良いこと、悪いこと、様々な事象を生まれます。
世界のなかに身を置いて、世界と比べずに、じっくりと地域と文化のこれからを考え、アートを通して幸せを見つめたい。
移り変わる社会をどんなときでも存続させてきた日本人の思想について見つめたい。
伊勢神宮の式年遷宮のように、人と人がつながり、時間をかけて力を合わせ成長する仕組みを学びながら。
はるかな旅路と未来を見つめてきた海、人々をやさしく包む神社、願いや祈りを体現した古代人の墓。
それらの場所を舞台に芸術家の新しい表現によって、子どもたちをはじめひとりひとりが昨日までの自分のなかになかったものが見つかると願っています。
ここでの出会いが、きっと、遠くまで飛び立たせてくれる、大きな想像の翼をあたえてくれると信じて。
宗像大社辺津宮の最も神聖な場所に展示されている中野信子さんの作品。
短い動画のなかに、深いメッセージが込められています。
どうぞご覧いただけたら幸いです。
残り2日となりました。引き続きあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。