2023年はトルコ建国100周年の年でした。また本年は日本・トルコ外交樹立100周年の記念すべき年にあたります。
「分断される世界」という言葉が聞かれるようになる、この時代だからこそ、両国の歴史をしっかりと伝え、残していきたいーそう願って、絵本を一冊いっさつ丁寧に届けていきます。
本日はトルコと日本との間の助け合いの歴史をご紹介させてください。
1890年〈明治23〉エルトゥールル号の沈没事故
トルコは親日国として知られています。そしてトルコ人は1890(明治23)年におこった事故をいまでも語り継いでいます。
130年以上も前、トルコから軍艦エルトゥールル号で日本へ使節団がやってきました。
しかし1890年9月16日、日本からトルコへ帰国途中の軍艦エルトゥールル号は台風のために和歌山県の樫野崎灯台付近で沈没。500人以上が亡くなるという大事故が起きます。
オスマン帝国海軍「エルトゥールル号」の写真
灯台のある大島村(現在の串本町)は村をあげて救助にあたり69人の乗組員を救助しました。生存者は明治天皇の命により日本の軍艦でトルコへ送りとどけられたのです。
1985年〈昭和60〉イラン・イラク戦争中、トルコ政府による日本人救出劇
1980年から始まったイラン・イラク戦争。1986年3月17日、イラクのフセイン大統領が、48時間後以降イランの上空をとぶ飛行機をすべて撃墜する宣言を出しました。
1985年3月日本人を運んだトルコ航空のDC-10イズミル号
この時、イランの首都テヘランには日本人200人以上が取り残されていました。その日本人を救うため、トルコ政府は2機のトルコ航空機をテヘランに派遣して、日本人を救出してくれました。