「シゴト☆ジブン発見カード」の初版作成に着手したのが、平成28年度。どんなイラストなら子どもたちが楽しく学べるかと、色々なタッチのデザインを比較検討して、デザイナーさんに何度も描き直していただきました。それから、コロナ禍を経て、数年でいろいろなことが変化しました。ほんの数年なのに、何だか「古いかも」と感じることってありませんか?子どもたちにとっては、「変化後の世界が当たり前の世界」ということで、今年5月のリニューアルに際しては、カード表面のイラスト、裏面の仕事の説明、似た仕事の内容を再考しました。例えば、「マンガ家」のイラストは、リニューアル前は、手描き作業のイラストでしたが、PC作業のイラストに修正しました。また、「プロスポーツ選手」のカードの裏面の似た仕事欄に「eスポーツ選手」を加えるなど、ちょっとしたことなのですが、古い感じの教材にならないように修正を加えています。
毎年、愛媛大学の共通教育発展科目「ファシリテーションとリーダーシップ(EFL)」を受講されている学生さんたちが、附属高校の生徒さんと共に、松山市小中学校PTA連合会主催の「キッズジョブまつやま」において、子どもたちに「シゴト☆ジブン発見カード体験」を提供しています。小中学生の子どもたちが、大学生や高校生のお兄さんお姉さんと一緒に興味のある仕事を選んだり、自分の強みを知るワークをして、楽しそうにしている姿が印象的です。先日、その準備として、私たちから大学生に「シゴト☆ジブン発見カード」の使い方、フィードバックの注意点などのレクチャーに伺いました。まずは、大学生に楽しんでもらうことが大事です。自分が楽しく体験できれば、子どもたちにも自信を持って説明できます。次は、その大学生が附属高校生にレクチャーする予定で、大学生、高校生にとっても、よい体験となっています。
私たちは、毎年愛媛県内60校位の中学校、高校でキャリア教育の出前授業を実施しています。授業のテーマは、「職場体験前の心構えやマナー」「働くってどういうこと?」「将来に必要な力とは」などのメニューから先生に選んでいただきます。そのメニューに「シゴト☆ジブン発見カードセミナー」と「シゴト☆ジブン発見カード+地元企業発見セミナー」があります。 「シゴト☆ジブン発見カードセミナー」は、生徒さんたちにカードを体験し、自分の強みや興味の方向性を知り、その後の未来探求のきっかけにするプログラムで、「シゴト☆ジブン発見カード+地元企業発見セミナー」は、それに加えて、地元企業さんにご協力いただき、カード体験の後、実際にお仕事の話をしていただくものです。企業さんは、お忙しい中、「地元の子どもたちのためなら」「会社を知ってもらう機会にもなるから」と積極的にご協力いただいています。特に、島嶼部、山間部の学校では、子どもたちが接することができる働く大人が少ないため、職業を知る機会が少なく、「シゴト☆ジブン発見カード」の授業は、喜ばれています。「シゴト☆ジブン発見カード」は、使い方も簡単で、活用マニュアルや授業プログラムでサポートしていますので、先生方だけで十分に授業は可能です。ぜひ、みなさまの地元の学校や母校への寄贈をご検討ください。
「シゴト☆ジブン発見カード」に掲載する仕事について、試作品のモニター授業などでも、子どもたちに大人気の「YouTuber」をカードに入れてはどうかとご意見をいただきました。ただ、前回の活動報告にも書きましたが、ホランドの職業選択理論の数ある仕事の研究結果には、「YouTuber」のような新しく生まれた仕事が含まれていません。そこで、カードには入れられないけれど、「きっとこのタイプだよね!」を考えて、ホームページに載せることにしました。それでは、そのタイプとは?今は、科学実験系、お料理系、トレーニング系など、実にあらゆる分野のYouTuberさんがいます。それぞれの分野で必要とされる専門性、強みがあると推察されますが、YouTuberとして収益を上げて、仕事として成立させるには、ビジネス感覚とオリジナリティが必須だということで、私たちは、ホームページ上では、ひとまずEタイプ(企業的)、Aタイプ(芸術的)両方に入れています。子どもたちが触れるお仕事の世界はどんどん変化しています。
「シゴト☆ジブン発見カード」には、表面に72種類、裏面に154種類の仕事を掲載しています。ホランドの職業選択理論に基づいていますので、最近生まれた新しい仕事は、研究結果のエビデンスがないため、カードに記載することは難しく、どうしたものかと考えていました。そこで、HP上で職種を追加することにしました。研究のエビデンスがない仕事(例えばドローン操縦士)は、キャリアコンサルタントが検討し、「このタイプではないか」というところに入れてみました。追加した職業リストパーソナリティ(強み)には、各タイプについて5つの文章で説明しています。例えば、Iタイプには、「好奇心が強くて、調べることが好き」などの記載があります。子どもさんたちは、「あ、これ自分っぽい!」とか「確かにそんなところもある!」などと自己理解をしていきます。ただ、中には、「ピン!とくる表現が見つからない」「もっと強みを知りたい!」という声も聞こえてきます。そこで、HP上で、パーソナリティを表わす言葉を増やしてみました。追加したパーソナリティ表現ぜひ、カード使用時に活用していただけたらと思います。スタートから1週間となりました。引き続き応援、よろしくお願いいたします。