遠藤卓也(えんどう たくや)
地域に根ざしたお寺の “場づくり” に大きな可能性を感じ、2012年に仲間たちと「未来の住職塾」を立ち上げる。以降、各地の寺院の事例研究を活かし、伴走支援型の個別サポートや僧侶向けの研修・講演、お寺の広報ディレクション等を行なう。2020年よりポッドキャスト「Temple Morning Radio」の制作、お寺のフィールドレコーディングプロジェクト「音の巡礼」を開始。
音の巡礼
未来の住職塾NEXT
共著書『お寺という場のつくりかた』(学芸出版)
『みんなに喜ばれるお寺33実践集: これからの寺院コンセプト』(興山舎)
3年前、大慶寺の”場づくり”について大場さんにインタビューした際に「最近、お寺の境界を明確にしている塀がいらないと思えてきた」と言っていたのが印象的でした(笑)それはお寺としてはある意味究極のバリアフリーといえます。
それまでも、境内にベンチを増やしたり、靴を脱がずとも入れる屋内休憩所を整えたり、とにかく「いてくださいね」というメッセージを、お寺の空間づくりにあらわしてきた大場さん。「泊まることもできますよ」とは、さらに居場所を拡張するチャレンジだなあと、そのこだわりに思わず唸りました。
お寺ではやはり葬儀・法事・墓地管理が大切な役割であり、そのつとめを担うことで持続可能性を担保しているお寺がほとんどです。しかしこれからの多死社会の先には、人口減少・少子高齢化によってお寺を支えてくださる人たちがいなくなってしまう未来が見えています。
急激に変化していく外部環境の中で、何か他の役割を加えていく発想が、これからのお寺のビジョンを描いていく上では不可欠になってきたと感じています。
特に、地域貢献や社会福祉といったカテゴリーにおける役割が、お寺の事業としては親和性が高いと思えます。
この度の大慶寺のチャレンジは、地域貢献という目的が含まれていることにワクワクします。これからのお寺の可能性の一つの希望になることを願い、応援させていただきます。
大場さん、いつかお寺の塀がなくなる日まで、楽しみながら歩んでいきましょう!