建築決定!
おかげさまでクラウドファンディング開始1ケ月で、200名以上の方から目標金額の300万円をご支援いただき無事達成いたしました。ご支援、ご協力本当にありがとうございます。
今回は「大慶寺に貸別荘(宿坊)を建てたい」という企画に対して、どれだけ需要があるのか、どれだけ応援してもらえるのかを確認するためのクラウドファンディングでもあり、そのためAll or Nothingというチャレンジングなやり方を取りました。
予想を上回る反応をいただき、本当にうれしく思うのと同時に、皆様の期待に応えるようにこれから建築の準備に入っていきます。
ネクストゴール
とはいえ、今回は新築で建設するので、総額で5000万程かかる見込みです。もちろん今回のクラウドファンディングでの支援金だけでは賄えず借り入れをして工事を進めます。
そこでネクストゴールを建築費の10%である500万円に再設定し、支援を募集します。
はじめまして大慶寺の第38世住職に就任する大場唯央(おおばゆいおう)と申します。
現在、私はお寺の住職を務める一方で、「開発僧」としてまちづくりの活動に取り組み、「産業僧」として企業にも関わっています。また、緩和ケア病棟では「ビハーラ僧」、刑務所では「教誨僧」として、お寺の枠にとらわれず、幅広い意味での「お坊さん(Well-being facilitator)」として活動しています。
藤枝市の大慶寺で生まれ育ちましたが、お寺で生まれ育ったからといって、すんなりお坊さんになったわけではありません。
というのも、私は男3人兄弟の3男で、幼い頃はお坊さんになろうとは思っておらず、一般の大学に通い東京に住んで、将来はどこかに就職するだろうと考えていました。
しかし、さまざまな縁が重なり、お坊さんとして藤枝市に戻ってくることになりました。
Uターンした当初は「東京にはあるのに、藤枝にはないもの」ばかりが気になってしまい、「やっぱ東京がいいなー」と感じながら生活していました。
しかしながら「住んでいる地域を好きにならない限り、幸せに暮らすことはできない」と思い、地域をより良くするために、まちづくりの活動を始めました。そして、仲間とイベントを企画したり、さらには仲間とともに一般社団法人SACLABOを立ち上げました。
「藤枝おんぱく」などの着地型観光事業を進めていきながら、現在は「蓮華寺池界隈エリアリノベーション」といった活動にも取り組んでいます。
活動するにつれ、今まで知らなかった地域の魅力に気づき、今では「藤枝においでよ、いいところいっぱいあるから」と胸をはって言えるようになりました。
こうして「開発僧」として地域活動を続けるうちに、お寺の「あり方」に対する考え方も変わってきました。
お寺を護持することも大切ですが、それと同時に、『持続可能で安穏な地域社会を実現するために、お寺や僧侶がどのように社会的役割を果たせるか?』という問いを持ちながら、大慶寺の護持に努めるようになりました。
藤枝市の概要
藤枝市は静岡県のほぼ中央に位置し、人口は約14万人です。政令指定都市である静岡市に隣接しています。
大慶寺は旧東海道の藤枝宿に位置し、多くの老舗店舗があります。また、徒歩5分の範囲に蓮華寺池公園という、年間150万人が来訪する観光スポットもあります。
注目スポットの蓮華寺池公園エリア
私が理事を務める(一社)SACLABOは、この蓮華寺池公園を拠点に「人と自然の共生」をテーマにエリアリノベーションを推進しており、過去4年間で15店舗が増え、個性的な店舗が集まる注目のエリアとなっています。
特に土日祝日の日中は多くの来訪者があり、駐車場も飽和状態になるほどの活気があるエリアです。
課題もある
しかし、一方で蓮華寺池公園エリアには課題があります。もったいない部分があるのです。
その一つは、訪問者のほとんどが日中(デイタイム)のみであることです。
私は、夜の時間(ナイトタイム)や朝の時間(モーニングタイム)にも、もっと多くの可能性があると考えています。特に蓮華寺池公園の朝の時間はとても気持ちが良く、藤枝には「朝ラーメン」という文化もあります。
では、なぜデイタイムだけで終ってしまうのでしょうか?
駐車場の問題や施策の問題や様々な理由が考えられますが、理由の一つとして「宿泊施設」がないことが挙げられるでしょう。
「藤枝宿」という名前の宿場町であるにもかかわらず、観光宿やゲストハウスが全くありません。(ビジネスホテルはあるものの)
この藤枝宿というエリアに「宿」ができれば、蓮華寺池公園エリアとの親和性も高くなり、この地域をさらに満喫できるだけでなく、地域経済への効果も高まるでしょう。
今までのお寺は3パターン一方、お寺の視点から考えてみましょう。日本には多くのお寺があり、「コンビニより多い」と言われるほどですが、ほとんどのお寺は「檀家寺(だんかでら)」、「祈祷寺(きとうでら)」、「観光寺(かんこうでら)」のどれかに分類されます。
「檀家寺」とは、お寺にお墓がある檀家さんに対して、葬儀や法事などの供養を行うことを主な活動とするお寺で、日本のお寺のほとんどがこの「檀家寺」に該当します。
「祈祷寺」とは、檀家にとらわれず、多くの方に対して祈祷を行うことを主な活動とするお寺で、成田山や川崎大師などが有名です。
「観光寺」とは、歴史的な建造物や美しい庭園、特別な文化財を持ち、観光地として知られているお寺で、多くの観光客が訪れます。
変化が激しい「VUCA時代」と呼ばれる現代、画一的なお寺のあり方ではなく、多様なお寺のあり方があって良いと思います。
なぜならば、単一化は何かあったときに崩壊するリスクが高まるからです。
これから何百年もお寺が残ることを考えると、さまざまなお寺のあり方が必要になります。
大慶寺にはどんな役割があるか?
大慶寺の環境を考えると、どんな新たな価値(あり方)が考えられるでしょうか。
大慶寺は「檀家寺」としての一面を持ちつつ、11月3日の「開運毘沙門天」や2月の「星祭り」では「祈祷寺」としての一面も持ちます。また、日本遺産構成文化財である「久遠の松」があり、東海道藤枝宿のランドマークでもあるため、「観光寺」としての側面もあります。
さらに、大慶寺の内部事情を見ても、現在の檀家さんの15%は県外在住です。今後、引っ越しや移住がさらに一般的になれば、20%、30%が県外の檀家さんになる可能性もあります。
そのような未来を考えたとき、地方のお寺にはどんな役割があるでしょうか。
そこで私は、お寺を「別荘」と見立ててはどうかと考えました。
大慶寺には日本遺産構成文化財の「久遠の松」があります。この松を一番きれいに眺めることができるとことに一棟貸しの貸別荘を作ったらどうだろうか?
家族やグループでゆっくり藤枝を堪能する拠点として利用することもできます。
蓮華寺池公園エリアはもちろん、少し足を伸ばせば自然豊かな瀬戸谷地区や玉露の里がある岡部地区もあります。
藤枝は有名な観光地ではありませんし、大慶寺も有数の観光寺ではありません。
だからこそ、1,000人の人に1度だけ訪れてもらうのではなく、10人の人に100回訪れてもらえるような地域との関わりを作っていくことが大切だと感じています。
そのためには、ただ日中過ごして帰るような通過地点としてのエリアではなく、滞在して地元の人との交流が生まれるような地域にしていく必要があります。
また、檀家さんからすれば、藤枝にお墓はあるが実家はない。しかし、「別荘としてのお寺」がある。故郷に帰ったかのように、泊まれる場所がある。
全国各地に住む家族が集まって泊まれる場所が、お寺にある。
頻繁なお参りは難しくても、たとえば大切な人の命日付近に年1回でもお墓参りに来て、藤枝に滞在する。そして家族でゆっくりと宿泊する。
お寺に「別荘」のような役割(価値)があったら、素敵だと思います。
大慶寺の貸別荘(宿坊)
そこで、大慶寺に「貸別荘」としての宿泊施設(宿坊)を建てることを考えました。
大慶寺の境内には久遠の松と三光堂があります。この三光堂に併設する形で貸別荘を作る予定です。
特徴は以下の通りです。
・一棟貸しの宿坊(貸別荘)
・2F建にすることで「久遠の松」を普段とは違う視点で眺めることができる
・寝室も3部屋(2名、2名、4名)確保をし、グループや親子3世代でも宿泊可能
・食事提供はせず、まちを楽しんでもらう(希望者は仕出しも対応)
・併設する三光堂で各種体験プログラムを実施。
体験プログラム
また私も今まで様々なワークショップを実践してきたため、宿泊に併せて各種ワークショップを実施することもできます。
○朝勤(ちょうごん/毎朝のお経)
○写経
○水行
○瞑想
といった一般的な仏教体験はもちろん
○死の体験旅行®
○おかげさまの循環ワーク
○懺悔のワーク
○いのちの積み木ワークショップ
○デスカフェ
○well-beingたき火ダイアログ
など多種多様のワークショップや
グリーフケアとして行っている三光堂での
○夜供養
なども併せて行うことができます
最後に
静岡県内には可睡斎や方広寺など、大人数に対応した宿坊(お寺の宿泊所)は存在しますが、個人利用の宿坊はなく、ましてや一棟貸しの宿坊は静岡県内初となります。この計画にとてもわくわくしていますが、一つ不安もあります。
それは、「お寺の貸別荘」が皆に求められるものかどうか、ということです。
そのため、クラウドファンディングをAll-or-Nothing方式で実施し、達成すれば建築を進め、目標金額に満たない場合は計画自体を白紙に戻そうと思います。
ぜひご協力をお願い申し上げます。
リターンについて
資金の使い道
建築費 約4,000万
手数料を抜いた全額を建築費に充てさせていただきます。
クラウドファンディングの支援金に加え、借り入れを5,000万いたします(融資提案書受領済み)。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。
目標金額に満たない場合は、建築計画自体を白紙に戻します。
最新の活動報告
もっと見る応援コメント#11後藤正文
2024/10/31 12:59後藤正文1976年静岡県生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。2010年、自身主宰のレーベル「only in dreams」を発足。また、エッセイや小説の執筆といった文筆業や、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長を務める。2018年からは新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞『APPLEVINEGAR -Music Award-』の立ち上げなど、音楽はもちろん社会とコミットした言動でも注目されている。2024年5月、静岡県藤枝市にて『NPO法人 アップルビネガー音楽支援機構』を設立。インディペンデントに活動するミュージシャン・アーティストへの支援、さらに藤枝市内に滞在型音楽制作スタジオ「Music Inn Fujieda」を建設予定。これまでに”Gotch”名義で3枚のアルバムをリリース。2024年3月 ”後藤正文” 名義で初の音楽作品となるドローン/アンビエント・アルバム『Recent Report I』を配信リリース。著書に『何度でもオールライトと歌え』『YOROZU~妄想の民俗史~』『凍った脳みそ』『INU COMMUNICATION』『後藤正文の朝からロック』など。gotch.infosiankung-fu.comapplevinegarmusicsupport.com 昔の東海道は鉄道や新幹線に置き換わって、いつのまにか街道としての雰囲気が薄れてしまいました。そういうことに、僕も静岡県民のひとりとして、興味を持たずに暮らしてきました。この歳になって、自分の生まれた地域を歩いてみて、それがとても寂しいと思うのと同時に(例えば、松の並木はほとんどなくなってしまった…)、今だったらまだ間に合うのかもしれないと思いました。大慶寺を中心に、藤枝の旧市街地が新しい藤枝宿へと変わっていく未来を想像すると、明るい気持ちになります。そんなに簡単なことではないでしょうけれど、松の木が地中にゆっくりと根を伸ばすように、場所や人がつながって、町が変わっていくといいですね。僕も藤枝宿の端っこで、ミュージシャン支援のための滞在型スタジオを仲間たちと作ることにしました。きっと昔の藤枝宿にも、旅芸人が多く滞在していたんだと思います。そんな風景を現代に新しい形で復活させられたら、由緒につながる町づくりになりますよね。一緒に、面白いことができたら嬉しいです。宿坊の完成、楽しみにしています! もっと見る
応援コメント#10江崎晴城
2024/10/18 12:00江崎晴城 藤枝市観光協会会長藤枝市旧市街地活性化推進会議会長藤枝江﨑新聞店代表取締役社長旧東海道藤枝宿に佇む大慶寺は、日本遺産の構成文化財「久遠の松」を擁する歴史的宝庫です。日蓮聖人自らが植えたとされるこの松は760年もの間この地の変遷を見守ってきました。今、私たちには大慶寺の新たな章を紡ぐ機会が訪れています。宿坊づくりプロジェクトは、この貴重な文化遺産を守りつつ、現代の旅人に深い精神的体験を提供する革新的な取り組みです。旧東海道の宿場町として栄えた藤枝の歴史と、日蓮宗の深い教えが交わるこの場所で、静寂な時間を過ごしてみませんか。江戸時代の旅人の足跡を辿りながら、現代の喧騒を離れ、自分自身と向き合う。そんな貴重な経験ができる場所となるはずです。このプロジェクトへの支援は、単なる宿泊施設の建設ではありません。それは、日本の精神文化を守り、次世代に伝えていく大切な一歩なのです。歴史を紡ぎ、文化を育む。そんな素晴らしい取り組みに、皆様のご支援をお願いいたします。 もっと見る
応援コメント#09石垣善康
2024/10/17 12:00石垣善康立教大学法学部卒広告代理店勤務後、印刷会社入社。(株)アニーアンドアイご住職は、幅広く物事を考え常に将来のことを考えている若手のお坊さんです。その中でも、特に考えてるのは、地元、地域社会のこと。先日も、境内の中にトイレを建築ました。お寺に来てくれる檀家の皆さんの為ですか?と聞きましたら、いえ、一般市民の皆様に使っていただきたい。大慶寺は地域社会に貢献する為に存在する思います。今回の宿泊施設計画も必ずや、多くの人に喜んで頂ける事を確信致しております。どうか応援お願い致します。 もっと見る
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