
羽釜と蒸籠
伝統製法での餅づくりの道具の紹介です。
羽釜(はがま)
昔からの製法では、もち米を蒸かすときに、ガスや電気などを熱源とするのではなく、かまどに火を焚いてお湯を沸かし、その蒸気を使ってもち米を蒸かします。
かまどの上に乗せるのが羽釜という、大きな釜に羽(つば)のついた道具です。大きな鍋のようなイメージでも良いと思います。
付いている羽の部分を、かまどの、下から火が来る部分の丸い形のふちに引っ掛けて使います。
この羽釜でお湯を沸かして蒸気を作り出します。
我が家で実践している餅の製法は、100年前とほとんど変わりないと思いますが、この羽釜だけは変わっていると思います。
私が知っている限りでも、今使っている羽釜は何度か新調しています。全てアルミ製の物です。
しかし、もっと時代を遡れば、アルミ製ではなく、鉄製や銅製など、他の金属製だったのではないかと思います。
他の金属製の物を使えば、また違った味わいの餅ができるかもしれませんが、それはまだ実験したことが無いので分かりません。
蒸籠(せいろ)
羽釜でお湯を沸かして蒸気を作り、その蒸気でもち米を蒸かすのですが、その羽釜の上に設置するのが蒸籠です。
中華蒸籠の形の、丸い曲げわっぱのようなものが使われることも多いようですが、我が家では、昔から使っている、深さのある大型の木製(たぶん杉)の物を使っています。
この蒸籠は、おそらく臼よりは新しいとは思うのですが、いつから使っているか定かではない古いものです。
新しくないので、木の良い香りが漂うということはないのですが、この蒸籠の古い木の風合いがまた餅の味と香りに何らかの影響を与えているのではないかと感じます。





