クラファンもあと1日の「夢見るツリーハウスプロジェクト」
子ども達や先生が、「やろう!」と一歩踏み出す大きなきっかけとなったものがあります。
それは、ツリーハウスの模型。
やりたい気持ちが、やろう!に変化する火をつけてくれたあの3つの模型は、建築設計の仕事をしている2名の若者が作ってくれました。その2人はその後も設計デザイン担当として実現にむけて動いてくれています。
今回は、向原(むこうはら)大貴さんにお話を伺いました!
―お二人が、このプロジェクトに関わるきっかけを教えてください。
私たちは去年まで、同じ大学の建築学科で同じ研究室の学生同士でした。今年からは社会人として、私は都内の設計事務所、西さんは大学のゼミの教授が設計を行ったインドの学校建設関連の仕事をしています。
実は、逗子や池子小学校にはこれまで縁もゆかりもないんです。
2023年、西さんが教育系のイベントで、池子小学校の図工を担当されている小林先生と出会ったことがきっかけで、2024年6月・7月の2回にわけて図工の出前授業をさせていただきました。
それは、「マイルームをつくろう」という内容で、子ども達に自分の理想の部屋づくりを模型で作ってもらうというものでした。
その授業の時に、小林先生からツリーハウスをつくりたいというアイデアが子どもたちにあることや、子どもらが考えているイメージを周囲にどう共有したらいいか悩んでいるという話を聞いたんです。
そこで、2回目の出張授業の時にその時に聞いたイメージを膨らませて模型を作って持っていきました。
―それは、小林先生から頼まれたんですか?
いえいえ、完全なおせっかいでした(笑)
作りたい建造物を、模型にしてイメージを伝えるというのは我々からしたら日常的に行っていたことだったので、本当に気軽な気持ちで役に立てたら良いなと思って。
―それを見て、先生や子どもたちの反応はどうでしたか?
とても喜んでくれました。校長先生にも見ていただいたのですが、「こんなの見せられたらやるしかないな!」と仰ってくれて、自分たちとしても喜んでもらえて純粋に嬉しかったです。
一方、子ども達にとっては、こうした建築模型を間近でみる機会は初めてという子もいました。
自分たちの周りにある大きな遊具や建造物が、小さな模型から始まることを知り、建造物をつくるためのプロセスを断片的にも見てもらうことができたと思います。
―出前授業から、おせっかいで作った模型が推進力のひとつになってツリーハウスPJが動いた。お二人はそこから設計デザイン担当としてPJに携わることとなったわけですね。いまは、どんなことをしているのですか?
今でも、ツリーハウスに盛り込む機能やデザインについて、先生や施工に関わる池サポの方などと議論を重ねています。7月に模型を作ってから、10回以上も打ち合わせを行ってきました。
どんな要素を入れ込むか、子ども達から募集したアイデアや機能を落とし込み、一方で安全面や予算と突き合わせて最終デザインに着地させようとしています。
―このPJに携わって感じたことやご自身の変化はありましたか?
短期の視点、長期の視点と2点あります。
まずは短期の視点ですが、自分自身、今年から社会人として働き始めるという転換の年でした。
職場の上司に仕事への向き合い方について言われた言葉があります。それは、「相手の為に何かをやる時は、150%、200%の力を出してやること」。
建築設計の仕事は、基本的には施主がいてその施主の想いややりたいことを汲み取り、建築物として具現化します。
提案しても、相手に響かないこともたくさんあるけど、「これは」と相手の心を捉えた瞬間はわかる、と上司に言われました。
ツリーハウスの模型をお見せした時の先生や子どもたちの反応、その後も大事に模型を保管してくださってPJの広報活動に活用してくださっている様子やPJの進みを見て、あぁ上司が行っていた「心を捉えた瞬間」ってこういうことなのかと感じました。
次に、長期の視点としては、個人的には今後、色んな地域のまちづくりやコミュニティ形成に携わっていきたいと思っています。でも、地域に入って何か取り組みをする時に、実際にそこに住まう住民の方などがそうした取り組みに対しどのような反応があるのかイメージが出来ていませんでした。
今回のツリーハウスPJにおける学校や地域のみなさんの反応というのは、自分にとっては良い意味でショッキングです。
それは、数名の子どもと先生から始まった小さな取り組みが、少しずつ周囲に熱が伝播していって、実施に向けて輪が広がっていっている。
こうしたポジティブな状況を見て、今後、色んなまちづくりに関わりたいと思う人間にとって、自分たちができることがあると勇気づけられる経験となりました。
―最後に、子ども達や地域・先生などの大人たちへのメッセージをどうぞ!
子ども達には、とにかく遠慮せずに全力で遊んでほしいです。そこで多少失敗があっても、それも学びにつなげてほしい。
大人や地域の方には、ちょっとでも良いのでツリーハウスを見にきたり、休んだりしてほしいと思います。
今回やりきれなかったこともあると思うので、またプロジェクトが今後も続くなら、ぜひ関わらせて頂きたいと願っています。