最後のお願い:950%超達成「LAST GOAL 1000万円」に挑戦中です!(本日最終日12/25(水)23:59まで)
最後のお願いです!あと5時間と少し、LAST GOAL1000万円に挑戦中です!
現在ご支援者470名以上、ご支援金額950万円超…!!!
LINNÉの創業一年目で1000%到達なんて、夢のまた夢と思ってました。でも、もう少しで届くかもという気持ちと、こんなにもご支援いただき溢れる感謝とで、後は祈りを重ねいいものづくりを一生やっていこうと心に誓うのみです。
皆様、本当にありがとうございます。最後の5時間、ぜひお力をお貸しください!
▼麹を解放し、SAKEを再定義する。 世界で初めての醸造酒、異を醸す酒「800」
https://camp-fire.jp/projects/793053/view
小さな未来に向けて
本来であれば、この場では最後のお願いをメインにするべきなのですが、「寿命を超える長い時間軸」に挑戦するLINNÉなので、あと5時間の先にある少し先の未来について、お話できればと思います。ご支援いただいた皆様の大きな感謝を込めつつ、まだ迷われている方の最後の一押しとなれば幸いですし、5時間後以降にゆっくりお読みいただいても構いません。そんな話です。
LINNÉの目指すSAKEのあり方は、このイラストのように「米を中心としながら、より大きな素材たちの集合としてのSAKE」が最大の到達点と考えています。
焼酎の世界ではすでにこれが実現されていて、「米焼酎」「芋焼酎」「麦焼酎」など素材が並列して大きな焼酎技術になっていますし、「麦味噌」「豆味噌」など味噌・醤油でも同様です。よって、本来「清酒」「SAKE」においてもその多元的な世界観は可能だと私は信じています。
なぜこれを実現したいのか。
「寿命を超えて受け継がれてきたSAKEの技術や文化を、一造り手の寿命を超えて、次の未来へ託すため」です。
今年12月、ユネスコ無形文化遺産として登録された「麹を用いた伝統的な酒造り」ですが、大きな流れの中では酒蔵の数は毎年激減し、失われゆく側面がたくさんあります。また、清酒の原料である米も、気候変動の影響を受けながら水不足や日照変化による米不足のリスクはあります。そもそも、米が重要作物として生産される地域は世界的には限られています。
そうした危機に対して、どうしたら未来が繋がるのか。そのヒントを、私はフランス滞在によって、2つの日仏交流事例を知りました。ひとつは「蚕」、もうひとつは「牡蠣」です。
蚕によるかつてのシルク産業、あるいは現代の牡蠣は、歴史的にフランスにおける重要産業です。そのどちらも一時期病気が流行り、産業壊滅のピンチを迎えた時期があります。それらを救ったのは、どちらも「日本由来の強い品種や技術」です。この事実を知る方は、そんなに多くないかもしれません。
蚕では、当時の皇帝ナポレオン3世が感謝を述べ、まだ鎖国中だった江戸時代末期の日本と国交開始。牡蠣では、フランスを救った三陸の真牡蠣に恩返しするため、2011年の東日本大震災の大きなピンチをフランス人生産者たちが助けたそうです。
このように、一つの国やエリアだけでは大きな危機に対して乗り越えられないケースでも、国を超え海を超え、技術や素材が分散された上で交流していくことで、産業が継続し、さらには断絶状態の国交を結ぶほどの強い絆が生まれ支え合う関係性になっていくと考えています。
この世界的な関係性をSAKEで実現することが、未来を支える基盤になるのだと私は信じています。
私は、WAKAZEの日仏米での酒造経験を通して、「日本酒を世界酒に」を実現するための技術開発をしながら、日本人として米を大事にするアイデンティティを重視してきました。一方で各土地で栽培される主要作物が、その気候風土や食文化の中で愛され調理される様子を目の当たりにしてきました。彼らのその素材でお酒を醸すことの方が、よっぽど新しい日常や豊かさを生む上で“王道”になる可能性はないだろうか、と考えました。
「誰かの大事にしていることを、当たり前に自分も大事にしていくこと」
こうした姿勢が積み重なっていった先に、「多様性(diversity)」を当たり前の前提条件とした「多元性(plurality)」。つまり、あらゆる自然物にそれぞれの神性(=八百万の神々)を見出した日本人の精神性が表れていくのではないかと私は考えました。そうして、米という純粋な作物だけでも、これだけの価値を引き出し多様なSAKEを生み出した増幅技術(麹を用いた伝統的な酒造り)を持ってすれば、それぞれの素材を繋ぎ、さらには国交を結びうるような結合を生むのではないかと思い至りました。
この価値観の表現が、万物を観察する「博物学」の知識を持って、自然界すべて(=八百万、やおよろず)をSAKEとして表現した「800(ヤオ)」の目指す世界です。
ここまで考えて、自分の中に“あるイメージ”が湧いてきました。それは、日本国歌「君が代」に歌詞で出てくる「さざれ石」です。
さざれ石とは、非常に細かい石のことであり、それが長い時間をかけて結合して「巌(いわお、大きな岩石)」になっていく、という歌の情景。そのくらい子孫繁栄や平和を願い、寿命を超えうる時間軸を表現した日本的価値観が、国歌の一節「さざれ石の、巌となりて」だと解釈しています。
米を中心とした清酒を核としながら、LINNÉの醸すひとつひとつのお酒は、さざれ石の細かい粒のようなものかもしれません。あるいは、日本や世界で現在進行形で醸造される1本1本の酒も、さざれ石と解釈できるかもしれません。
それでも、ひとつひとつのバトンを繋ぎ、大きな技術体系・文化となしていくことで、最終的に「巌」となっていく。それだけでなく、「苔がむすまで」長い時間に託して未来を祈っていく。
冒頭の「LINNÉの目指す未来のSAKE全体像」のイラストで示したかったことは、以下の写真のような「さざれ石」を最終的に実現し、あらゆる自然界素材が一体となった「ひとかたまりの価値=巌」を、《SAKE》と成していく未来です。
「日本酒」と国の名を冠して、日本で生まれた伝統を世界に示すのであれば、こうした未来を描いていきたい、と一醸造家としての信念を持っています。引き続きどうぞ応援よろしくお願い申し上げます。
▼【あと5時間!本日12/25(水)23:59まで】麹を解放し、SAKEを再定義する。 世界で初めての醸造酒、異を醸す酒「800」
https://camp-fire.jp/projects/793053/view
2024年12月25日 LINNÉ代表・醸造家 今井翔也