前回の投稿の続き的な内容です。ランドセルのプロがこの「ランドセルキット」を見て疑問に思う事が幾つかあるようです。聞かれる事は概ね次の通りで1.個人でやっているいるのか?2.金型はどうしているのか?3. 裁断はどんな機械を使っているのか?というものです。何が言いたいかというと、お金と手間が掛かる企画だけど、あなたはどうやってやり繰りしてるの?という疑問なんだと思います。通常ランドセルは、分業作業になっています。工房系と呼ばれる会社も、それなりの数は作るでしょうから、1~10までひとりの人間が作るというのはありえません。肩ベルトを作る人はずっと肩ベルトを縫製しているし、蓋を作る人はひたすら蓋を作る。裁断をする方は縫製をする事はなく、とにかく裁断ばかりを任される訳です。つまりランドセルを作る=組織 となる訳なんですね。その疑問に、私は一人で仕事をしている訳ですから、「自分ひとりでやってるんですよ」と答えると、やはり驚かれる訳です。何でもひとりでやってきた自分にとっては当たり前の事も、立場や働く環境によってこうも異なるものなんだと、改めて気付く事があるんです。次回はお金の事について少しお話します。
いわゆるクラフトフェアと呼ばれるイベントに出掛ける事が多々あります。自身の作品であるバッグや小物と共に、ランドセルも展示して説明や販売を行います。会期中、本当に多くのお客様や出展者さんとの出会いがある訳ですが、ごくまれにランドセル業界の方と出会う事もあるんです。現役で携わっている方もいれば、引退した人もいますが、そんな関係者の反応はだいたいこんな感じだ。展示されているランドセルをあらゆる角度からじっくり眺め、やがて手に取ると更に舐め回すようにそれを観察します。そして、キャプションに書かれた「手作りランドセルキット」の文字を確かめるようにこう訊いてきます。「これは、ランドセルのキットなんですか?」と。私が「はい、そうなんですよ」と答えると、次の言葉はだいたい「やばいですね」となるのだ。そこから、実は私ランドセルを作ってまして。。。とか、裁断やってました。。。とか、業界に勤務してます。。。とか、ランドセルのマニアックな話に花が咲く訳です。プロの目から見たこのランドセル、実は驚く程評価が高く (数人ですが^^;)、特に設計力と完成度の高さに、関心を示してくれます。同僚を翌日連れて来たり、元同僚にやばいランドセル見つけたと連絡しときます。と言い残す方がいるのも事実。手前味噌のお話しではありましたが、ランドセル業界に携わっている方ほど、このランドセルは奇妙に見えるようです。
1/25(土)、26(日)と東京渋谷の 国際連合大学前で into というイベントに出展しています。実際のランドセルを見てみたいけど、群馬の工房まではちょっと、という都内にお住まいの方がいらっしゃいましたら、この機会に足を運んで頂けたら嬉しいです。10:00〜16:00まで宜しくお願い致します。
ランドセルを選ぶとき、表から見える革や素材、色や刺繍だけに目が行きがちですが、実はランドセルには多くの芯材が使用されています。この芯材がランドセルの骨格になっていると言っても過言ではありません。雨ザラシ工房のランドセルも、大手メーカーや工房系ランドセルにも使用される、優れた芯材を使用しています。強度に優れ、水にも強いのに非常に軽量。実はこのクラウドファンディング前までは、別の芯材を使用していました。勿論ですが決して悪い物ではありません。それでも、より品質の高い物を使用したい!という一心でこれまで探していましたが、なかなか見つかりませんでした。特にランドセルの芯材は専門性が高く、一般には出回る事が無いので、まず情報が殆どがないんです。それでも、探しに探してようやく辿り着いた、大手メーカーも使用する芯材。やっぱいいです。素晴らしい。自分の手で作るキットだからこそ、そんな普段目に触れない素材にも興味を示してあげると、芯材もきっと喜ぶと思います。
年末年始の働き過ぎがたたってか、昨日は調子が悪く、早目に帰って寝る事にした。15時間程寝ただろうか。ただ頻尿体質なので何度もトイレに起きる。寝たんだか、寝てないんだか分からんが、身体は休まったようです。調子が悪いといえば、ミシンの調子も悪く、針が何本も折れてしまい、こりゃ仕事にならんと釜を調整する事に。久々の調整仕事も1発でうまく行き、無事に直りました。良かった^^






