2025/03/18 07:08
朝勤行の最後にお唱えするお経に「祈願文(きがんもん)」があります。実際に最後は回向文をお唱えするので、最後から一つ前のお経です。様々なお経を読経し、様々な御真言をお唱えし、御大師さまの御法号を唱えした後ですから本当に最後の最後です。たった40文字のお経ですが、これが深い!大切なお経です。
至心発願 天長地久 即身成仏 密厳国土 風雨順時 五穀豊饒 万邦協和 諸人快楽 及至法界 平等利益
(ししんほつがん てんじょうちきゅう そくしんじょうぶつ みつごんこくど ふううじゅんじ ごこくぶにょう ばんぽきょうわ しょにんけらく ないしほうかい びょうどうりやく)
意味:(ご本尊様)真心をもって祈願いたします。天地宇宙が永遠に生き、すべての人がこの身このまま仏と成り、この世が仏の世界と成り、天地の運行が順調に進み、農作物が豊かに実り、世界が平和で、人びとが幸せであって、仏さまの御恵み(みめぐみ)が物心両面にわたって平等でありますことを(高野山真言宗 檀信徒必携より)
締めくくりに相応しい素晴らしい心に響くお経です。やはり「祈願」は世のため人のためにしてこそ価値があります。また大切な方のために祈願する姿ほど美しいものはありません。皆さんもぜひ神社仏閣や仏壇に祈りを捧げる時にお唱えしてみてください。きっとその徳心がご先祖様に伝わり、安らかな心でお見守りくださることでしょう。
※「及至法界」(ないしほうかい)
高野山真言宗では(ないしほうかい)と読みますが、真言宗の他派では(ぎゅういほうかい)と読まれることもあるようです。