
3月19日(水)、5回目のタマカイ成長測定を行いました。
つまり、稚魚(5㎝、3g)から数えて5か月目になります。
毎度の事、タマカイ達は「襲われる! 捕食される! ヤバいっ!」と、パニックで逃げ惑うのですが、捕まえるのがとても大変です。
暴れまわるので鱗は剥がれるわ、水質は一時的に悪化するわ、こちらも水しぶきでビショビショになるわで、月一度の大イベントになっています。
さて、今回の測定では・・・ どんっ!

【タマカイ養殖、5か月目】
大きいもので、全長は約30㎝、体重は500gオーバーでした。
先月、平均22.8㎝、256g、最大26.5㎝の体重400g、最小18.5㎝の体重106g
今回、平均25.6㎝、373g、最大30㎝の体重520g、最小19㎝の体重120g
と、順調に成長しています。
(ただし結構、個体差があります。餌を食べているはずですが・・・ 元々の個体の特徴か、生態からくるものなのか・・・ これまた研究課題として面白いです。)
ーーサイズが大きくなるにつれて、エサの量も増えています。つまり、水質汚濁のペースも上がっています。
養分はアクアポニックスへ。しかし、バナナ(現在2本)では吸収しきれないほどになってきました。
さて、困りました。
魚の糞はタンパク質など有機物から、アンモニア(毒)⇒亜硝酸(猛毒)⇒硝酸(ほぼ無害)へと変化します。魚体が大きくなり、給餌が増えると・・・硝酸値が爆上がりしてきます。
硝酸はほぼ無害と言っても、増えすぎても生体に悪影響を及ぼします。
これを解決することが、まさに陸上養殖の醍醐味なのです(過密飼育を可能とすること)が、そんな悠長なことは言っていられません。
魚たちの生死が懸かっています。一大事です。
・・・でも、大丈夫です。
私たちは、この一か月で解決方法を準備しており、すでに確立していました。
それは「脱窒」と言う、陸上養殖では一人前になるための登竜門のような手段であり、私たちは独自システムを開発していました。

【コンピュータ部が製作、自動脱窒装置、AIプログラミング済み】
脱窒というのは、要は増えすぎた硝酸をバクテリアに分解させて「窒素」として空気中に逃がしてあげることです。それにより、硝酸(NO3-)は徐々に減少していきます。
(硝酸自体は植物の栄養となるので、減らし過ぎるとアクアポニックスが成り立ちません。これまたバランスが難しいです泣)
とにかくこれで、バンバン餌を与えることが出来ます。水換えの心配ももう要りません。
(実際には、本水槽の硝酸値次第で、脱窒ペースを適切に調整する必要があります。つまり、AIプログラミングで学習&独自判断させます)
ーーさて、次回の成長測定はどうなることでしょうか。
今回、改めてタマカイの魚体に触れましたが、「デカい、太い、・・・美味しそう」。
すでに、煮付けにはちょうど良いサイズにまで育っています。
美味しそうに見えつつも、何より愛おしい・・・ この子たちを食べるなんて(><)
和牛を育てている農家の方々は断腸の思いを乗り越えているんだなぁ、と思います(^^!)
さて、次回以降は・・・これまで東岡山工業高校でどんな取り組みを行ってきたのか、紹介していきます。
たくさんの失敗を重ねてきました。これからも、そのようなことはあるでしょう。
しかし、どの経験も貴重なもので、次の成功への大きなヒントとなっています。いえ、実際にそうなっています!
私たちの失敗談をどうぞお楽しみください!



