
ひと口に靴箱といっても、世の中には実に様々な種類の靴箱があります。今回の「みんなの快適 シューズ・ボックス」は、どのような意図と経緯でこのかたちになったのでしょうか。
このプロダクトの目的は、「もしものときに備えて、日常の利用シーンの中で、さりげなくナノイーの効果を知ってもらう」ことです。
そのために、以下の9つの工夫がデザインされています。
1. すでに施設にある下駄箱と共存できる大きさとかたち
日常利用されるなかで使っていただくことを意図していますが、いま靴を脱ぐ場所には、当然すでに下駄箱があります。様々な施設を想定しながら、そこに付け加えて置ける、邪魔にならないために、あえて5足だけ入るスリムな形状にしました。

2. ボックス内部の隅々までナノイーが充満する内部構造
一番下に設置した機械から放出されるナノイーが内部の隅々まで行き渡るように、設置場所やスリットなどを機能的にデザインしました。パナソニックの技術者の皆さんのアドバイスと検証に基づいています。

3. 個室感覚で安心して靴を入れられる区分け
あえてにおいを意識したとき、他の人と空間を共有するのは心理的に抵抗を感じるはず。そこで、靴の収納スペースは、個々の扉を用意して個室感覚で仕舞えるタイプを採用しました。半透明の扉によって、靴が入っているかどうか気配でわかるようになっています。
実はどの部屋もつながっていてナノイーが対流するようになっています
4. 90代の方でもつかえる使い勝手
新たにナノイーの脱臭効果を知っていただきたい反面、使いこなせないものは敬遠されてしまいます。広川町の保健・福祉センターの利用者には90代の方もいらっしゃると伺い、特殊な操作の仕方を避けたり、握力を必要としないなど、使い勝手を注意深く選びました。
下びらきの扉だと、靴を入れる際に両手が使えるので便利
5. 家電やあたらしさと親しみやすさを両立させるたたずまい
素材や色などで、工夫しています。(… いかがでしょうか?)

6. ナノイーの存在にさりげなく気づいてもらえること
ほのかに青く光るナノイー発生機のライトが、ちょっと特別な靴箱であることを伝えます。

7. 「いつも」と「もしも」をわかりやすく伝える2つの顔
平時に使うときから、災害で避難した際にいろいろ使えることを知っておいてもらうためにも、あえて反対側に「もしも」ときに特化した早変わりモードを用意しておきました。

8. 反転させるとフレキシブルに使える大きな扉と可動する棚板
もしものときは、靴だけでなく状況に合わせて使いこなしてもらえるように、中の棚板を取り外すなど、現場で柔軟にアレンジできるようにしています。
棚板を外せば長靴やヘルメットなども収納可能
9. これらをケアの現場で実際に使う方と一緒につくりだすこと
最後に、これらのデザインは、大元のアイデアから細部に至るまで、広川町社会福祉協議会の職員の皆さんと、利用者の声を踏まえて、一緒につくりあげていったものです。

できあがってみると小さくて一見何の変哲もない靴箱ですが、まだまだ書ききれないほど細部まで対話の成果が詰まっています。そして、それを初めてでも自然に使えるプロダクトとして完成させました。
これまでのたくさんの応援、本当にありがとうございます!! このシューズボックスをひとつでも多くの現場に届けるために、引き続き、温かいご支援やこのページの共有など、どうぞよろしくお願いいたします。




