自己紹介

世界自然遺産・白神山地宝昌寺住職・新川泰道（にいかわ たいどう）と申します。
世界自然遺産・白神山地の麓、秋田県藤里町(ふじさとまち)にある曹洞宗(そうとうしゅう)寺院で住職をしています。 
宝昌寺は江戸時代初期に開創、約400年の歴史があります。お正月の初詣や彼岸会、涅槃会、お盆など季節の行事やこども坐禅会など、また時々落語やコンサート等も行っています。
今回のゲラから、宝昌寺の歴史についてこちらはかつて町の動画コンテストに出品した「A year of Hoshoji temple in Fujisato, Akita  ～宝昌寺の一年～」です。

「藤里まちなかミュージックFes.」ビハーラ秋田（仏教の立場から医療や福祉、“いのち”にまつわる現実的な問題を考え実践するボランティアグループ）、藤里まちなか盛り上げ隊（職種や年齢等にとらわれず藤里中心部の活性化やまちづくりを考える住民グループ）の代表をしております。
また藤里町社会福祉協議会、藤里町国際交流協会の副会長、心といのちを考える会（自死・自殺問題を考える住民グループ）事務局長、保護司、生涯学習奨励員などの地域活動も行っています。

それらの団体として、または個人として地域福祉や自殺予防、被災地支援、まちづくりなどにも関わってきました。今回発刊する本の中でも、仏教や宝昌寺にまつわる諸々以外にも、それらの活動を通して見聞きしたこと、感じたことも綴っています。

宝昌寺だより『無憂樹』100号を機に…

当寺で年4回、25年かけて発行してきた寺報『無憂樹（むゆうじゅ）』通算100号にちなみ、そのダイジェスト本『宝昌寺だより　－白神山地の麓　藤琴川のほとりから－』（四六判・約260ページ）を発刊したいと思います。

かつて訪れた釈尊誕生の地・ルンビニの無憂樹『無憂樹』…その昔お釈迦さまの生母・マーヤ夫人がルンビニ園に立ち寄られ、この木の下でお釈迦さまが無事に安産で生まれました。
お釈迦さまがその木の下で悟りを開かれた「菩提樹（ぼだいじゅ）」、お釈迦さまが亡くなられた際、そばにあった「沙羅双樹（さらそうじゅ）」と並んで、仏教の三大聖樹といわれます。
宝昌寺の境内には菩提樹・沙羅双樹が植樹され育っていますが、無憂樹は気候の違う日本、とりわけ雪国では生育しづらいそうです。樹木に代わり、その名の通り「人々の憂いを無くす」ことに役立つようにとの願いを込めて、宝昌寺の寺報タイトルとしました。

この『無憂樹』100号の中で掲載してきた、これまでの当寺や地域の出来事、仏教・仏事Q＆A、経典の解説、住職が折々で綴ったコラムなどを抜粋し、25年間の記録であると同時に地域内外の方にも手に取っていただける一冊にと考えています。

この本の内容は、
第１章　宝昌寺の一年
　毎年の恒例行事でも、その時々でさまざまなゲストをお招きしたり趣向を凝らしたり、あるいは東日本大震災などの自然災害やコロナ禍などにちなんだ出来事もありました。

過去の『無憂樹』から各行事の報告第２章　宝昌寺　この２５年での特別行事・修復・建立
　先代住職の逝去から住職交代など数十年に一度の特別行事、老朽化や思いがけない風害・雪害によって修復を余儀なくされた境内建物整備の記録です。

第３章　経典のことば　修証義
　曹洞宗の代表的な経典『修証義(しゅしょうぎ)』の中から、お釈迦さまや歴代のお祖師さま方のエピソード、また歴史上の出来事やその時々のニュース、住職の体験などと重ね合わせて一節ずつ解説してきたシリーズのまとめです。

第４章　禅のことば
　挨拶・喫茶・玄関など日常でも見聞きする言葉が、実は仏教由来であることは案外知られていません。その意味、ふだんの生活のありようを解説したシリーズです。
過去の『無憂樹』から「禅のことば」

第５章　仏教・仏事Q＆A
　仏教の歴史や風習、お葬式や年忌法事など日頃の仏事にまつわる素朴な疑問、これまで実際に相談された質問にお答えするコーナーの総集編です。
※同じ曹洞宗でも地域や寺院によって回答は一律ではありませんので、あくまで「宝昌寺、あるいは当地では…」という立場でお答えしています
過去の『無憂樹』から「仏教Ｑ＆Ａ」第６章　今来夢(コラム)　－折々の出来事・地域内外での活動で思ったこと－
　宝昌寺内外の、というよりお寺の外、藤里町内から県内外、時には世界の出来事、時事ネタから直接の体験にちなんだ住職の思うところを綴ったコーナーです。
過去の『無憂樹』から「今来夢(コラム)」

浅学非才の身で、一介の田舎和尚が「本を出す」というのは甚だ僭越ではありますが、仏教・仏事への理解を深めていただき、藤里町や白神山地への関心を高め、また私が関わってきた地域福祉や自殺予防、被災地支援、まちづくりなどにも興味を寄せていただける機縁となれば幸いです。

仏教、宝昌寺、藤里町や各種活動とのご縁をつなぎたい

今回の発刊はもともと、当寺の檀信徒や有縁の方々、各行事でお世話になっている皆さんへ、約700冊（編集・校正にあたりご指導ご助言をいただいた方々も含む）を無償配布することを中心に企画しました。

もとより自前で出版費用を捻出するつもりではいましたが、当初の想定よりページ数も増え、紙やインクなど印刷費用も時節柄高騰し、予算も若干の超過となりました。
資金調達という面も正直なところではありますが、より多くの方々と仏教、宝昌寺や藤里町、これまでの各種活動とのご縁をつなぎたい、できればお寺や我が町にも足を運んでいただきたいとの思いが編集・校正作業を進めていくうちに高まり、クラウドファンディングに挑戦したいと考えました。

間もなく発刊！

昨年末より、過去の『無憂樹』の内容から掲載事項をピックアップし、秋田文化出版様（秋田市）と編集・校正を進めてきました。同社の石井春彦社長の勧めもあり、たいへん恐縮ながら秋田県内の各書店でもお取り扱いいただくこととなりました。ゲラの一部、写真もふんだんに

更に…
我々の大先輩であり、禅僧として道心堅固、布教教化に並々ならぬ情熱をお持ちであり、文芸や出版に関しては長年にわたってのご経験やご見識のある太平寺東堂・亀谷健樹老師（北秋田市）より今回の発刊に際してご指導・ご助言をいただいておりましたが、「巻頭言」として、

「この本をいつも手元におき、繰り返しひもといてくださるように願ってやまない」

とのたいへん身に余る推薦のお言葉をお寄せいただきました！
誠にありがとうございます。

画像のチェックや表紙デザイン、全体のレイアウトなど最終確認を経て、印刷作業に入っています。
7月末には完成、お盆前には当寺檀信徒の皆さんにお届けする予定です。クラウドファンディングでご支援いただいた皆様にも、10月中にはお届けしたいと考えております。
こんな表紙になる予定です(°°;)

ご支援いただいた資金の使い道

今回ご支援いただいた資金は…

・『宝昌寺だより　－白神山地の麓　藤琴川のほとりから－』印刷費用（約150万円）
・リターン品購入費用
・リターン送料
・Campfire手数料

として活用させていただきます

リターンについて

今回出版する『白神山地の麓　藤琴川のほとりから』に加えて、宝昌寺オリジナルグッズや藤里町の特産品、また住職が関わっている能登半島地震および豪雨災害で甚大な被害を受けた輪島市門前町商店街の復興応援アイテムなどをご用意しました！

『白神山地の麓　藤琴川のほとりから』プラス…
・「宝昌稲荷」祈祷札、御守り（天保４年に京都・伏見稲荷から当山鎮守として勧請）
・白神山地ワイン（藤里町で収穫したブドウを地元のワイナリーで醸造）
・菓子工房エスポワールのスイーツ（藤里町産の天然素材を使用）
・白神まいたけキッシュ（藤里町産舞茸をたっぷり使用して焼き上げた逸品）
・絵本『やくたたずのぶーなあさん』（白神山地の歴史とその保護に関わってきた人々とのストーリー）
・輪島市門前町復興支援オリジナルTシャツ
・特別拝観と御朱印
・住職による特別祈祷（家内安全・身心堅固・商売繁昌など）

スケジュール

7月初旬　最終校了・印刷作業開始
7月下旬　クラウドファンディング開始
7月末　　印刷完了
8月初旬　宝昌寺檀信徒向けに配布開始
9月初旬　秋田県内書店でも販売開始
9月末　　クラウドファンディング終了
10月　 　リターン発送

最後に…

この『無憂樹』100号に至るまでの25年を振り返れば、多くの方々にご指導・ご支援をいただいてきたこともあらためて実感し、その方々への感謝と報恩の念もこの本に込めました。

私たちの藤里町は人口2,500人あまりの小さな町です。人口減少、少子高齢化も著しく、お寺やこの地域を取り巻く環境は年々厳しくなっている昨今ですが、今後もこの地で宝昌寺を護り、地域の皆さんと共に歩んでいく誓いの印として、意味のある一冊にしたつもりです。

この本を手に取っていただき、
「仏教の教えって、思ったより日常生活と縁遠いわけじゃないんだ！」
「秋田の片田舎に、ちょっと面白そうなお寺があるよ」
と感じてもらえるようだと、とても嬉しく思います。
皆さまのご支援、何卒よろしくお願いいたします！

宝昌寺住職　新川泰道　拝