
皆さんこんにちは。珈琲アウラです。クラウドファンディング開始から21日が経過して、本日4月15日時点で153名の方にご支援いただき、目標金額の116%まで到達いたしました。あたたかいご支援本当にありがとうございます。
今回からこの活動報告では、お店づくりに関わってくださった方々をご紹介していきます。第一回目は、お店全体の設計を担当してくださった建築士・宮本圭さんにお話を伺いました。

宮本 圭(みやもと けい)
1970年 長野生まれ工学修士/一級建築士(第287442号)/カラーコーディネーター社団法人長野県建築士会長野支部所属・第一ブロック理事、資格試験委員 委員長1990 工学院大学工学部建築学科 望月大介研究室 空間デザイン専攻1996 同大学院工学研究科建築学修了/株式会社宮本忠長建築設計事務所 入社2006 シーンデザイン一級建築士事務所 開設2015 法人化「株式会社 シーンデザイン建築設計事務所」社名変更
─あらためて、設計へのご協力ありがとうございました。振り返ってみて、このプロジェクトはどんな印象でしたか?
このプロジェクト、関わっている人が多かったですよね。大家さんがいて、そこをつないでくれる人がいて、小倉くんがいて。関係者の背景も視点もばらばらで、それぞれに思いがある。お店を実際に始める小倉くんの視点はもちろん大事だけど、大家さんにはここに住んでいた思い出もあるわけですよね。だから、「どの価値観でつくるか」というのは難しいテーマでした。
それでも、異なる視点を丁寧に重ね合わせながら進めてきたからこそ、この場所にしかない価値が生まれたのではないかと感じています。若い人がやっているだけでも、年配の方がやっているだけでもない。そうやってつくられた空間だからこそ、ここはこれからも「全世代が集えて交流できる空間」になったらいいなと思っていますし、すでにその下地はできているのではと思います。

──ありがとうございます。もともとこの土地の空気を吸い込み調和した空間をつくりたいという想いでこのお店を始めることを決意したので、そういう意味で宮本さんにお願いして本当に良かったなと思っています。具体的には、どんなところを意識して設計されたのでしょうか?
ただ「きれいな空間」をつくるのではなくて、そこにいる人が何をしているか、どう過ごしているか。そういう日常の“シーン”を想像して設計しています。
──事務所の名前も「シーンデザイン」ですが、そこに通じているのですか?
そうですね。「シーンデザイン」という言葉は、もともと映画や舞台、アニメの制作現場で使われる用語です。映像の最小単位が「カット」なら、「シーン」は“表現として最小限の意味が伝えられるひとかたまりにあたります。建築でも同じで、「映える空間(カット)」ではなく、「暮らしが動いている風景(シーン)」を大事にしたい。朝日が差し込むなかでコーヒーを淹れている。そんな所作や、光の入り方、季節の変化を思い浮かべながら「どういう空間にしようかな」と考えるんです。

──日の入り方や庭の眺め、珈琲から立ち上る湯気。そうした機微を味わえる空間になったと思います。設計上、難しかった点も多かったのでは?
そうですね。構造的にもけっこう厳しかったんです。補強も最初はほとんど入ってなかったので、鉄の棒を通したりしました。木材を使って補強する方法もあるんだけど、そうすると空間がごつくなっちゃう。だから、透け感というか、抜け感を残しながらどう補強するか、すごく悩みました。
──築70年以上ですもんね。
はい。しかも増築や改築を何度も重ねてきた建物だったので、壊してみないと分からないことがたくさんありました。たとえば玄関の場所も、おそらく今とは違う場所にあったようですし、水回りも増改築の影響で複雑に入り組んでいたので壊しながら設計を変えていった部分もあります。そういう痕跡が建物に残ってるんですよね。

──まるで建物が“語り出す”ようですね。
そう。まさにそんな感じ。「ここにもともと玄関があったんだろうな」「この天井はもとはこんな形だったんだな」って。そういうふうに“建物の記憶”を読み解きながら、今にどうつなげていくかを考えていく作業でした。
──宮本さんがつないでくれた記憶の続きを、ここでまた重ねていけるよう、頑張っていきます。本日はインタビューに応えていただきありがとうございました。






