
今回はケニアの未来設立者の橋場美奈が、これまで大人への働きかけを中心に活動してきたケニアの未来がなぜ今回子どもたちへ直接アプローチする居場所事業を行うのか、そのきっかけをお話しします。ーーーーーーーーーーーー特定非営利活動法人ケニアの未来クラファンにご支援くださった方々、ありがとうございます。まだまだ苦戦していますが、あと4日、よろしくお願いします。ここで長くなりますが、「なぜ子どもたちに直接活動を始めようと思ったか」について語ろうと思います。私は2014年にケニアの未来を立ち上げてしばらくは、子どもの問題は大人が問題、児童福祉や非行少年の分野はたいてい親の問題であるし、ケニアには星の数ほどのものすごい機能不全家庭があって、大人が本当に好き勝手やっていて子どもを顧みていない部分が多い。ずっと、大人たちが変わらないと、大人の中で変えていける人たちを見出して光を当てないと、と思って保護司や児童保護のボランティアさんたちと活動していたわけですが、これを変えたのが、2020年のコロナでした。このコロナの年、ケニアでは民間航空会社の便が全部止まり、外に出れなくなった時期があって、その時にケニアの未来でやっていた保護司のプロジェクトも途中で止まってしまい、ロックダウンで現場にも入れず、やることがない、そんな中徐々に感染は広がっていくという時期がありました。民間の飛行機が飛ばなくなる前に、日本へ帰る選択肢もあり、本当は帰らなければならなかったのだけど、ケニアを出て逆にどうすんだって感じで、その方が路頭に迷う感が自分的にはあったので、ケニアで何かをしたいと思って、子どもの保護をずっとやっている地元の名物ボランティアと家の近所のスラムを一緒に回って家庭訪問して、感染予防のマスクを配ったりしていました。200世帯くらい回って、肌で、本当に機能不全家庭だらけだなということや、ジェンダーの問題を目の当たりにして、そこでいつも子どもたちに会いました。子どもたちも10か月も学校が完全閉鎖で家にいるしかなかったのです。家庭訪問を2-3か月くらいして、今度は、子どもたちと話そう!と思って、10代の子どもら集めてもらって、数日間、30人くらいの子どもたちと恋愛の話、子どもたちの周りでどんなことが起こっているのかなという興味をベースに、シンプルに話しました。あんまり固いインタビューみたいな感じではなく。彼らの考えていることを知れて、本当に楽しかったし、みんなも私が楽しそうに聞くからか、わりと分け隔てなく本音を言ってくれました。それで思ったのは、子どもは彼らだけの世界を持っている、ってことでした。大人の世界と離れているし、歩み寄りもないから、大人だけを変えようとしても、難しいなということでした。大人にしかできないProtectionはあるので、大人への介入は意味はあるけれど、もう実際にきつそうな子や親とそりが合わなくて、男の所に逃げ込んでいるような女の子もいて、そういう子たちが気になりました。大人とはシェアしない世界があるから、これだけ妊娠も多いし、彼らがいいなと思うことは、大人目線からいいこととは全く違う。子どもたちと直接かかわろう、彼らがもっと声を出せるようにしよう、それが子どもの参加だという考えに変わるきっかけでした。そして、この5年間、子どもたちへの合宿という単発の活動はしつつ、温めてきた、ケニアの子どもに本当に必要だろうと思う「居場所」の実現が近づいてきています。2020年は、子どもたちにとって本に魔の1年でした。このことからも分かるように、暇を持て余す休みは子どもたちにとって実は一番大変な時。エネルギーがものすごいのに、何もない。誘惑とか物欲もわきやすい。そこは、ケニアの未来の活動なので、大人たちももちろん関わって、地元の協力ありきで行います。会場は地元の学校。学校の教室をいくつか借りて、そこの校長先生、ボランティア、病院のカウンセラー(男性・女性)、元教員で児相でも働いていたエデュケーターなどなど。ケニアの人たちと繋がって創り出す場です。関わっていただけたら、本当にうれしいです。どうぞよろしくお願いします。