
【ゲスト:小澤ともこさん】 なぜ、中学生になると“いい親”でいられなくなるのか?専門家が語る、子育ての“軸”を取り戻す方法
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「子どもの自主性を信じよう」
そう心に決めていたはずなのに、我が子が中学生になり、定期テストの結果が目に見えるようになると、つい「勉強しなさい!」と口うるさくなってしまう。
そんな理想と現実のギャップに、自己嫌悪を感じている親御さんは少なくないのではないでしょうか。
今回は、2人目妊活の専門家であり、3人のお子さんを持つ母でもある小澤ともこさんをゲストにお迎えし、ご自身のリアルな葛藤を伺いながら、思春期の子育てにおいて、親が本当に大切にすべき「軸」とは何かについて、深く掘り下げていきます。
あるお母さんの告白「いい親のはずが、いつの間にか」
平島:小澤さんは、普段からお母様方の心と体のサポートをされていますが、ご自身の子育てで今、悩んでいることはありますか?
小澤さん(以下、小澤):まさにお恥ずかしい話なのですが、今まさに悩みの渦中にいます。もともと私は、子どもの自主性を何よりも大切にし、「自分で選ぶ」ことを尊重する子育てをしてきました。
ところが、長男が中学生になった途端、状況が一変しました。テストの点数や成績を見て、「このままじゃダメなんじゃないか」「こんな点数、見たことない!」と、私の期待値と現実のギャップに勝手に戸惑い、気づけば「勉強しなさい!」と口うるさく言う「お母さんらしき人」になってしまっていたんです。
平島:非常に多くの方が共感するお悩みだと思います。その気持ちの変化には、周りの情報なども影響しましたか?
小澤:そうなんです。ママ友との会話などで「うちの子の成績は、このグループにいるんだ」といった情報が入れば入るほど、私の心は揺さぶられました。本来、子どもは子ども、自分は自分、と分けて考えられていたはずなのに、完全に軸がブレてしまっていました。
親が本当にすべき、たった2つのこと
平島:その葛藤の中で、小澤さんが改めて立ち返ろうとしている、子育てで本当に大切にすべきこととは何でしょうか。
小澤:私が親としてできることは、突き詰めると、たった2つしかないと思っています。
心と体の「土台」を作ってあげること
多様な「環境」を用意し、「選択肢」を与えてあげること
これだけです。親は、子どもを所有物のようにコントロールすることはできません。どんな道を選ぶのか、いつやる気を出すのか。それは全て、子ども自身の課題です。私たちは、子どもがいつでも挑戦できるよう、心と体の土台を整え、様々な世界を見せてあげることしかできない。その原点に、今一度立ち返ろうとしています。
すべての根源は「夫婦関係」にあり
平島:その「心の土台」を育む上で、最も重要なことは何だとお考えですか?
小澤:それは、家族の中心が「夫婦」であることです。子どもが生まれると、どうしても生活が子ども中心になりがちですが、家族の土台は、あくまで夫婦関係なんです。
子どもにとって親は、最も身近な大人のモデルです。その夫婦がいつも口喧嘩ばかりしていたら、子どもの心は安定しません。逆に、お父さんとお母さんがお互いを尊重し、仲睦まじい姿を見せることが、何よりの教育であり、子どもの心の安全基地になります。
実は、私が妊活サポートの仕事を始めたのも、この「パートナーシップ」が原点です。旦那さんへの不満を口にするお母様方の心の奥には、「もっと私を見てほしい」という寂しさがありました。その根っこをケアし、夫婦関係が改善されると、驚くほどスムーズに妊娠される方が多いのです。
お子さんの問題を解決したいなら、まずはお父さん、お母さん自身が幸せであること。これが、すべての大前提になります。
「ゲームばかり」は、才能の裏返し
平島:夫婦関係を整えた上で、ゲームばかりしているような、目の前の子どもの行動についてはどう捉えればいいでしょうか。
小澤:その子がゲームに夢中になっているということは、他に夢中になれるものがないだけ、と捉えるのがいいと思います。
平島:面白い視点ですね。ゲームは「成長したい」「レベルアップしたい」「仲間とつながりたい」といった、人間の根本的な欲求を満たすように、非常に巧みに設計されています。その集中力は、むしろ素晴らしい才能だと捉えるべきです。
小澤:そうなんです。だから親の役割は、ゲームを無理やり取り上げることではなく、その有り余る集中力や探究心を、他の世界にも向けられるような「きっかけ」を与えてあげることなのかなと。
それこそ平島さんが企画されている講演会のように、多様な生き方をしている面白い大人たちに会わせてあげる。様々な世界を見せてあげる。その中で、子どもがゲーム以上に夢中になれるものを見つけられたら、最高ですよね。
最後に
子育ての軸がブレそうになった時、立ち返るべきは「夫婦関係」、そして「親自身の心の安定」です。親が幸せであることが、最強の子育て法であり、子どもの自主性を育む一番の土台となります。
子どもを信じ、コントロールを手放し、多様な出会いの機会を提供してあげる。そうすれば、子どもは自ずと自分の足で未来へと歩み出していくはずです。追伸お知らせです。こうした新しい教育の考え方や、多様な価値観に触れられる場として、来る6月29日に、私が主催する大規模な講演会「教育革命フォーラム」を開催します。
各業界のトップランナーが、これからの教育と生き方について語り尽くす、またとない機会です。
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