
クラファン公開に伴い、ARES Project を支えるメンバーたちの想いをお届けします。
第7弾はロボットアームの制御を担当するAsahi。bashなどのシェルと仲良くなりすぎて、自分のことをashと呼んでいるソフトウェア星人です。
本当は今年5月の世界大会を最後に引退する予定だったAsahi。しかし、不本意な形で敗退した悔しさに耐えきれず、もう一年だけ挑戦を続けることに決めました。
「中途半端で終わるのは許せない。これは俺の信念だから。」大会からの帰り道、彼は言いました。そんな彼の想いが、きっとARESを世界一に導いてくれるはずです。

ASAHI:アーム制御リード
✴︎ ARES で担当していること
今はロボットアームの制御を中心に開発を進めています。同時に、イキイキと取り組む後輩たちにさまざまなことを教えながら、ARES Project の代替わりも少しずつ進めているところです。
技術の話に戻ると、今年は昨年度よりメンバーが増えたこともあり、作業を分担しながら効率的に開発を行っています。ロボットアームの制御の目的は、手先でミッションに応じた物体を拾ったり、ギミックを操作したりすることです。要するに、遠隔でロボットアームの手先を思い通りに動かせるようにすることが最終的なゴールになります。
URC2024, 2025は、各関節のモーターを個別に回しながら、最終的に手先を目標位置へ導くという、非常に基本的かつ古典的な手法で制御を行っていました。しかし今年は、手先を目標に向けて直感的に動かすと、その位置に応じて関節角度が自動的に決まる「逆運動学(Inverse Kinematics)」の実装に挑戦しています。この技術にはURC2024にも一度挑戦しましたがうまくいかず、URC2025でも大幅アップグレードの影響で間に合いませんでした。つまり、今年は三度目の挑戦になります。
自作のロボットアームということもあり、市販品と大きく異なる点が多く、解決すべき課題は常に自分で考えながら進める必要があります。そのぶん大変ですが、非常にやりがいがあります。開発が進むほど、うまくいかない期間が長く続くのは日常で、ほとんど最後の瞬間以外は問題ばかりです。他のメンバーが着々と成果を出す中で焦りを感じたり、「自分のせいでURCに間に合わなかったら…」と不安になることもあります。
それでも、新しい技術を学び、自分の手で制御を実現し、メンバーが作ったロボットアームや電装と協力して成果を形にしていく過程は、チームで挑む意義を強く実感できる瞬間です。苦しい時間も含めて、とても有意義だと感じています。
✴︎ 大切にしていること
基本に忠実であることは、とても大切だと考えています。開発に限らず、今の世の中には便利なビルトインツールやプラグインが数多く存在します。それらを使うのは楽しいですし、効率も上がります。しかし、便利さの裏側で多くの処理がブラックボックス化され、理解が追いつかないまま実装を進めてしまう危険もあります。
だからこそ、僕が開発するときは、まずある程度の事前知識をしっかり身につけたうえで、便利な機能を取り入れるようにしています。抽象度の高いパッケージを使うことで安定性が上がることも多く、その点はトレードオフを見極めながら選択します。ただ、どちらかといえば“レガシー寄り”の考え方が好きなので、可能な限り中身を覗き込み、「なるほど、こうなっているのか」と理解しながら使うことが多いです。そうしておけば、大会本番でトラブルが起きたとしても、原因を推測して対応できると考えています。
これは開発に限らず、もっと広い範囲にも言えることだと思います。今は“飛び道具”のような手軽なテクニックが蔓延し、小手先の見せ方を工夫するだけで評価されてしまうような時代です。しかし、どこかで限界が来るのは明らかで、表面的な薄っぺらさでは勝負できなくなります。
だからこそ僕は、派手さよりも、基本に忠実に、丁寧に積み重ねていくことを大切にしています。それが僕のモットーです。
✴︎ PASSION
今いちばんハマっているのはゴルフです。止まっているボールをただ打つだけなのに、想像以上に難しくて、気づけば夢中になっていました。最初は「なんとなく簡単そうだな」と思っていましたが、実際にやってみると奥が深すぎて、どんどんのめり込んでいきました。
トレーナーをつけたりレッスンに通ったりすれば上達は早いらしいのですが、僕はプロ選手の動画を見て、フォームを真似したり、自分なりに考えた改善点を試したりするのが好きです。打ちっぱなしのモニターのデータを見ながら「ここが悪いんだな」と分析して、一人で黙々と取り組む方が性に合っています。
止まっているボールを棒で打つだけーーそれゆえに、うまくいかない原因はすべて自分の中にあります。だからこそ、フィードバックをして改善していくプロセスがたまらなく楽しいと感じています。
無理やり ARES に結びつけるなら、ゴルフもロボット開発も「力任せではうまくいかない」という点が共通しています。ゴルフでは、思いきり力んでフルスイングしなくても、脱力して芯に当てればボールはしっかり飛んでいき、まっすぐな球が打てます。つまり、基本に忠実であること、力でごまかさないことが大切なのです。

✴︎ 今後ARESで挑戦したいこと
ARESには、高い専門性と探究心を兼ね備えたメンバーが多く、彼らは確実に次世代の宇宙開発を牽引する存在だと感じています。私は社会人として当面は経営に携わる予定ですが、そのフェーズを終えた後には、開発に軸足を移し、ARESのメンバーと協働しながら新しい技術領域に挑戦したいと考えています。本当に今のARESの結束力やチーム力があれば本当に宇宙に手が届くのでは...と思うほどなので、みんなで作った探査機を宇宙へ送り込むまでやってみたい感はあります。かなり大変な道のりになりそうですが、大学生活を捧げて探査機開発を行ってきたメンバーとならやれそうです。
また、昨年ソルトレイクシティで滞在したリッチフィールドのAirbnbを仲間たちと共同で取得し、現地でバーベキューをしたり、遊びに行ったりしたいです。開発ばかりでかなりきつい思い出もありますが、初めてのURCに挑戦した場所なので、思い入れの深い場所です。
人生が続く限り、仲間とともに前向きに学び、探究し、楽しみながら生きていきたいです。




