プロジェクト内容
愛知県蒲郡市の耕作放棄地を再生したぶどう畑に、雨からぶどうを守る「レインガード」を整備するとともに、農作業の機械化を進めます。
天候による品質低下と人手不足という課題を乗り越え、次世代へ引き継げる持続可能な農業を実現することが目標です。
ご支援いただいた皆さまには、蒲郡の畑で育てたぶどうから造るワインなどをリターンとしてお届けします。
自己紹介
ぶどう収穫時の生産者:安井秀夫
数年前まで雑草に覆われていた耕作放棄地から、ついに2024年、初めて一本のワインが生まれました。
はじめまして。安井秀夫と申します。
私はこれまで建築家として活動するとともに、大学教授として建築やまちづくりの教育・研究に長年携わってきました。大学では学生たちと一緒に、私の地元である愛知県蒲郡市・大塚地区の地域活性化「地中海村構想」について研究を続けてきました。
そして2022年。大学退官を機に、「研究として地域について考えるだけでなく、自分自身の手で何か恩返しをしたい」と強く考えるようになりました。
そこで学生と共に、かつてはみかん畑だったものの、農業の担い手不足によって雑草に覆われてしまった「耕作放棄地」を再生することを始めました。
耕作放棄地から持続可能な農業へ
耕作放棄地(左)をぶどう畑(右)へ
蒲郡は、古くからみかんの産地として知られています。 温暖な気候、長い日照時間、海と山に囲まれた自然環境、そして海から吹く穏やかな潮風。適度に水はけの良い肥えた土壌を持つこの地は、ヨーロッパの地中海にも似た、果樹栽培にとって理想的な環境です。
私は以前から、この蒲郡の風土にはみかんだけでなく、ぶどうやレモン、オリーブなど自然環境に合った多様な農作物を育む「計り知れない可能性」があると考えていました。
そこで、学生との研究を実現するために自ら耕作放棄地を切り拓き、ゼロからぶどう栽培をスタートさせました。
荒れ地から土を整え、苗木を植え、育てる。 試行錯誤を繰り返しながら少しずつ畑をつくりあげ、2024年、ついに自分たちで育てたぶどうから「初めてのワイン」を造るところまでたどり着くことができました。
しかし、本格的にぶどうを育てるようになったことで、見過ごすことのできない「大きな課題」にも直面しました。
それが、日本特有の「雨」と「人手不足」です。
課題①:「雨」が、ぶどうの大きな障壁
雨による品質低下を防ぐためにぶどうの房の上をビニールで覆ったが雨と湿気によりぶどうが傷んだ画像
美味しいワインを造るために何より大切なのは、原料となるぶどうの品質です。どれだけ醸造技術に工夫を重ねても、ぶどうの状態が良くなければ、私たちが目指す理想のワインにはなりません。
蒲郡でぶどうを育てる中で最大の壁となったのが「雨」と「湿気」でした。 実が成長し、収穫を迎えるまでの最も大切な時期に雨が続くと、ぶどうが濡れて湿度が高くなり、病気や実の傷みを引き起こしてしまいます。
そこで私たちは、雨からぶどうを守るために「ぶどうの房の上をビニールで覆う」という方法を試しました。これなら直接雨が当たるのを防げると考えたからです。
ところが、実際は別の問題が発生しました。 雨を防いだはずが、湿気によってぶどうが蒸れてしまったのです。 房のすぐ近くを覆ったことで湿気と熱がこもり、風通しが悪化。結果として、守るために設置したはずの覆いの中でぶどうが傷んでしまいました。
「雨だけを防げばいいわけではない。雨から守りつつ、風をしっかり通す必要がある」 これは、自らの手で土に触れ、実際に栽培したからこそ得られた教訓でした。
課題②:「人の力」だけでは続けられない。次世代へ繋ぐための手段
作業風景
実際に農業を始めて、もう一つ強く実感したこと。 それは、農地を守り続けるためには想像以上に多くの人手と体力が必要だということでした。
草を刈る、土を整える、樹を管理する、収穫する、設備を維持する。 一つひとつの作業は人の手で行えますが、蓄積される身体的負荷は決して小さくありません。農業従事者が減り、耕作放棄地が増えている理由を肌で感じました。
だからこそ目指したいのが、
人が頑張り続けなければ成り立たない農業から、「持続可能な農業」への転換です。
草刈りや土づくりなど、機械に任せられる重労働はできる限り機械化する。そして人は、ぶどうのわずかな変化を見極めたり、品質を高めるための工夫をしたりするなど、人にしかできない仕事に力を注ぐ。
農作業の機械化は、単に作業を楽にすることが目的ではありません。
将来、この畑を受け継ぐ次世代の負担を減らすための投資でもあります。「この畑なら、自分も農業を続けられる」。次の世代にそう思ってもらえる環境をつくることが、私たちの大きな目標です。しかし、作業を楽にして、作物の品質を下げることは絶対にありえません。
支援金の使い道
今回いただいたご支援は、これら二つの課題を解決するため、主に「高さのあるレインガードの整備」と「農作業の機械化」に活用させていただきたいと考えています。
高さのあるレインガードの設置イメージ
① 高さのあるレインガードの設置
ぶどうを雨から守りながら、十分な風通しも確保するため、ぶどう棚より高い位置に屋根を設ける大きなレインガードを導入したいと考えています。
これまで試してきた房の近くをビニールで覆う方法では、雨を防げる一方、湿気や熱がこもってしまうという問題がありました。そこで、ぶどうから十分な高さを取った位置に屋根を設置することで、雨を防ぎながら畑の中に風が通る環境をつくります。
畑に必要な規模のレインガードを整備するためには、約300~400万円の費用が必要となる見込みです。天候による品質低下を少しでも減らし、より安定して質の高いぶどうを育てていくための重要な設備です。
② 農作業の機械化
ぶどう畑を維持するために必要な草刈りや土づくりなどの作業には、多くの時間と体力が必要です。
こうした、重労働をできる限り機械に任せることで、作業負担を減らし、ぶどうの管理や品質向上により多くの時間を使える環境を整えていきます。
そして、将来この畑を次の世代へ引き継ぐためにも、無理なく農業を続けられる環境を今のうちからつくっておきたいと考えています。
皆さまからいただいたご支援を、より良いぶどうとワインをつくり、蒲郡の農地を未来へ残していくために、大切に活用させていただきます。
私たちが目指す未来:「蒲郡地中海村構想」
蒲郡地中海村構想イメージ図:農業・食・観光を一体化し、農業景観そのものを観光資源として活用する地域構想
このぶどう畑の再生は、一つの畑だけで終わる取り組みではありません。
蒲郡の恵まれた環境を再定義し、蒲郡大塚という地区をヨーロッパの地中海のような豊かな環境に変えていく。私たちは「蒲郡地中海村構想」と呼んでいます。
蒲郡が持つ温暖な気候や海、山、農地といった地域の魅力を改めて見つめ直し、農業・食・観光がつながる地域をつくっていく。みかんだけでなく、ぶどう、レモン、オリーブなどが実り、美しい農業景観そのものが地域の魅力になる。
そんな風景を将来の蒲郡につくりたいと考えています。
私は長年ワインを愛し、自宅にワイン専用の部屋を設けるほど、さまざまな産地や造り手のワインに触れてきました。その経験と、建築家・大学教授として地域や環境について考えてきた知見を生かしながら、蒲郡の風土だからこそ生まれるワインを目指していきます。
蒲郡地中海村構想URL:https://heyzine.com/flip-book/d18cfe77a7.html
作業効率だけを求めない大塚のテロワールを活かしたワイン造り
リュット・レゾネによるむやみに農薬を使わない農法
私たちのぶどう畑では、「リュット・レゾネ(環境保全型農法)」という農法を取り入れています。これは、むやみに農薬を使うのではなく、ブドウの木を観察し、本当に病気の危険がある時にだけ最小限のケアを行う農法です。
また、畑の土には除草剤や化学肥料を一切使用していません。自然に生える草を「緑肥」として活かし、土の中の微生物や生き物が暮らしやすい共生環境を育てながら、ぶどうが健やかに育つ土づくりを続けています。
効率だけを求めるのではなく、自然と向き合いながら、一房一房を大切に育てる。そして、蒲郡の気候や風土、土壌が生み出す「テロワール」をワインを通して表現し、この土地ならではの個性を感じてもらえるワインを届けることを目指しています。
現在の準備状況とリターンについて
現在、畑の整備を進め、収穫量を増やしてより多くのワインを仕込むための本格的な体制づくり(環境整備、機械化、人材確保)に取り組んでいます。
今年で挑戦から5年目。蒲郡ならではの環境を生かし、完成したワインなどのリターンをご用意しました。 2026年産のぶどうは現在栽培中で、収穫・醸造を経て、2027年4月頃に皆様のお手元へお届けするスケジュールで進めております。 (※万が一、天候等の影響で十分な収穫ができない、または醸造品質が基準に満たない場合は、来年以降の出荷とさせていただく場合もございます。自然を相手にする農業の特性として、何卒ご理解いただけますと幸いです。)
最後に
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
このプロジェクトは、私を育ててくれた故郷への恩返しであり、日本の農業再生の道標になればという願いを込めた、大学退官後の新しい挑戦です。
荒れ果てた農地を再生し、地域の活性化を実現し、皆様に愛されるワインを造り続けるためには、どうしても皆様のサポートが必要です。 今、レインガードの整備と農作業の機械化という、次の一歩を踏み出したいと考えています。なお、農場の見学は無料で行っております。蒲郡にお越しの際は、ぜひお気軽に私たちの畑へ遊びにいらしてください。
故郷の未来を切り拓くこの挑戦に、どうぞ温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

プロフィール
ワイン生産者達との交流
【生産者プロフィール】 安井 秀夫 建築家・工学博士。長年にわたり大学での教育・研究から実務まで建築と向き合う。ワイン愛好家としての顔も持ち、国内外の産地を巡り造り手の哲学や畑の個性に直接触れてきた経験を持つ。このワイン造りは、ワイン好きとしての長年の蓄積と、建築家としての思考が交差した挑戦でもある。
建築紹介動画:
酒類販売管理者標識
(販売場の名称及び所在地) 東京都新宿区中落合3丁目12番4号 建物地下1階
(酒類販売管理者の氏名) 安井秀夫
(酒類販売管理研修受講年月日) 令和5年12月14日
(次回研修の受講期限) 令和8年12月14日
(研修実施団体名) 一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会
※アルコール類の販売には年齢制限があり、 20歳未満の方の購入や飲酒は法律で規制されています。




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