
彼女の名前はサラさん。スラムに暮らすシングルマザーです。
彼女はいつも真剣な表情で黙々とカンパラヤキを焼いています。
最初はうまくひっくり返すことができなかったけど、何回もチャレンジしているうちにとても上手く焼けるようになりました。
いつも彼女の背中には赤ちゃんがいます。1歳半だそうです。
彼女の詳しい素性はよく知りません。でも見た目からしておそらく20代前半、10代の女の子たちとはしゃぐ姿を見ていたら、もしかしたら彼女はもう少し若いかもしれません。
いずれにせよ若くして妊娠、出産しています。
よくアフリカの映像などで、スラムに暮らしている人たちは貧しいけどお互い助け合って生きています!・・・というのを見かけることもありますが、カメラが向けられてないところでも、いつもニコニコ仲良く助け合ってるかというとそうでもない光景もあります。
プロジェクトのメンバーは10人の女性たち。スラムにはもっと多くの人が住んでいます。
「あなたたちばかり日本人にひいきされていいわね!」
そんな雰囲気で割り込んでくる女性もいます。
選ばれなかった女性グループが、コソコソと陰口を言ってるような光景も見られます。
まあ、ローカルコミュニティーだとそうなるのが自然でしょう。

サラさんも、年上の女性からイヤミを言われていたり、わざと聞こえるように陰口を言われたりしている光景も見られます。
その度に、サラさんはムッとした表情をしてますが、特に言い返すこともなく、ただひたすらに焼いてます。
時々、赤ちゃんが泣いてお乳をあげにいったり、オムツ変えのために鉄板を離れることがあります。
サラさんが鉄板から離れると、ここぞとばかりにコテを奪い、「ほら私の方が上手く作れるわよ!」と私に自己主張してくる人もいます。
そんな時は軽くあしらうのですが、それがまた気に食わないよう。
誰から救うのか。
スタートメンバーの人選は、このスラムを長年支援しているピーターさんが選出ました。
バンダスラムの教会の牧師さんで、地元で会社経営もされているとか。イケメンでナイスガイ。若き実業家という感じです笑
マンプクウガンダのマネージャーとしての役割を担っています。
マンプクウガンダには、学生メンバーもいます。放課後や夏休みなど、学校終わりの夕方から夜間の時間枠で働く学生アルバイトです。
彼女たちの素性も詳しくは知らないのですが、孤児院から学校に通っていたり、親がいなかったりといろいろ訳ありのようで、アルバイトをして学費にしたいそうです。
めっちゃしっかりしていて、よく働く女の子たちです。
ピーターさんの人選は、なかなか訳ありな人生を歩んでいる女性、でもその中でたくましく生きようとする女性たちを選出している気がします。皆、スラムに暮らしていながらも、どこか孤独を感じているような、地域に居場所がないような、そんな女性も見られます。
サラさんの坊ちゃんが、いつもじーっと見てくるので、たまには抱っこさせてくれないかと・・・
そっと抱き抱えると・・・ギャン泣きされました笑
このおばちゃん!!なにするねん!!
それにはサラさんも苦笑い。

「サラさん、スマイル!スマイル!」
と声かけてやっと見せてくれた笑顔がこれ。照れくさそうに笑ってくれました。
いつかお店ができて、そのお店が彼女たちの居場所になっていくんじゃないかなと感じました。
それぞれがいろんな事情を抱えているけど、いつか自分で自分の店を持つ。彼女たちはそんな目標を掲げているようです。
いつかサラさんの坊ちゃんも笑ってくれたらいいなあ〜汗






