おはようございます。即興からめーる団です。
団と言っても、メンバーは2人だけで、音楽家の赤羽美希と打楽器奏者正木恵子による音楽ユニットです。
私たちは初回2017年からずっとストリートピアノすみだ川の演奏サポーターを務めさせていただいています。
♪開始当初のストリートピアノすみだ川
最初の年は、まだストリートピアノ自体一般的ではなく、そんなにたくさんの方が訪れたわけではなかったのですが、隅田川テラスをベビーカーを押して散歩していたママと赤ちゃんを誘って一緒にセッションしたり、ランニング中のランナーさんを誘って連弾したり、のんびりした時間の中でゆるく音楽を展開していました。
そんな中、突然現れた小学生の男の子がバリバリ難曲を演奏して驚いていると、次の曲はラジオ体操。その場にいた人全員でラジオ体操をしたりもしました。
また、ご友人と訪れた50代くらいの男性は、ずっとそばで様子を見てくださっていて、お誘いしてもなかなか演奏に踏み切れず…ついには「お酒あおってきます!」と言って立ち去って、帰ってきたら赤ら顔。お酒の勢いで演奏を実現して、みんなで喜びのハイタッチをしました。
それから、幼稚園の体操服を着た女の子。演奏しにきたけれども、やはりなかなか勇気が出ずに、演奏できない。私たちがそれとなく何度か誘いましたが、緊張で泣いてしまったり…。昼過ぎ頃に訪れて、ついには夕方に。終わり間近になって、演奏を決意した彼女は、立派に演奏をやり遂げて誇らしげでした。
2017年からずっと続けていると、荒天で1日は中止になってしまった年、雨のため両国門天ホール内での実施に変更して「もんてんスタインウェイピアノサロン」を行い、会場のみなさん一体となってセッションし続けた年。季節外れの炎天下で、ボーッとしてしまいながらもなんとかやり遂げた年、コロナ禍で感染対策に追われた年など、いろんな年がありました。
そのような中でもストリートピアノすみだ川が決して崩さずにきた姿勢が、「誰もが音楽を楽しめる場、表現できる場を作る」「ピアノを巡ってその場にいる人たちとのゆるやかなコミュニティを作る」というものです。
そういった中での私たちの仕事は、1本指でも演奏を楽しめるようにセッションを行うことに加えて、演奏に臆してしまっている人を励まし、演奏する喜び、あるいは演奏がうまくいかなかった悔しさに寄り添うことであったり、その場にいる人みんなを巻き込んで音楽を展開したりすることなど多岐にわたります。

年を重ねるに連れて、芸術が届きにくいと言われる小さなお子さん連れのご家族も増えてきました。また、年に一回隅田川で、演奏をすること、セッションをすることを目標に訪れる方も多くいらっしゃいます。
私たちがよく話すのは、“ストリートピアノすみだ川は日本で一般的に知られている「ストリートピアノ」ではないかもしれない”ということです。あらゆる人が音楽を表現できる機会であり、多様な人が出会い、音楽の中でゆるく交流し合いながら、お互いを知り合う機会。こうした機会を持つことは、市民一人ひとりが、今、ここで生きている、他者と関わり合って生きている、ということの表明でもあり、それは市民一人一人の尊厳を保証することにもつながると考えます。ここでの私たちが持つ責任の重さを感じながらも、参加者のみなさんとのあたたかい音楽の時間を楽しみに毎年ストリートピアノすみだ川に携わらせていただいています。そんな時間を今年もきっと持てますように!そう願っています。




