小宮京です.2日目、今日の写真はこれです.
昨日と同様、これも写真をメイン活動としていない頃に撮ったものです.
曇り空の琵琶湖で、映像制作のロケハン時に撮影しました.
偶然あったこの魚.湖からの大きな波がくるとザバッと水を被り、すでにくり抜かれた目と大きく開いた口、そしてある意味生々しい鱗を纏った全身が埋もれては、水が引くとまた現れ、その繰り返しでした.しばらく粘り数枚撮影したもののうち、頭部を隠したものを採用しました.
- 汚れを伴い複雑になる -
…以前、“美しさ”について思ったことがありました.
完璧に整ったものよりも、私は朽ちたものに惹かれます.「真っ白な心」よりも「姑息さ」に興味があります.影の面を持った輝きを、美しいと感じます.
プロジェクトの紹介文でも、私はグレーゾーンに惹かれると述べました.複雑な状況のなかにひそむ美しさは、簡単には説明のつかないジレンマを抱えています.そして私はそれを見ることで自身の感情を揺さぶり、やっと生きた心地を与えてもらうのです.
ただ綺麗なだけでも違う、汚いだけでも違う、その間にいることで私は最も刺激を受けます.
- だから見せたくなかった -
ですので、私はその魚の頭部を隠したかったのだと、今になって思います.
また、水を止めるようにうつしたのは、この魚にかぶさる水の「瞬間」を捉えたかったから.まさにその瞬間にこことを揺さぶられ、美しいと感じたから、それをそのまま記録に残したかったのです.
- イロミ -
写真自体で言えば…色味が欲しいなと思いました.モノトーンに近くなってしまっているので、なんとなく現実離れしてしまっているような….もっとこの瞬間を見ている自分の存在が分かるように表せたら良いのになーというのが感想です.
- 懐かしのGR -
この写真、リコーGRで撮影しています.実をいうとGRは愛用品だったのですが、数年前に盗難に合い(私にも原因はありました)、それ以来持っていません.辛い思い出です(苦笑)
また、使いたいな…
では、今日はこの辺で.次の写真はまだ決めていません.お楽しみに!