
《波瀾万丈 柴﨑陽子物語り》
第5話:
555人にこだわる理由。
〜譲れない使命〜
こんにちは、柴﨑陽子です。
最愛の息子・Ryoとの別れを経て、
気づいたのです。
私の歌は、もう、私だけのものではないと。
そして、私は歌い続けました。
「子どもたちにジャズの生演奏を聴かせてほしい」
と、Ryoが入院していた数カ所の小児病棟に、来る日も来る日も、頼み込んでいました。
でも、
「クラシックなら…少し考える余地はあるけどジャズじゃねぇ…」
と、断られ続けました。
しかし、4年の間、頼み込む月日を経た結果…
夢にまで見た演奏会は、病院の片隅…
会議室というステージで、実現したのです!
「えぇ??」
「あれってRyoくんのママじゃない??」
「ドレス、キラキラしててかっこいい」
ふだん、病室にいた私がジャズメンの中でマイクを握っている。一緒の病棟に入院しているおともだち、
その驚きと笑顔の中に、Ryoのはにかんだ、、、
でも得意そうな、
母の私だけが知っている笑顔が、
光っていました。
その姿を見た瞬間、
暖かいもので、私の胸はいっぱいになりました。
そして、
小さな体を揺らして、リズムをとる子どもたち。
私の歌、バンドの演奏に、
点滴を打ちながら、耳を傾ける子どもたち。
おともだちのお母さんたちも、我が子の後ろ姿を見て
涙を流されていました。
「理屈じゃない」
「本物の音楽は、子どもたちに、魂に、届くんだ」と。
この経験から、もっと伝えたい!
もっと、
子どもたちに。
もっと、
お母さんたち、
お父さんたちに、伝えたい!
だから今回、
555名という大きなホールで、
私はコンサートを企画しました。
生の音の振動、
本気の音、本物の熱気...
魂のヴォーカル、
そして、演奏を、届けたい!
五感で感じること、生で体験する音楽が。
彼らの魂を、未来、
そして夢を、ピカピカに磨く種に必ずなる!
私はそう信じています。
Ryoが見ることは叶わなかった「未来」を。
今、これからを生きる子どもたちに届けたい。
それが,今の私の…
絶対譲れないもの、使命なのです。
~傷だらけの正義~
歌、演奏を通して、
子どもたち、未来への想いを語りました。
でも、正直に言います。
「今、私、ちょっと怒っています!」
私を突き動かしているのは、
綺麗ごとの「愛」だけではありません。
静かでも、確かな「怒り」が、あります。
見え透いた嘘、裏表のある関係、、、
有象無象が、溢れている。
力のあるもの、
そうでないもの、
国や思想の異なり…
世界は今日も、
思わず目を塞ぎたくなる、
悲しくも残酷なことばかりです。
私は、ただの一人の人間です。
強靭な肉体、
精神があったらいいのに。
でも現実は、
傷つき、落ち込み
「誰を信じたらいいの?」
そう叫び出さずにはいられなかった事もあります。
そして、自信を失ったこともあります。
(持てなかったというのが正しいかも)
「いい人」「正しい人」を演じることに、
疲れていたんだと思います。
そうです、
だからこそ思うのです。
“本物でありたい”って。
「でもステージの上は嘘だらけ?!って聞いたことがあります」
うん、うん。
そういう話は、よく聞きます。
しかし…ありえませんよ!!
生き様を映す鏡、それが声です。
歌声は、その人自身です。
一番上手に、歌えないかもしれない…
私は、不器用なのだと思います。
(いいえ、絶対にそうなんです笑)
長く習っているはずの、
英会話にコンプレックスがあったり。
プロのくせに、
練習が嫌いだったり(笑)
完璧とは、ほど遠い、、、
でもね。
宇宙と繋がり、
天国の息子と繋がり、
目の前のあなたへ、歌っている時。
魂で繋がれるはず…
(そう願っています。)
だから、
一生懸命さなら、負けません!
傷だらけの人生、
歩み続けたどり着いた、
唯一の「正義」なのかもしれません。
混じりっけなし!!
嘘のない「音」を届けたい。
この想いを胸に、今日、
これからも、歌って参ります。
(次回、最終話です。
あなたへ、渡したいものがあります)
、、、つづく
*写真は
Ryoが作詞した校歌です



