活動の目的
私たちは国際協力に関心のある医学生で構成されたグループです。
毎週オンライン授業を通して、ケニアのこども達に正しい性教育と公衆衛生の知識を教える活動をしています。また、ケニアの子供たちが閲覧できるサイトを作成し、性教育の情報を授業以外でも伝える活動をしています。オンラインでは時間の制約、コミュニケ―ションの限界があることを活動を通じて痛感しました。
実際にケニアに行くことでもっと多くのこども達に正しい知識を届けたい!
そんな思いから、クラウドファンディングに挑戦することにしました!
ケニアのいま -「生理の貧困」「望まない妊娠」「性感染症」
日本ではあまり身近ではない「生理の貧困」。日本では生理用品を消耗品として当たり前のように使えるからです。しかし、貧しいケニアの家庭にとっては高級品。生理用品がないから学校に通えない、生理が原因でいじめられる、そんなことも珍しくありません。これによって多くの少女たちが夢を諦めざるを得ません。
なぜこのような現実が起こってしまうのでしょうか。理由のひとつとして、性知識の不足があります。「生理は穢れ」という考えが残っているケニア。1人でも多くの人が生理に対して正しい知識を持っていれば、生理に対する正しい理解がもっと広がれば、学校へ通うことを諦めざるを得ない少女を減らすことができるはずです。
こども達が学校を離れてしまう理由は「生理の貧困」だけではありません。望まない妊娠、性感染症もこども達を学校から遠ざけています。私たちの教える小学校では2021年に37人もの生徒が去りました。日本では義務教育として当たり前に得られるのに対し、生まれた国、環境が違うだけで、これだけ多くのこども達が学校に通うことを諦めざるを得ないのです。
「妊娠したらどうなるの?」、「どうしたら性感染症にかかるの?」こんな質問にちゃんと答えられる大人が近くにいれば、「生理は普通のことで何も恥ずかしくない」そう自信を持って大人に言ってもらえたら、もっと多くのこども達が学校で学び続けられたかもしれない。ひとりでも多くのこども達が夢を追いかけ続けられるために、私たちは性教育という形で支援したいのです。
なぜ「医学生」が?

・モノだけでなく知識を届ける活動
物資やインフラの支援ももちろん大切です。しかし、それだけではどうしても一時しのぎになってしまいます。物資を使い果たしたり、設備が老朽化してしまったりすればその支援は役目を終えてしまいます。
私たちの活動は、これからを担う子どもたちに性・衛生についての正しい知識と考え方を伝えることで、世代やコミュニティを超えて支援を届けることを目的としています。
・これからの医療を担う医学生が得る学びも多い
この活動の大きな特徴は、医学生が取り組んでいるということ。医師の仕事は患者さんを診察するだけではありません。公衆衛生など予防法を広く伝えることも重要なのです。このような活動に学生のうちから取り組むことで、将来の医療をリードする医師を目指します。昨年活動された先輩方も、ケニアを実際に訪問したことで、価値観の変化やモチベーションの向上など大きな刺激を受けたとのことでした。
・一度支援しておわりではない!
ケニアで得た経験は来年以降のオンライン授業、ケニア訪問に活かされます。
一度きりで終わらせるのではなく、これからも成長し続けていく。そんな活動を目標としています。
ケニアの医療現場にエコーを伝える
◯エコー技術の習得と教材作成
日本語版の教材(一部)私たちは、超音波(Ultrasound)の基礎を学び、将来的にケニアで教育活動に活かすことを目的としています。超音波は患者の身体を傷つけず、体内の様子が鮮明に分かるという利点を持つ技術であり、ケニアの医療現場においても大いに役立つと考えられます。
具体的には、超音波の基本的な知識を学ぶこと、メンバーがより詳しく技術を習得し、来年度ケニアで現地の医療従事者に教えられるようにすること、言語のバリエーション(英語、日本語に加え、ケニアの公用語であるスワヒリ語など)に対応した教材の作成を行おうと思っています。
また、私たち医学生自身にとっても、超音波を学ぶ良い機会となります。 昨年のエコー講習会の様子
これまでの活動内容
◯今年度の活動
私たちは現在までに主に二つの活動を行ってきました。
一つ目は、医療に関する様々な知識を学ぶことです。性教育に関することはもちろん、ケニアを含めたアフリカの現在の医療状況、医師のあるべき姿など、内容は多岐にわたります。文献にあたったり、ケニアへの渡航経験のある先生から直接教えてもらったりして得た知識を、生徒同士で議論し、振り返りを行うことで理解を深めてきました。
二つ目は、ケニアの子供達に性教育を行うことです。週に一度、オンラインで日本とケニアを繋ぎ、英語で性に関する授業をしています。生殖器官の役割や、生理について、家族計画、性感染症についてを、作成したスライドとともに説明しています。子供達は質問をしたり、感想を教えてくれたりしていて、性教育の手応えを感じることができています。
◯昨年度の活動、子どもたちの声
昨年度は先輩方がケニア・ナイロビ郊外の学校を訪問し、性教育と公衆衛生教育を実施しました。オンライン授業を合わせて約200名の子どもたちに「人体」「思春期・月経」「ライフプラン」「性感染症」など4回シリーズを提供。現地では医療キャンプやエコー講習会も行い、直接対話しながら学びを深め、オンラインだけでは伝えきれない内容を補うことができました。
「生理が普通のことだとわかって安心した」「自分の体を守る方法を学べた」など、授業後には前向きな声が多く寄せられました。これまで話しにくかったテーマを学ぶことで、不安が解消され、自分の体や未来を大切に考えるきっかけになっています。
支援金の使い道
・現地への寄付(現地での炊き出し代を含みます。)
・ケニア渡航に必要なワクチン接種代
・日本-ケニア往復の航空券代
・リターン代
(現地での活動報告・写真などが主な内容になります。プロジェクトが目標金額を達成できなかった場合にも、自己資金にて補填し、確実に履行いたします。)
さいごに
子どもたちは“ジャーナリストになりたい”、“医者になりたい”と笑顔で夢を語ってくれます。
彼らがこれからもずっと夢を語り、勉強を続けられるために、正しい教育が必要なのです。しかし、学校の先生たちにとって、正しい性教育を教えることは、簡単なことではありません。そこで、医療知識を持った私たち医学生が子どもたち、さらには先生達に正しい性教育を行います。
「子どもたちに性教育を教える」、小さなことに聞こえるかもしれません。しかし、子どもたちが知ったことを親に伝え、その親が近所の人に伝え、その近所の人が、、、こうして私たちが届けた知識がコミュニティ全体に広まっていくのです。
温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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