
雫さんも・・・なんか・・・相当・・・めんどい人・・・ですね・・どうやら・・・(笑)
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〈出会い〉2014年 湊33歳・雫23歳~雫の話~④
日頃、訪れることのない、用事が無ければ下車することなどない、通り過ぎていても名前すら意識していない、駅を降り、歩く。
「こういうの、好きだったよね。」
と渡された、大正の経済人と歌手との悲恋物語、歌手の方は笠置シヅ子がモデルになっていて、大正デモクラシーがどうのこうの・・と粗筋に書いてある時点で、笠置シヅ子が活躍したのは昭和じゃないのかな?という疑念が頭に浮かんできて、恐ろしく興味を失ってしまった、舞台演劇のチケット。
でも、観てみると面白いのかもしれない、きっと敢えて時代考証を変えた意図がある、驚きや発見に満ちた、或いは時代を越えた、もっと普遍的な人や社会を描く何かがある、そういう作品なのかもしれない。
そうだ、きっとそうだ。
食わず嫌いはよくない。まずは、経験してからだ。
そう思う、そう思おうとする気持ちの強さと比例してか、気づくと握りしめてしまっていたチケットを、もう一度、のばして折り目を整え、財布に入れようとした、その時だった。
開演時間を間違えて、2時間は余ってしまっていた時間を、心の落ち着く散歩で埋めようと、知らない街を歩きながら、どうしても心は、これから観る舞台への不安に引き戻されてしまう・・という流れを繰り返していた、あの瞬間。
足と地面が電磁石化したのだ。
理想的すぎる。
一週間後に発売される町田康の新刊を買う上で、ずっと悩んでいた書店問題。
ふさわしい書店を、どうしても思いつかなかった。
大型店は論外。
近所の古い書店は、もう、書籍に関する興味を失っているようにしか思えない。
そもそも置いている本が少ないうえに、いわゆる売れ筋のものしかない。
大切なものを手に入れるときは、それ相応のやり方が必要になる。
「大切なものを手に入れる方法」で手に入れなければ、それは大切なものにはならない。
町田康の新刊であるという、「事実」は変わらない。
それは、間違いない。
私だって、大型店で購入したそれを、「こんなもの、町田康の新刊じゃない!」なんて騒ぎ出すことはしない。
間違いなくそれは、町田康の新刊だし、別に大型店や近所の古い書店が本を大事に扱っていないとか、そんなことを言いたいわけではない。
ただ。
私にとって、かけがえのないもの。
大切で、大切で、大事なもの。
あくまで「私にとって」の「大切な町田康の新刊」は、大型店や近所の古い書店では買えない・・という事だ。
町田康の新刊であるという「事実」は同じでも、「私にとって大切な町田康の新刊ではない」という「真実」がやはり、そこにはある。
だから。
発売日が迫るにつれ、否応に高まってしまう期待感や溢れんばかりの喜びと共に・・。
相応しい書店を見つけられないでいる不安・焦燥は高まる一方だった。
期待・喜びの大きさと同じ絶対値で、不安・焦燥も高まっていく。
正直、書店が見つからなければ、発売日を延期してくれないだろうか?という、荒唐無稽な願望まで浮かんでくる始末だった。
そう。
つまり、私はこの、つみき書店と出会うために、大正デモクラシーの舞台チケットを手にしたのだと思う。
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・・つづく・・・。
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税理士シンガーソングライター【ゆしん】
◆ マンスリーライブ「ゆしんの夜」(第一 木曜日)
◆ マンスリーラジオ「やまかしたろか?ラジオ」(第四 日曜日)
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short film 「もしかして我愛你」《全5作品!》
① - バレンタイン編 -
② - 四人の夏休み編 -
③ - 優衣とのぞみ編 -
④ - 悠真と晴人編 -
⑤ - 五人のヒッチハイク編 -




