
1.はじめに
第2楽章では、外の寒さから逃れて、あたたかな室内でほっと一息つくような音楽が展開されます。
静けさと安らぎ、そしてどこか詩的な時間が流れる、そんな"冬の室内楽"と呼びたくなるような楽章です。
2.暖かさと安堵の音楽
ソネットには、「寒さから解放された人が暖炉の前でくつろいでいる」といった描写があります。
独奏ヴァイオリンは、やわらかく旋律を紡ぎながら、心地よい空気の中で時折ため息をつくような間を含んで演奏されます。
合奏は背景として寄り添うような役割を果たし、全体として非常に内面的で、繊細なバランスで成り立つ音楽になっています。
3.️音を"聴かせる"ではなく"感じてもらう"
この楽章は、音を"伝える"というより、音のある空間を"共有する"ことに重きが置かれる楽章です。
特別に難しい技術が要求されるわけではないかもしれませんが、空気の密度や温度まで表現するような繊細さが求められます。
演奏者にとっては、「どう聴かせるか」よりも、「どんな気配を届けたいか」を意識することが鍵になるでしょう。
4.小池彩夏のコメント
外の寒さから逃れて、暖かな室内で過ごす安らぎとその情景を思い浮かべながら、音にやわらかな温度を宿すよう心がけています。
合奏との間合いを丁寧に聴き取り、呼吸を合わせることで、静けさの中にも温かい一体感が生まれます。弓が弦を離れる瞬間の余韻まで、冬のぬくもりを感じていたいです。
5.次回予告
次回は《冬》第3楽章──いよいよ《四季》の最終章です。氷が割れ、風がうなり、冬の自然が再び猛威をふるう、緊迫感あふれる音楽をご紹介します。




