いつも吉村錬太朗選手への温かい応援、ご支援をありがとうございます。
2026年7月26日、京都府の近畿スポーツランドで開催された「2026 FIM MotoMini Japan Series 第4戦」に参戦しました。
結果は、
フリー走行3本すべてトップタイム。予選2回ともポールポジション。決勝レース1、レース2ともに優勝。
これで錬太朗は、3戦連続のダブルウィン、開幕から6レース全勝となりました。
数字だけを見れば、完璧な勝利に見えるかもしれません。
しかし、今回のレースに至るまでの道のりは、決して順調なものではありませんでした。
7月15日~7月18日
気持ちが落ちた状態から始まった近スポ遠征
レースを約2週間後に控えた7月13日、お父さんから届いたのは、
「かなりメンタルが落ちている。何とかしないと」
という連絡でした。
思うような走りができない。タイムが上がらない。周囲の速さも気になる。
頭では何をすべきか分かっていても、それを走りにつなげられず、錬太朗自身も自信を失いかけていました。
それでも、そこで立ち止まることはしませんでした。
7月15日から三重県に入り、私の工場に寝泊まりしながら、近畿スポーツランドへ通って練習を重ねました。
翌16日は、近畿スポーツランドが走行できなかったため、急きょ生駒のコースへ移動。単に走行本数を増やすのではなく、今の錬太朗に足りていない部分を見つめ直すため、基礎動作を中心とした特別メニューに取り組みました。
サーキットでの走行が終わっても、練習は終わりではありません。
工場へ戻ってからも、練習器具を使い、ハンドル操作、体重移動、ステップへの荷重、身体の使い方を一つずつ反復しました。
走行中に見つかった課題を、その日のうちに基礎動作まで分解し、身体に覚え込ませる。
地味で、すぐにタイムへ表れるとは限らない練習ですが、今後さらに上のレベルへ進むためには、避けて通れない大切な時間でした。
新品タイヤを入れても、タイムが上がらない
遠征中には、新品タイヤを投入してもタイムが上がらず、錬太朗から、
「なんか楽しく乗れないんです」
という言葉も出ました。
ハンドルが思うように扱えず、車体とのリズムも合わない。速く走ろうとするほど、走りが小さくなってしまう。
それでも、映像を確認し、走行ラインやハンドル操作、ステップから伝わるリアタイヤの感覚を一つずつ見直しました。錬太朗自身も、苦しい状態の中で「リアタイヤの感覚が少し増した」と、わずかな変化をつかみ始めていました。
すぐに答えを求めるのではなく、できていることと、できていないことを整理する。
タイムだけを追いかけるのではなく、もう一度「自分のバイクを自分で動かす」という原点に戻る。
その積み重ねが、少しずつ錬太朗の走りと気持ちを変えていきました。
前日、ようやく戻ってきた「気持ちよく走れる感覚」
レース前日の最終走行では、それまでの迷いが嘘のように、非常に良いフィーリングで走ることができました。
「これなら戦える」
そう感じられる状態まで戻り、錬太朗は高いモチベーションと自信を持って本番を迎えることができました。
不安を消してから走ったのではありません。
不安がある中でも、やるべきことを一つずつ積み重ね、自分の力で走りを立て直して本番へ向かったのです。
フリー走行から全セッショントップ!
迎えたレース当日。
フリー走行1では41秒496、フリー走行2では41秒212、フリー走行3では41秒315を記録し、3本すべてでトップタイム。
予選1では40秒861、予選2では40秒947を記録し、両セッションで唯一の40秒台。決勝2レースともポールポジションを獲得しました。
決勝レース1ではホールショットを奪い、そのままトップを走行。
後続との差を広げ、最後は4.4秒差でポール・トゥ・ウィン。今季5勝目を挙げました。
続くレース2は、消耗したタイヤで18周を戦う、より厳しいレースです。
スタートからトップに立った錬太朗に対し、地元の高江洲湊都選手が何度も仕掛けてきました。バックマーカーが絡む場面やKTCコーナーでも激しい攻防が続きましたが、錬太朗は最後まで冷静に対応。
ファイナルラップまで続いた猛攻をすべて抑え、0.24秒差で優勝。今季6勝目、そして3戦連続となるダブルウィンを達成しました。
今回の勝利が持つ、本当の意味
今回の勝利は、ただ速く走って勝ったというだけのものではありません。
「楽しく乗れない」
そこまで追い込まれた状態から、自分の課題と向き合い、基礎へ戻り、もう一度自分らしい走りを取り戻した末の勝利です。
調子が良い時に速く走ることはできても、調子を崩した時に自分で立て直すことは簡単ではありません。
今回、錬太朗はその難しさから逃げず、自分で考え、試し、修正し、最後には勝ち切りました。
これは、レース結果以上に大きな成長だったと思います。
そして、この挑戦を続けられているのは、いつも応援してくださる皆さまのおかげです。
皆さまからいただいているご支援が、練習を重ねる環境をつくり、新しい課題へ挑戦し続ける力になっています。
本当にありがとうございます。
もちろん、今回のダブルウィンで終わりではありません。
次戦は、9月5日、6日にMotoUP桶川スポーツランドで行われる2日間、合計4レースの大一番です。
今回見つかった新しい課題にも向き合いながら、さらに強く、さらに速く、そして錬太朗らしく楽しんで走れるよう準備を続けていきます。
引き続き、吉村錬太朗への応援をよろしくお願いいたします。





