注目のリターン
プロジェクトの実行者について
私(田中寛人)は、ダウン症の息子を育てる父であり、
理学療法士として「立つ・歩く」といった生活の土台を支えるリハビリテーションに携わっています。家庭の当事者として、そして専門職として向き合う中で、ダウン症の幼児期から「足のケア」が十分に届きにくい現状を実感してきました。今回、奈良の老舗靴下メーカー「西垣靴下株式会社」と共同で、日常に取り入れやすい“ケアソックス”を形にし、必要とするご家庭へ届けたいと考えています。
このプロジェクトで実現したいこと
本プロジェクトでは、ダウン症の幼児が日常生活で取り入れやすいケアソックスを提供することを目指しています。
装具やインソールは、変形予防や立ちやすさ・歩きやすさを支える大切な選択肢になり得ます。たとえば装具は、足関節のアライメントを整えることを目指し、変形予防や、適切な荷重のかけ方を学習する助けになる可能性があります。インソールも、足部〜膝のアライメントや荷重の偏りに配慮し、歩行時の重心移動を補助して歩きやすさにつながる場合があります。


一方で、支える力が強い補助具を長く使う場面では、「支えられていること」で本来の土踏まずの働き(衝撃吸収・バネ・安定)を使う機会が減ってしまうこともあり得る、と臨床では感じることがあります。そこで私たちは、装具やインソールを否定するのではなく、“使い分け・併用”の選択肢を増やすという考え方で、機能的な靴下というアプローチに挑戦します。
特許申請が完了しましたので、以下①特徴と② 構造を公開いたします🙌
①本靴下の最大の特徴:動的な支持性(動的安定性)
この靴下は、立っているとき(安静立位)にも、踵を支えながら土踏まずがしっかり引き上がるようにサポートされる設計です。ただし、この「静的な支持性」は、装具ように強固に固定するものではありません。
私たちが最も大切にしているのは、歩く・立つ・しゃがむといった日常動作の中で働く、**動的な支持性(動的安定性)**です。
本靴下は、足の動きを過度に制限せず、動きの中で足首の安定性を高めることを目指しています。それにより、土踏まずを支える筋肉や感覚が使われやすくなり、結果として足本来の働きを引き出すことにつながります。そして、その経験の積み重ねが土踏まずを育てる「足育」へとつながっていくと考えています。
だからこそ、固定で形を作るよりも、動きの中で崩れを抑え、足が働きやすい環境を作ることに意味があると考えました。
以下の写真は、繊維クズを入れて靴下の動きを視覚化したものです。
内側に張力にかかる
土踏まずに張力がかかる
②本靴下の構造:足首の内側~内側縦アーチをつなぐ「伸びにくい繊維」
本製品では、足首の内側から足底面(内側縦アーチ)にかけて、伸びにくい繊維を“連続的”に配置しています。この“連続した張力”があることで、動作中に起こりやすい
【踵骨の内崩れや距骨が前内側へ滑り込みによる足首の不安定さ】
【体重がかかるたびに、足首の不安定さによる土踏まずの過度な沈み込み】
といった局面で、**崩れを抑える方向に張力**が働くことが期待されます。
歩きのフェーズごとに見ると、
①かかと接地の局面:踵の内崩れや距骨の前内側への滑り込みを抑え、足首〜踵の安定性をサポート
②立脚の局面:土踏まずが過度に沈み込みすぎないよう、制動し、つま先方向への体重移動をサポート
③蹴り出しの局面:土踏まずを引き上げ、足底筋膜や足部(足の指やふくらはぎ)の筋が働きやすい状態を作ることで、前方への推進力をサポート
このように、「動作の中で必要なタイミングにだけ、必要な方向へ支える」いわば「筋膜のような動的サポート」を目指している点が、この靴下の真価が発揮されます。
プロジェクト立ち上げの背景
ダウン症のある方の暮らしは、医療の進歩により大きく変わってきました。以前は合併症への対応が最優先になりやすく、足の問題(外反扁平足など)は後回しになりやすかった側面があると感じます。現在は、長く生活することが現実となり、「健康的に動ける期間(健康寿命)」に焦点を当てた支援を充足させていく転換期にある、と私は考えています。
しかし実際には、外反扁平足のケアが十分に行き届いているかというと、不安や課題を抱えるご家庭が少なくない印象があります。外反扁平足は、立位・歩行の安定性だけでなく、膝・股関節・姿勢など全身の使い方にも影響が出る可能性があるため、幼児期から“日常で続けやすいケア”を増やす意義があると考えました。
外反扁平足のケアが行き届きにくい理由(私の実感)
足のケアは命に直結しにくい分、どうしても優先順位が後ろになりやすい面があると感じています。加えて、装具やインソールは有用な選択肢である一方で、受診・採型・調整といった工程が必要になり、子どもが嫌がって継続が難しかったり、園や家庭で運用が統一しにくかったりすることもあるかもしれません。
さらに私が強く感じるのは、ダウン症の足(外反扁平足など)を継続的に診られる医師が少ないという課題です。外反扁平足を診断し、装具を処方し、その装具が適正か、骨格のアライメントが狙いどおりに保てているかまで含めて丁寧に確認できる医療者は、地域によっては限られている印象があります。特に地方・郊外では受診先が遠くなりやすく、隣の市まで行かないと相談が難しい状況も多くありません。ダウン症のコミュニティに参加すると、同じような悩みを耳にすることも多く、「必要性は感じているのに、相談先や継続のハードルが高い」という未充足が生まれやすいのではないか、という問題意識があります。
このプロジェクトを支えてくれている靴下メーカーについて
この靴下の開発は、決して順調に始まったものではありません。プロジェクト立ち上げにあたり、私は国内の靴下メーカー30社以上に共同開発のオファーを行いました。しかし、その多くから返ってきたのは、「子ども用の高機能靴下を編める機械がない」「現在の国内設備では対応が難しいと思うよ」「諦めた方がいい」といった回答がほとんどでした。中には、「国内には、そもそもその仕様を実現できる編み機が存在しない可能性がある」と言われたこともあります。さらに、靴下は大量生産を前提とした製品であり、特殊仕様・小ロット・試作を繰り返す開発は、製造現場にとって大きな負担になります。加えて、本プロジェクトは、十分な生産数量が見込める段階ではなく、事業としてのリスクも小さくありませんでした。そのため、断られるのはある意味、当然の流れだったのかもしれません。
そのような状況の中で、私の想いと社会のニーズに耳を傾け、「技術的に難しいかもしれないが、やってみる価値はある」と向き合ってくださったのが、奈良県の老舗靴下メーカー・西垣靴下株式会社(エコノレッグ)様でした。長年にわたり培われてきた経験と高度な編み技術をもとに、既存の枠にとらわれず、私が理想とするダウン症専用「動きの中で足を支える靴下」外反扁平足ケアソックスを、製品として成立させる道を一緒に探ってくださいました。
多くの製品を製造されているにもかかわらず、サンプル作成のために製造機械を止め、細かな仕様調整や検証のために何度も打ち合わせを重ねていただきました。この靴下は、単に「作れた製品」ではなく、現場の知恵と技術、そして社会的意義を重視する姿勢が重なって初めて形になったものです。
本プロジェクトは、私一人では決して実現できませんでした。高い技術力と覚悟をもって挑戦してくださった西垣靴下株式会社様の存在があってこそ、今、この靴下を皆さまに届けられる段階までたどり着くことができていました。
リターンについて
・想いで応援コース:A ¥3,000〜G ¥300,000
・ ダウン症専用靴下「たびまるアーチ」1足 ¥5,000
・ ダウン症専用靴下「たびまるアーチ」2足 ¥8,000(セット割り)
・ ダウン症専用靴下「たびまるアーチ」3足 ¥9,000(セット割り)
・共同開発靴下メーカー西垣靴下(株)・エコノレッグ「疲れしらずの靴下」(大阪万博スタッフが着用していた靴下)1足 ¥5,000
・本靴下商品説明書企業名やロゴなど掲載 1箇所 ¥50,000(限定6箇所)
スケジュール(“これまで”と“これから”)
・令和7年9月:靴下メーカー30社以上に共同開発オファー
西垣靴下株式会社(エコノレッグ)とマッチング
・令和7年10月:ファーストサンプルに向けてZOOM打ち合わせ
・令和7年11月:ファーストサンプル完成・試着会(岡崎市・一宮市)実施
・令和7年12月:セカンドサンプル完成・試着会(岡崎市)実施
・令和8年1〜2月:仕様最終調整・最終サンプル確認
・令和8年1月〜2月:商標登録完了『たびまるアーチ』ロゴ完成
・令和8年2月:サードサンプルモニター開始(180名以上が参加)
・令和8年3月3日:クラファン開始
・令和8年5月5日:クラファン終了
・令和8年5〜8月:リターン発送
・令和8年夏ごろ:商品化予定
最後に
このプロジェクトを通じて、ダウン症の方々とそのご家族が「足のケアを、日常の中で続けられる」選択肢を増やしたいと考えています。また「動きの中で支える」ことで、土踏まずの発達、足育につながる可能性があると感じでます。皆さまのご支援があれば、このケアソックスを必要とするご家庭へ届け、今後の改良やサイズ・カラー拡充、商品化にもつなげていける可能性があります。どうか応援いただけますと幸いです。
最新の活動報告
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世界ダウン症の日に伝えたい、未来を見据えた足育の大切さ
2026/03/21 09:00今日は、世界ダウン症の日です。3月21日は、ダウン症のある方が21番染色体を3本持つことにちなんで定められた日です。2026年の世界ダウン症の日は、孤独に向き合い、つながりを大切にすることがテーマとして掲げられており、日本では「ひとりじゃないよ。」というキャッチコピーで表現されています。 医療技術の進歩により、ダウン症のある方々の平均寿命は年々伸びてきており、今では60歳を超える時代になってきています。だからこそ、これからは「長く生きること」だけでなく、健康に、その人らしく生きていくことにも、より目を向けていく必要があるのだと思います。ダウン症は、21番染色体上の遺伝子の過剰な活動により、アルツハイマー型認知症に関連する変化が比較的早い時期からみられやすいことが報告されています。また、加齢に伴う変化が早めにあらわれやすいことも指摘されており、中年期以降の健康をどう支えていくかは、とても大切なテーマになっています。さらに、肥満や糖代謝異常など、生活習慣病に関わる課題にも目を向けていく必要があるとされています。そのため、無理のない運動や、日々の生活の中で自然に続けられる身体づくりが、これまで以上に大切になってくるのだと思います。つながりや支え合いが大切にされる今だからこそ、私は“これから先の健康”にも目を向けたいと思っています。社会とのつながりを保ちながら、好きな運動を、好きな場所で、好きな人たちと続けていけること。余暇や趣味を楽しみながら、その人らしく健康を維持していけること。それもまた、これからのダウン症支援において大切な視点だと思っています。そのために必要なのが、小さいうちから未来を見据えた足育だと考えています。健康的な生活を送るために。健康な足を維持するために。そして、運動を続けていくために。足は、日常の土台です。歩くこと、立つこと、動くこと。その積み重ねが、将来の健康につながっていくのだと思います。私がダウン症専用靴下の開発に取り組んでいるのも、ただ「今、履ける靴下」を作りたいからではありません。日常に寄り添った、継続的な、未来を見据えた足育。その選択肢を、少しでも増やしたい。世界ダウン症の日の今日、これから先の人生に寄り添える支援を、足元から少しずつ形にしていきたいと思います。 もっと見る
たびまるアーチの商品化に向けた価格設定について
2026/03/14 21:47今回は、ダウン症専用靴下『たびまるアーチ』商品化に向けた価格設定についてお伝えします。世の中にある靴下は、基本的にたくさん作ることで、1足あたりの価格を下げやすい製品です。一方で、高機能な靴下になると事情が変わってきます。高機能靴下は、アーチサポートやテーピングのような機能を入れるために、編み方が複雑になります。また、使う糸の量が増えたり、機械の調整が細かくなったりすることで、生産できる数も少なくなりやすいです。さらに、消臭・速乾・耐久性など、機能性のある素材を使う場合は、素材そのものにかかるコストも上がります。つまり、機能性のある靴下は、生産数や素材コストの関係で、どうしても販売価格が上がりやすいという特徴があります。そのため、本靴下も高機能靴下として開発する以上、ある程度価格が高くなる前提があります。また、共同開発とはいえ、今回は企業が大規模に企画・生産する商品ではなく、個人で企画・開発しているプロジェクトです。そのため、企業様のように最初から大量に発注することは簡単ではありません。靴下はこうした製品特性があるため、オーダーメイドの靴下がほとんど存在しないのも、こうした背景があるからです。それでも、少しでも価格を抑え、必要としている方に安定した価格で継続的に届けていくためには、まずは多くの方にこの靴下を知っていただき、安定して生産・供給できる環境をつくっていくことが大切だと考えています。ただ、安ければよいというわけではないとも思っています。この靴下で大切にしたいのは、しっかり外反扁平足をケア・サポートできることです。そのため、素材・設計・着圧にはしっかりこだわりながら、価格とのバランスも考えて改良を重ねていきます。本靴下は履き心地も大切にしていますが、第一に優先したいのは、ケア・サポートとしての性能です。必要としている子どもたちに、できるだけ続けやすい形で、そして納得して選んでいただける品質で届けられるよう、これからも製品の改良と環境づくりに努めてまいります。 もっと見る
足を支える靴下なら5本指? 私が足袋型ソックスを選んだ理由
2026/03/12 18:59ダウン症専用靴下(外反扁平足ケアソックス)を開発するにあたり、靴下の形状は最初から足袋型で考えていました。足袋型を選んだ背景には、第54回理学療法学術大会(2019)で発表されていた研究があります。この研究では、裸足・普通ソックス・5本指ソックス・足袋ソックスを比較し、足趾把持力は裸足、足袋、普通ソックス、5本指ソックスの順で発揮されたと報告されています。足を支える靴下、高機能な靴下と聞くと、「5本指の方が良さそう」と感じる方もいるかもしれません。私自身、この研究結果はとても印象に残りました。この研究の報告によると、足袋型の方が足の指の力を発揮しやすい可能性が示されていました。文献内では、5本指ソックスは各指の間に布が2枚ずつ挟まることで足の指が広がり、足底アーチ(特に前足部の横アーチ)がつぶれやすくなる可能性があること、一方で足袋型ソックスは母趾が分離しており、5本指ソックスのように足底アーチがつぶれる現象がみられにくいため、裸足に近い力を発揮できたのではないかと考察され、足袋型のソックスを着用することで転倒リスクが軽減される可能性が示されました。足の安定性やバランスを考えると、足の指がしっかり使えることはとても重要です。そのため、この靴下の形状を考える上では、機能面から見て足袋型が理にかなっていると考えました。さらに、実際に子どもが毎日使うことを考えると、5本指ソックスは扱いやすさの面でもハードルがあります。子ども自身が履くことはもちろん、ご家族や支援者が履かせてあげる場面も考えると、5本指はどうしても手間がかかりやすい形状です。特にダウン症の子どもたちは、手先の操作が苦手な場合もあるため、どれだけ機能があっても、なるべく日常の中で使い続けやすい形であることが大切だと考えました。だからこそ本靴下は、・足の機能を妨げにくいこと・日常で扱いやすいこと・無理なく継続しやすいことこの3つのバランスを大切にして、足袋型ソックスの形状を採用しました! もっと見る




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