
活動報告 vol.20
「行政の“見えない努力”があったという事実」
昨日は、義肢装具士の世界に残された「実態の空白」について書きました。
その中で私が強く感じたのは——
制度が崩れなかった背景には、行政の“見えない努力”があったという事実です。
今日は、その点について静かに共有させてください。
◆ 義肢装具士の制度は、
厚生労働省の“見えない努力”で守られてきた。
先日の参議院厚生労働委員会で、
義肢装具士養成校に関する質疑が取り上げられました。
その議論を見ながら、改めて感じたことがあります。
■ 「透明化の必要性」は、ずっと誰もが分かっていた
・就職率
・就業率
・国家試験の受験率
・離職率
・3〜5年のキャリア推移
本来なら制度設計の基礎となる数字です。
しかし義肢装具士の世界では、これらのデータが長いあいだ整理されてきませんでした。
ただ——
これは誰かの怠慢ではありません。
業界には、
透明化しようにも、そのための“回路(仕組み)”が最初から存在しなかった。
ただ、それだけです。
教育機関は学生指導で精一杯。
事業所は原価高騰と現場対応で限界。
協会は制度維持のために奔走。
行政は、限られたデータの中で最善を尽くしてくださっていました。
誰も悪くありません。
誰もサボっていません。
■ それでも——行政は制度を守ってくれていた
義肢装具士養成校が2校閉校し、全国8校体制になろうとしている今。
これは本来、制度縮小につながる強いシグナルです。
それでも制度は維持されました。
私はこれは、厚生労働省の担当者の方々が
「義肢装具は医療に不可欠である」という現場の本質を深く理解し、
限られたデータの中でギリギリの判断をしてくださった結果
だと感じています。
この“見えない努力”は、もっと称賛されるべきです。
■ では、これから何が必要なのか?
責めることではありません。
批判することでもありません。
必要なのは—
「透明化のための共通基盤」を、業界と行政が一緒に作っていくこと。
これまで透明化できなかったのは、
誰かが嫌がったからではなく、
仕組みが存在しなかったから。
だから私は、ジョブハッピーの最初の使命を
「透明化のための基点データをつくること」
と位置づけています。
現在、求人票掲載率は 80.1%。
90〜100%が見えてきた今ようやく、
行政に根拠データを渡せる “民間の共通基盤” が成立しつつあります。
これは行政と戦うためのデータではありません。
行政が財務省を説得し、
制度を未来につなぐための“武器”です。
■ 透明化は「攻撃」ではない。
未来を静かにそっと照らす光になる。
透明化は、
誰かを責めるためのものではありません。
未来を守るための、静かな共通言語です。
義肢装具士の制度は、
行政の努力と、現場の誠実さによって守られてきた
“奇跡のような結晶” です。
その軌跡を未来につなぐために。
私は、現場から
透明化という小さな灯りをともしていきます。
静かに。
しかし、確実に。



