【“ずっとのおうち”へ!】写真家×医療×あなたのご支援で猫に幸せな未来を届けたい

野良猫や捨て猫(飼い主のいない猫)を1匹でも多く医療にかけ未来の里親さまに繋げたい。

現在の支援総額

292,062

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目標金額は700,000円

支援者数

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野良猫や捨て猫(飼い主のいない猫)を1匹でも多く医療にかけ未来の里親さまに繋げたい。

こんばんは!

いつも応援ありがとうございます、NPO法人せぴうるにゃん理事長の渡邉です。


2025年5月24日

三毛猫のさよがくしゃみをしていたので、病院に連れて行こうと思って家を出た。


すると、家の前に置いてあるゴミ箱が倒れていて、中に猫が入っていた。

少し様子を見ましたが猫は座り込んで動かない。

涙をぽたぽたと流して、目が白濁しているように見えた。


遺棄だろうか。捨て猫だよな、たぶん。

警察に電話した。

朝、外に出た時は居なかったんだから、今ならまだ、犯人の目星がつくかもしれない。


状況を聞かれて説明すると

野良猫が自らゴミ箱に入った可能性が高い

と軽くあしらわれてしまった。


うーん、たしかにその可能性も否めない。

でもこのあたりは餌やりさん同士の繋がりがあるので、捨て猫、特に目立つような子はすぐに情報が回るはず。


とりあえず病院に連れて行こうとキャリーに入れたさよがワーワー鳴くので、一旦リビングに戻してから、また玄関に行った。


まだ居る。


「こんにちは。君は誰ですか?どうしてここに居るの?」

話しかけてみたが涙をぽたぽた流しながら俯いて無反応。

耳が聞こえないのか…


「こんにちは!!!」


ハッと顔を上げた。

うーん、やはり見たことがない顔。

耳は遠いけど聞こえているのか…


恐る恐る手を伸ばすと、攻撃性は無さそうで、そのまま撫でてみる。


嫌がりもしない、喜びもしない。


抱っこしてみた。


軽い…


地面に置くと、トボトボと道路の方へ向かっていく。


いやまてまてまて。

やっぱり野良猫じゃない

捨て猫


仕方ないので隔離部屋を作ってそこに入れる。

ずっと上を向いている。

涙がこぼれないように…?

目はやっぱり、見えていないようだ。


とりあえずパウチをあげると、がっついて食べた。

水も器に顔が沈むんじゃないかってくらいガブガブ飲んだ。


病院に連れて行った。

駆虫と諸々の検査をした。


歯がほとんど無い。

それなりに口が痛そう。


去勢されているのか…不思議な術式で、睾丸の中に何か残っているとのこと。


猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)陽性

不治の病である。


目は光を感知することも出来ないみたいとのこと。

血液検査上、大きな問題は無し。



翌日、夕食を食べて部屋に戻ると、口の周りがぶくぶくあわあわになってヨダレをダラダラと垂らしていた。

また涙がボロボロと出ている。

慌てて口の周りを拭くと、ケコッケコッケコッと言ってから大量に吐いた。

何も出なくなっても黄色い汁を吐き続ける。


終いには吐きながらぎやー!!と絶叫。


あぁ、そうか。だから捨てたんだ。


なんかしら末期で、死ぬのが見たくなかったから、捨てられたんだ。


パジャマだったのでとりあえず着替えながら近くの夜間救急に電話をする。

「すみません、診察が立て込んでいて…」

まじか。頼みの綱が…

系列の病院に電話をかける。

受け入れ不可。

もう一軒電話をかけるが、また受け入れ不可。


めちゃくちゃ焦ってきた。

これこのまま死ぬのでは?


個人病院で夜間救急をやっているところにもかけたが繋がらない。


最後の一軒。

祈りながら電話をかける。


「〇〇病院、●●病院、△△病院、□□病院、☆☆病院に受け入れ不可と断られています、どうか診ていただけないでしょうか」


呼吸が早い。言葉も早い。

自分の焦りがまた余計に自分を焦らせる。


「先生に確認したところ受け入れ可能とのことです」


「わかりました、今からタクシー捕まえるので30分くらいで着く予定です!!」


準備を済ませ猫をキャリーに入れ外に出てタクシーを待つ。

夜風が涼しい。

こんな時も変わらず星が綺麗だ。

辺りは静まり返っていて、気付けばもう、日付けが変わる。


タクシーに乗っていざ病院へ。

運転手さんは優しい女性で、気を遣ってたくさん話しかけてくれ、猫が鳴けば「うんうん、もうすぐ着くからね」と返事をしてくれる。

優しさが荒んだ心に染み渡った。


病院に着いて問診票を書く。

急ぎすぎて字が汚い。

これは果たして読めるのだろうか。

手が震えて上手く丸がつけられない。

生年月日、年齢、いつ頃去勢手術をしたか、ワクチン接種はしてあるか…

不明、不明…「不明」と書きすぎてゲシュタルト崩壊してくる。

なんとか書き終えて診察へ。


「前日にこれだけ検査して大きな異常が無かったとしたら、今日また検査してもあまり結果は変わらないと思うので、触診で問題無かったら点滴と吐き気止めで様子を見ましょうか。朝までに気になることがあれば、今晩は私も朝まで居るので、お手数ではありますがまた来てもらうか、お電話くださいね。」


「触診で問題無かったので、点滴と吐き気止めの注射をしておきました。何か気になることがあれば、いつでもお電話ください。」


どうやらそんなに大慌てする事態でもなかったようだ。

帰宅して、ペーストのご飯をあげるが、食べない。

吐き気止めが入っているから、少しは食べられそうなものだけど…


それからずっとご飯を食べない、毎日ぶくぶくあわあわなので、かかりつけの病院でなにか進行していないか、また検査してもらった。


先生が顔を見て「あらー、これはしんどいね」と。

血液検査の結果、良好。うーむ。

エコーでは胃液や腸液が溜まっているが、大きな病変等は見られない。

ただ状態を診るに本人はすごく気持ち悪いだろうとのこと。


とりあえず、毎日の点滴と、5種類の注射液を点滴に混ぜることになった。

3日間やってみて、回復の兆しが見えなかったら、静脈点滴に切り替えた方が良いと…


入院は避けたい。

これ以上環境を変えたくないのと、入院中に死なれるのが怖い。

看取るなら、たとえ本人(本猫)が自分の家だと認めてくれなくとも、自分の家で最期を過ごしてほしいのだ。


今日で3日目。

相変わらずご飯を食べてくれない。

先生に電話をした。

看取るなら、うちで過ごさせたいと。

先生は、人間の動きは大変になるけど、朝送って夕方迎えに来る半日入院ならどうでしょうと提案してくださった。


もうこの子には、生きる希望が無いのかもしれないね、と涙を拭い母と話した。

撫でても喜ばない。

表情も尻尾も、動きがない。

ただただ生かされている。


大好きな人に、信じていた人に、ゴミ箱に入れて置いていかれる。


彼は今、どんな気持ちで生きているのだろうか。

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