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若手歯科技工士へのインタビュー(抜粋)
プロジェクトを立ち上げるにあたり、七夕研究所は若手歯科技工士のXさん(匿名)にインタビューを行いました。
目的は「告発」ではありません。目的は、不全に陥っている社会システムの構造解析です。また、特定の企業や個人を糾弾する意図もありません。
私たちが知りたかったのは、「現場では、何が当たり前として起きているのか」その一点です。
語られた内容は、感情的な怒りよりも、淡々とした疲弊でした。そしてそれが、かえってこの問題の根深さを浮き彫りにしています。
以下は、そのインタビューの抜粋です。
全文は、note記事 https://note.com/tanabata_lab/n/n649d66ea9bf3 をごらんください。
【インタビュー】 歯科技工士Xさんが語る
(聞き手:七夕研究所)
■ はじめに
歯科技工士は、歯科治療に不可欠な技工物(入れ歯・差し歯・クラウンなど)を作る医療系国家資格の専門職です。 しかし、その労働環境は長年「見えない問題」として放置されてきました。
今回、技工歴半年の若手歯科技工士・Xさん(匿名)に、 現場の実態、業界の構造、そして自身の心身の限界について率直にお話を伺いました。 語られた内容は、若手だからこその悩みではなく、制度そのものの歪みを映し出しています。
■ 1. 歯科技工士を選んだ理由
―― Xさんは、どうしてこの仕事を選んだのですか?
Xさん: 「前の仕事で3D CADを使っていたので、それを生かせる国家資格がほしいと思ったんです。 調べていくうちに歯科技工士に辿り着きました。手に職をつけたいという気持ちが大きかったです。」
技工士は“ものづくり”と“医療”の両面を持つ専門性の高い職業です。 Xさんはこの専門性に魅力を感じ、大学卒業後に技工士としての道を選びました。
■ 2. 「1日12〜13時間労働が当たり前」
―― 1日の流れを教えてください。
Xさん: 「朝7時半に出社して、タイムカードは7時40分。 8時から朝礼があって、昼休みは本来11時半からなんですけど、仕事が多すぎて12時から30分だけ。
夜は20時半にタイムカードを押して、そこから模型のスキャンをして、帰るのはだいたい21時です。」
若手であっても例外ではありません。 労働時間は1日12〜13時間。 しかも、終電に間に合わないため昼休みを削るしかない状態です。
―― 残業代は?
Xさん: 「出ません。だから、労働時間を増やしても給料は変わらないです。」
技工士の労働時間と賃金が噛み合っていない構造が如実に表れています。
■ 8. 国会議員に伝えたいこと
―― もし国会議員に直接言えるとしたら?
Xさんは少し間をおいてから、静かにこう語りました。
「入れ歯でもインプラントでも、 歯を治療するときは、技工士の過労死に加担していると思ってください。」
これは恨み言ではありません。 現場にいる人間の切実な問いかけです。 制度によって構造的に過労が生まれている現実を、社会全体に突きつける言葉です。
インタビューを終えて
七夕研究所では、さまざまな調査に取り組んでまいりました。
現場で働く皆さんの苦悩を伺うこと、問題のある構造を伺うことはしばしばなのですが、「お客さんは過労死に加担していると思ってください」とまで言われたのは今回が初めてです。インタビューを取っていた弊社メンバも絶句していました。
これまで我々が調査してきた内容の中でも、歯科技工士はトップレベルにまずい状況。しかもそれが医療絡みの国家資格持ち?
このレベルの問題は、歯科技工士の皆さんだけの問題ではありません。我々市民は誰でも歯の不調に出会っておかしくないわけですが、このままだと歯の詰め物や入れ歯を使える時代が終わってしまうかもしれません。自費医療なら問題ない?とすら言えないでしょう。人が育たないのですから。
皆さんからの投票=ご支援による負託を頂きまして、我々は調査と社会変革に取り組んでまいります。





