
皆さま、いつも温かいご支援と力強い応援を本当にありがとうございます!
皆さま一人ひとりの想いがあったからこそ、私たちはキルギスの音楽を日本の大舞台へと届けることができました。心より感謝申し上げます。
ウルコルが演奏した楽曲の数々は、単なる伝統音楽ではありません。それは、キルギスの大地の記憶であり、人々の暮らしの息づかいであり、世代を越えて受け継がれてきた物語そのものです!
これらの楽曲は、2025年に開催された大阪・関西万博のキルギス・ナショナルデーイベントでも披露され、世界へ向けて発信されました。そして本公演においても、同じ熱量と誇りを胸に演奏されました。
草原を渡る風、馬の蹄の響き、山々にこだまする声。遊牧の歴史と現代の息吹が交差するその瞬間を生み出した、演奏曲の数々をご紹介いたします!
Оп майда(オプ・マイダ)
キルギス最古の民謡のひとつとされる楽曲。
かつて高い山々を越えて遊牧生活を営んでいたキルギスの人々は、冬を越すために欠かせない粟や黍を収穫する際、この歌を集団で歌っていました。作業の中で自然に生まれ、共同体の営みとともに受け継がれてきた生活の歌です。
労働と喜びが一体となった情景を映し出すこの曲は、音楽が暮らしの中から生まれたことを象徴する、遊牧文化の原点ともいえる一曲です。
Сары Өзөк(サル・オゾック)
三本の弦のみを持つキルギスの国民楽器コムズ。そのシンプルな構造から、山や風、水、さらには人の心までも表現できるといわれています。
本作は、豊かな自然の情景を現代的な感覚で描いた作品です。三本の弦が織りなす響きの中に、草原の広がりや水の流れといった風景が立ち上がります。
コムズという楽器の表現力と可能性を体現する楽曲のひとつです。
Алымкан(アルムカン)
キルギスを代表する愛の歌のひとつ。
若い男性が女性を鳥にたとえて歌うラブソングであり、恋や人生の想いを歌にして伝えるキルギスの文化を象徴する作品です。遊牧民社会において女性は家を組み立て、家族と部族を支え、重要な決定にも関わる存在でした。男性たちはその美しさと重要性を花や鳥にたとえ、歌に託してきました。
この詩の原点には、キルギスの偉大な詩人トクトグル・サティルガノフが少女アリムカンに寄せた想いがあります。後に別の作曲家によって曲が付けられ、キルギスの歌唱表現の可能性を広げたとされています。
本来はコムズと歌による朗唱形式が原点とされる楽曲です。
Мезгил жаңырыгы(メズギル・ジャヌルギ)
「時の響き」を意味する作品。
コムズ奏者であり作曲家でもあった伝説的な巨匠ヌラク・アブドゥラフマノフによる独奏曲が原曲です。キルギス音楽の中心的楽器であるコムズの可能性を追求した作品として知られています。
ウルコルでは、リーダーのカンバルが現代音楽の反復とリズムの発想を取り入れ、編成に合わせて再構築。鉄製口琴テミル・コムズや木製口琴ジガチ・オーズコムズを用い、民族的要素を保ちながらも現代的なアレンジを施しています。
静かな野原や山中の湖、そこから流れ出す川など、キルギスの自然風景を音で描写する楽曲です。
Маш ботой(マシュ・ボトイ)
キルギスで最も有名な伝統曲のひとつ。
馬の蹄の音、人々の歓声、そして遊牧民の活気ある暮らしが表現されています。キルギスにおいて馬は生活の中心であり、自由と力の象徴でもあります。
2016年に開催された世界遊牧民競技大会では、1,000人のコムズ奏者が同時にこの曲を演奏し、ギネス記録を達成しました。
「ботой」はコムズで演奏されるさまざまな楽曲につく名称ですが、本作はその中でも特に広く知られている代表的な一曲です。ウルコルはフォークロックとアンサンブルの要素を取り入れ、独自の編曲で演奏しています。
Токтогулдун кербези(トクトグルドゥン・ケルベジム)
トクトグル・サティルガノフが作曲した、キルギスで最もよく知られるコムズの古典作品。
子どもの頃から学ぶ定番曲であり、コムズ習得初期に演奏されることの多い、比較的シンプルなメロディを持つ楽曲です。しかし長い間、若い世代にはあまり親しまれていませんでした。
ウルコルのエミルが新たな編曲を提案し、ロックの要素を取り入れた現代的な作品として再構築。歌詞を付け、よりダイナミックな楽曲へと生まれ変わりました。
簡潔な旋律の中に、世代を超えて受け継がれるメッセージを内包する作品です。



