
キルギスの大地から日本へ降り立ったウルコル。
長い空の旅を経て成田空港に到着した彼らは、東京、そして大阪へと向かい、日本の舞台で音を響かせました。
公演という大きな使命を胸に抱えながらも、滞在中には束の間の時間がありました。その時間の中で、メンバーたちは日本の街や文化に静かに触れていました。舞台の上で響いた音の背後には、日本という国そのものと向き合う時間、そんな静かな日々の積み重ねがありました。
舞台で音を届ける時間とはまた違う、素顔のままのひととき。そこには、異国の風景をまっすぐに見つめる彼らの穏やかな表情がありました。

巨大なスクリーンが輝く街の景色や、絶え間なく行き交う人々の流れ。世界でも特別なリズムを持つ日本の都市の鼓動に、興味深そうに目を向けるウルコルのメンバーたち。
そんな彼らにとって、滞在中な楽しみのひとつになっていたのが、日本の食事でした。
丁寧に作られた料理を囲みながら、味について言葉を交わし、ゆっくりと味わう時間。
見た目の美しさや、丁寧に整えられた盛り付けにも興味を示しながら、一つひとつをゆっくりと味わう彼らの顔には、自然と笑顔が広がっていました。
キルギスの食文化とは異なるものも多いはずですが、その違いを戸惑うのではなく、むしろ楽しみながら受け止めている様子が印象的でした。
異国の料理を囲みながら語り合う時間は、どこかゆったりとした温度を帯びていて、日本での滞在を豊かなものにしてくれていたように感じます。

また、鉄道を利用した際には、日本の公共交通機関の在り方にも大きな関心を示していました。
ホームに滑り込む列車の正確さ。
静かに整列して待つ人々。
車内の落ち着いた空気。
そうした日本の公共交通機関の独特の雰囲気に、メンバーたちは興味深そうに目を向けていました。
駅の構造を見上げたり、車内の様子を眺めたりしながら、日本の社会がどのように動いているのかを感じ取ろうとしているようにも見えます。
音楽家として世界を旅してきた彼らにとっても、日本の鉄道文化は印象的な体験のひとつだったようです。

東京でお台場を訪れた際には、ウルコルの撮影も行いました。
海と空が広がる開放的な景色の中で、カメラの前に立つウルコルのメンバーたち。遠くに広がる東京の景色と、キルギスの音楽を背負った彼らの姿には、異なる世界が静かに重なり合うような、不思議な空気が感じられました。

東京と大阪で行われた公演。その舞台の裏側には、こうした何気ない時間が流れていました。
食事を楽しみ、日本の街を歩き、鉄道に乗り、人々の暮らしに触れる。そうして日本という国を少しずつ感じ取りながら、彼らは舞台へと向かっていきました。
キルギスの大地からやってきた音楽家たちが、日本という場所で過ごした時間。その一つひとつが、今回の来日を物語る大切な記録になっています。
日本で見た風景。
出会った人々。
そして共に響かせた音。
それらすべてを胸に抱きながら、彼らの旅は次の場所へと続いていきます。



