
イメージに「家族」を使う理由(わけ)
プロダクトができた──では、どうやって伝えるか。
宣伝は?販促ツールは?チラシ? ポスター?使う媒体は?
ものづくりとは別のところで、次々と壁にぶつかった。なかでも一番頭を悩ませたのが、宣伝に使うイメージ画像だった。
当初は、自分の身内を表に出すことに抵抗があり、フリー素材を探していた。けれど、すぐに限界が見えてきた。
このプロダクトは、きれいに整った写真だけでは伝わらない。SPFが扱っているのは、「一瞬」ではなく「時間」だからだ。
ちょうどその頃、愛娘が二十歳の成人式を迎える時期だった。
――これは、チャンスかもしれない。
そう思い、以前から構想していた「生まれてから成人するまで」のSPF(ストーリーフォトフレーム)づくりに取りかかった。
完成したSPFは、自分の想像をはるかに超える出来栄えだった。
もっとも、愛娘だから、どんな写真でも「かわええ~」のは当たり前で、最高傑作になるのは、最初から決まっていたのだが……。
ただ、完成したSPFを前にして、一つだけ、はっきりと分かったことがある。
このプロダクトは、嘘のイメージでは成立しない、ということだ。
どこかで見たような家族写真や、無難に整えられたフリー素材では、SPFが内包している「時間」や「関係性」までは写らない。
生まれて、笑って、泣いて、反抗して、そして二十歳になるまでの積み重ね。
そこにあるのは、演出できない、現実の時間だった。
だからこそ、「これを人に届けるなら、一番リアルな場所から始めるしかない」そう思うようになった。
ウクライナの人たちも、同じだ。
彼らにとって写真は、単なる記録ではない。失われた日常、会えなくなった家族、戻らない時間、そして今を生きている証そのものだ。
SPFは、誰かの人生を“きれいに飾る”ための道具ではない。向き合うための器だ。
だから、自分の家族を使った。そして次に、ウクライナの人たちの想いを、このフレームに託したいと思った。
愛娘の二十年と、ウクライナの「今」。
一見、まったく関係がないようでいて、どちらも**「失いたくない時間」**だという点で、同じ場所につながっている。
この活動は、そこから始まっている。
ウクライナ語はこちら⇒https://note.com/keen_shark5500/n/n7f381328a41a



