
皆さま、こんにちは。
この急須の開発で、もっとも時間をかけたのがフィルターの設計でした。
牛乳は水とは性質がまったく異なります。粘度が高く、とろみがある。コーヒー用に作
られた目の細かいフィルターでは、牛乳がそもそも通りません。無理に通そうとすれば
、ミルク本来の旨味や甘みまでフィルターに吸われてしまい、出来上がるカフェオレは
薄く、物足りないものになってしまいます。
私たちが追い求めたのは、コーヒーの深いコクと香りをミルクの中にしっかりと溶け込
ませながら、ミルクが持つふくよかな甘みは一切損なわない——その両立でした。言葉に
すれば簡単ですが、実現するためには、ミルクにとって最適なフィルターの穴の大きさ
を一から計算し直す必要がありました。
バリスタの方に何度も味を見ていただき、常滑焼の職人さんには急須本体との相性を繰
り返し検証していただきました。フィルターの素材、目の粗さ、配置する角度。一つ変
えるたびに味が変わる。その都度、三人で淹れては飲み、飲んでは話し合い、また淹れ
直す。そうした地道な積み重ねの末に、ようやくたどり着いたのが2段構造のフィルタ
ーです。
1段目の細かなメッシュがコーヒーの粉をしっかりと受け止め、2段目にはミルクの甘み
と風味をそのまま通すフィルターを採用しました。



