
【毎日更新】第16回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』
彼女はイタズラっぽい上目遣いで俺を見て、「同じ中学って知らなかった?」と聞いてきた。
「同じ中学?」相手の言葉をオウム返しするしかない俺、まるでタカ。
「そう、あんた二小でしょ、あたし中小」
その言葉を聞いて、俺は事情を理解した。
確かにあのレストランがあるのは中小、つまり中央小学校の校区だ。で、俺は二小、すなわち第二小学校出身。そしてそのどちらも、同じ中学に行くのだ。彼女が俺と同年代だとしたら、確かに同じ学校に通っていてもおかしくはない。だけど、彼女を学校で見たことなんてなかったはずだけど。
「まあ、学年も違うし、いろいろあってしばらく学校休んでたから、見たことなかったかもしれないけど」
ああなるほど。そういうことか。
「ちょっと前に校内であんたのこと見かけてさ、どっかで見た顔だなって思ってた。で、思い出したんだ。ああ、あいつだ、レストランのあいつだって」
言葉はちょっと乱暴だけど、その表情はすごく懐っこくて、少なくとも俺のことを嫌っている顔じゃなかった。
「き、気づいてたの?」
俺は恐る恐る聞いた。すると彼女の顔が曇った。あ、ヤバイ、なんかいけないこと言ったかなって焦ったけど、そうじゃなかった。
「知ってると思うけど、あたし、あの家に一人で住んでんだよね。親は別の所で暮らしてる。ときどき様子を見に来るけど、だいたい一人。だからさ、暇なんだよ」
ほんと嫌になっちゃうよね、という感じで彼女は言った。
「やることなくて、いっつも窓の外をボーっと眺めてる。もう、あの窓から見える全部を思い出せるくらい、ずっと見てる。知ってるでしょ?」
確かに、そうかもしれない。俺がいつ行っても、窓際にはこの子がいたんだ。でも、一人で住んでいるって、そんなこと可能なんだろうか。自分たちはまだ中学生なんだぜ。
俺の表情をどう感じたのだろうか、彼女はパッと笑顔を作った。
〜第17回に続く〜
--
本日はここまでです。
少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)
また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。
それでは、また明日。
児玉ロウ





