【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

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【毎日更新】第26回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』

 うわ、と思ったね。

 うわあ、と思ったよ。

 何しろ、俺はその声に聞き覚えがあった。

 もちろん、あの頃と全く同じって訳じゃあねえんだろうが、それでも女の声っつうのは一生でそう大きく変わるもんじゃねえんだな。

 間違いねえと思った。

 あの彼女だ。

 涼介の細い頬にめり込む予定だった俺の拳は力を失い、涼介の肩口にひどくマヌケな感じでポンと置かれた。

 涼介はニヤリと笑い、その手を引っ張りながら俺の襟首を掴むと、十五センチくらいしかない壁と扉との隙間に、俺の頭を突っ込んだ。

「ほら、こいつだよ、あんたら友達なんだろ?」

 涼介の声を後頭部の上に聞きながら、俺はその、他人の家独特の匂い——それはいくつかのタイプに分かれるが、その家はかなり「好き」な匂いだった——と、玄関に敷かれた古めかしいタイル、その上にキチンと並べられたパンプスとクロックスの黄色いサンダルに妙な非現実感を覚えた。

 俺の頭は既にその家の中にあった。首から下は外だったけど。無理矢理に顔をあげようと思えばできたのかもしれない、だけど俺は、できなかった。

「あんた、三十年前にこいつと会ってんだよ」「何なの、いいから出て行きなさいよ」「こんなナリしてっから分かんねえのかなあ」そんな二人のやりとりを他人事に、そう、まるであのレストランから彼女を眺めたときと同じような傍観者気分で聞いていた。

 その時後ろから、「おいおい、何やってんだよ」というのんびりしたボンの声が聞こえた。「こりゃ一体、どういう状況なんだ?」


〜第27回に続く〜

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本日はここまでです。

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それでは、また明日。

児玉ロウ

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