
【毎日更新】第30回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』
「クソ、笑ってんじゃねえよテメエら」言いながら俺も下品なニヤけ顔になってくる。
いや、そうだよな、わかってるよ、てめえらの魂胆はわかってる。俺を置いて消えるってんだろ。俺と彼女を二人きりにさせて、あわよくばくっつけちまおうって、そういう話だろ? いや、わかるわかる。だって俺が逆の立場ならそうするからな。
で、この時の俺は、そういう展開もまんざらじゃねえなって思ってたんだ。いや、本当に彼女とどうにかなろうなんて考えてた訳じゃねえよさすがに。だけど、始まっただけで何もせず終わっちまったと思ってた友人関係だ。ここからもう一回、一からやり直せるなら、こんなに嬉しいことはねえ。
俺が今朝、あのレストランのことを思い出さなかったら、それに、こいつらに彼女の話をしなかったら、そして涼介のバカがいなかったら、こうして顔を合わせることも二度となかったんだ。だからなんつうか、この空白の三十年を埋めるっていうかさ、彼女とどっかでお茶でもしながら話をするのもいいかもなと思い始めていたところだった。
だからボンが「じゃ、後は若いもの同士で」とか寒いギャグ言って、涼介とタカの肩に手を置いてこの場を去ろうとしたとき、俺は「なんだよ、どこ行くんだよ」とか言いながら、よしよしさっさと行っちまえ、もう二度と戻ってくんじゃねえぞこのバカって内心ガッツポーズをしていたんだな。
だけど、そんな浅はか極まりない自己中心的な考えは、少し言いづらそうに発せられた彼女の一言で吹っ飛んだ。
「ゆっくり話でもしたいところだけど、ちょっと用事があるんだ」
〜第31回に続く〜
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本日はここまでです。
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それでは、また明日。
児玉ロウ





