自己紹介
大正十二年(1923年)創業。山形県の置賜地方に蔵を構える中沖酒造店の三代目、高橋義孝です。
中沖酒造店が目指すのは、飲んだ人の心をほっと和ませてあげられるような酒です。
「一献が、二献三献とすすむような滋味な酒」
当蔵の代表銘柄「羽陽一献」はこのような意味を込めてつくられています。
創業者が掲げた三つの自戒をもとに、今も地元の人々に愛される酒を造ることを目標とし、冬になると地元川西町の農家の方々が蔵人として働き、地域の人々によって100年間守られている酒蔵です。
一、清慎勤は銘醸の基
一、山高く路窮りなし
一、醸神は浄心に宿る

このプロジェクトで実現したいこと
当蔵は2023年に創業100周年を迎えました。地域の皆さまに支えられて繋いできた味・そして酒造りにとって重要な米や水を作り出している風景を100年先も届けたいという想いからプロジェクトへの挑戦を決意しました。
現在、日本酒の市場は海外へと拡大しています。
世界へ置賜の味を届けたい、そんな想いから地域の味を詰め込んだ新ブランド「BIRD」を立ち上げます。

「東洋のアルカディア」置賜地方の酒造り
いまから約150年前、世界を旅した英国人作家イザベラ・バードは、山形県・置賜盆地を一望できる「宇津峠」からの風景を見て、この地を「東洋のアルカディア(理想郷)」と讃えました。
山々が幾重にも重なり、最上川がゆるやかに流れ、黄金の稲穂が風にそよぐ――。
その絶景に、彼女は“人と自然が調和する国”の姿を見たのです。
過去、海外に認められた絶景を、今度は世界にも見てもらいたい。
100年の時を経て、私たちはこの名を新しい酒に託します。
「BIRD」ーー 絶景を醸し、置賜を未来に繋げる酒です。
中沖酒造店の「今」
1923年創業の中沖酒造店は、この置賜の大地とともに100年を歩んできた蔵です。
しかしいま、燃料や原料の高騰、職人不足、気候変動――蔵を取り巻く環境はかつてない厳しさを迎えています。
置賜地方も同様に、一次産業の担い手不足や人口減少、気候変動(豪雪や大雨災害)による交通網への影響等厳しさが年々増してきています。
このままでは、イザベラ・バードが見た「東洋の理想郷」の風景も、静かに失われてしまうかもしれない。
だからこそ、私たちは立ち上がりました。置賜の風土と文化を、瓶に詰め、地元内外の方に愛されることで次の100年へと渡すために。
新たな挑戦
置賜の大地、肥沃な盆地に抱かれた中沖酒造店はずっとこの絶景と共に歩んできました。そんな中沖酒造店だからこそ大事にしたい風景を多くの人に知ってもらい、想像し、味わってもらいたい。
その象徴となるのが、新ブランド「BIRD」。明治時代の旅人イザベラ・バードにリスペクトを称した名前です。“絶景を醸す酒”として、置賜の自然をまるごと閉じ込めた一本です。
──味わい──
雪解け水のような潤い、冬の田に射す光の透明感、森と大地の奥行きある香り。
一口ふくむと、雪の結晶のような清らかさのあとに、土や木々のぬくもりがやさしく広がります。
それはまるで、宇津峠から見た置賜盆地、イザベラ・バードが見た”人と自然が調和”する姿のよう。
静けさと力強さが共存する、「風土の風景を味わう酒」です。

プロジェクトの目的
このクラウドファンディングで集まるご支援は、新ブランド開発費として活用します。
今回使用する「酒の華」は、庄内地方の育種家である工藤吉郎兵衛(クドウキチロベエ)によって生み出された酒米です。一度は作付けが途絶えてしまったのですが、2000年、中沖酒造店が僅か30粒の種籾から復活させました。新ブランド「BIRD」はそんな幻の酒米「酒の華」の特徴を表現するために、あえて削りすぎずに低精米で醸します。
そしてこの挑戦を、日本の絶景や風土を守る地域再生のきっかけとして繋げていきたいと思います。
地元農家との契約栽培で、土地と酒蔵を結ぶサイクルを確立
若手蔵人や地域クリエイターとの協働による発信強化
海外展開を通じて、「風土を味わう日本酒文化」を世界へ
未来へのビジョン
この挑戦が成功すれば、置賜から全国へ、そして世界へ“風土を未来へつなぐ地方創生モデル”を発信していきます。かつて人が集まる場所であった酒蔵を中心に、観光・農業・文化を巻き込み、人と自然が共に息づく共創の仕組みを育てていく。私たちは、「風景を守る経済活動」としての酒造りを再定義します。
それは、地域の資源を使い尽くすのではなく、風土を醸し、未来に残す循環を創ること。
そして、イザベラ・バードが“東洋のアルカディア”と讃えたこの地の絶景を、世界にも発信したい風景として、一本の酒瓶に閉じ込める。「BIRD」は、その象徴です。
この一本から、風景と文化を未来へ渡し、地域の子どもたちが「帰りたい」と思える誇りあるまちを育てていきます。百年の絶景を、世界へ。そして未来へ。BIRDはその最初の一滴です。
現在の準備状況
現在「BIRD」の最初の1本、幻の酒米「酒の華」で醸す低精米酒の味わいを研究中です。
このプロジェクトがはじまる12月からは仕込みも始まります。
置賜の新たな味わいをお楽しみください。

また、今回のプロジェクトは山形県の関係人口創出事業としてスタート中沖酒造店の目指す未来と、置賜という土地に魅了された3人がプロジェクトメンバーとなり、ともに企画を進めてきました。クラウドファンディングを通じて、より多くの方へその魅力をお届けします!
リターンについて
今回の挑戦は、ただの「海外展開に向けた新しい日本酒づくり」ではありません。
置賜地方の魅力を発信し、人とのご縁ができ、未来へ景色を守っていくための「きっかけづくり」のプロジェクトです。
クラウドファンディングを選択したのは、このお酒を「商品」として届けるだけでなく、置賜地方や中沖酒造店の物語に共感し、共に考える仲間と出会いたいからです。
支援してくださる皆さまには、「BIRD」を片手に共に語り合い、この土地や日本酒の未来を一緒に思い描きたいと考えております。
そのような想いを込めて、置賜を五感で味わう特別なリターンをご用意しております。
お酒…幻の酒米「酒の華」を用いたブランド秘蔵の1本 「BIRD」
香港の寿司店からオーダーを受けて造られた、「雪女神」を使用した純米大吟醸。
しかしコロナ禍で出荷中止となってしまい、蔵で3年間熟成させたラベルなし秘蔵の1本「眠り女神」
体験…来年の「BIRD」シリーズ第2弾のお酒の方向性を共に考えていただく「酒主総会」
蔵元杜氏とできたての「BIRD」を片手に語り合う「懇親会」
酒蔵を訪ね、お酒を自身で絞り、置賜の味も体感してもらう「置賜ツアー」
刻む…酒蔵内にお名前を掲示する「酒主掲示」
今回の貯蔵タンクへ社長自らご支援者様のお名前を刻む「私の酒タンク」
スケジュール
2025年12月上旬 酒造期開始
2025年12月中旬 プロジェクト(クラウドファンディング)公開
2026年1月末 クラウドファンディング終了
2026年2月中旬 リターン発送(「BIRD」以外のリターン)
2026年2月末 「BIRD」第一号酒完成
2026年3月中旬 返礼品ツアー開催
2026年3月末 リターン発送(「BIRD」を含むリターン)
2026年5月中旬 懇親会および酒主総会 in東京・神奈川開催
2026年5月末 懇親会 in山形開催
プロジェクトメンバー・応援者からのメッセージ
株式会社中沖酒造店 代表取締役・杜氏
髙橋 義孝
最後までご覧いただきありがとうございます。
大正12年の創業から一昨年で100年を迎え、そのタイミングで先代の父からバトンを引き継ぎ社長となりましたが、新型コロナウイルスの影響で落ちた売り上げがなかなか戻らず、そこに昨年からの原料となるお米の価格高騰が襲い、この困難を打開するために初めてクラウドファンディングに挑戦いたします。
酒には人と人との縁をつなぐ力があります。今回のクラウドファンディングで生まれる新たな縁を大事にし、新しい酒と共にさらに人との縁を広げ、この先100年続けていけるような酒蔵にしていきたいと思います。
山形県酒造組合 特別顧問
小関 敏彦
山形県の48の酒蔵では、40年ほど前から製造手法などの情報を公開し合い、互いに技術を研鑚することによって、県全体での品質向上に取り組んでおり、現在は産地として国内外で非常に高い評価を頂いております。中でも中沖酒造店は、その年の山形県の最高の酒米、最高の造り手のみが醸造できる山形県産日本酒の統一ブランド「山形讃香」の第4代目の醸造元であり、高い醸造技術に裏付けされた、味わい豊かな日本酒を作っておられます。
今回の地域の魅力を詰め込んだ新たな酒造りへの挑戦を通し、全国の皆様に山形県の、また置賜地域の質の高い日本酒をお届けできればと考えておりますので、若い蔵元のチャレンジをぜひ応援くださるようお願いします。

山形県酒造組合 会長
佐藤 一良
「一献」の酒はやさしい味わい。私はこの酒蔵の人柄がにじみ出るような酒が大好きです。高橋さんは山形県酒造組合で原料米委員会のメンバーとして頑張っていただいています。彼は本物の地酒を醸す方です。地元を愛し、地元農家の産物である酒米を大切にして酒を醸し、口に含むとその情景が浮かぶような酒を提供しています。今、地方の人口減少が問題になっていますが、都会へ行った方々へ絶対に飲んでもらいたい酒。それが「一献」です。この酒蔵を応援すべく、皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
「“山形×酒蔵”いいもの発掘プロデュース」中沖酒造店 プロジェクトメンバー
小堀、柴田、中垣
「このお酒を必ず届ける」という使命
私たちが普段楽しく飲んでいる日本酒。
その製造現場を訪ね、造り手から直接お話を伺うことで生まれた原動力---「何としても中沖酒造店のお酒を多くの人に届けたい!」という想いを胸に準備をしてきました。「BIRD」を味わいながら置賜の風景を想像したり、実際に置賜の地を訪ねたり…このプロジェクトが山形と「あなた」をつなぐきっかけになればとても嬉しいです。
最後に
雪が降り積もり、水となり、稲を育て、酒へとめぐる。その循環の中に、置賜の百年が息づいています。イザベラ・バードが見た絶景を、今度は私たちが“味わえるかたち”で未来に渡す。
100年前、明治の旅人がこの地を愛したように。
今度は、私たちが“古き良き日本”を世界に届ける番です。
あなたの一口が、この風景を次の百年へとつなげます。
「BIRD」百年の絶景を、未来へ醸す。

【酒類販売管理者標識】
こちらのリンクからご確認ください。
株式会社中沖酒造店 酒類販売管理者標識







コメント
もっと見る