物語の題材に選んだ「キスガアル」と呼ばれる女性は実在している。昭和5年の新聞記事を読んで知った。横浜でキスを一回50銭で売る女性を警察が補導する。キスガアルのバックからは伝染病予防という謎の迷信からキスの時に口に詰める為のガーゼが入っていたそうで。警官も過去に事例のない件だったため困惑キスガアルが逮捕されることはなかった。そしてその出来事が新聞に取り上げられている。今、この様な出来事が新聞やニュースに載る事はないよなと当時の価値観と今の価値観の違いに衝撃を受けつつ、この「キスガアル」をモデルに作品を作りたい。そう思ったのが全ての始まりである。この女性も100年後に自分がモデルとなった作品が生まれるなんて思ってもいなかっただろう。名もなき女性を主人公に。当時を生きた女性が何を思ったか知る術は今となっては存在しないがそれでも可能な限りの手を尽くし100年前の暮らしに寄り添い自分なりの言葉で光を充てたい。




