
こんにちは。ベトナム・ホーチミンにあるチョコレートブランド、
「BINON CACAO」代表の遠藤亜矢子です。
このページをご覧になっていただき、ありがとうございます。
BINON CACAO(ビノンカカオ)は「カカオで皆が幸せになるために」を理念に掲げる、
世界でも数少ないFarm(農園) to Bar(チョコレート) のブランドです。
すべてのチョコレートを、バリア・ブンタウ省にある自社農園と契約農家のカカオのみで作っています。
私たちの丁寧なチョコレート作りはようやく実を結び始め、
インターナショナルチョコレートアワード(ICA)で銀賞を受賞するなど、
世界でもその品質が評価されるまでになりました。
しかし現在、事業にとって重要な岐路にあります。
製造の要である「焙煎機」が限界を迎えつつあるのです。
ここで少し、これまでのBINONの成り立ちの話にお付き合いください。
私たちのカカオ、そしてベトナムへの愛が伝わればと思います。

BINON CACAOのこれまでの歩み
「まさかこんなことになるとは思わなかった」
BINON CACAOを立ち上げてから、そう思わなかった日はありません。

2016年:衝撃の出会いと、農家の現実
「こんなに美味しいものが、世界に知られていないなんて!」
はじめてカカオ豆を覆う果肉(カカオパルプ)を食べたとき、その爽やかな酸味と美味しさに衝撃を受けました。

このベトナムカカオを、もっと多くの人に伝えたい!知られてないなんてもったいない!
そんな純粋な衝動に突き動かされ、私はアポなしで農家を回り始めました。
最初は怪訝な顔をされましたが、熱意だけで何度も通い詰め、少しずつ関係を築いていきます。

美味しさの裏にある、厳しい現実
しかし、農園に通ううちに目の当たりにしたのは厳しい現実でした。
世界で流通しているのは、安価に入手できるアフリカ産のカカオが中心。
ベトナムカカオは香りも品質も素晴らしいのに、「価格が高い」という理由だけで、買い手がつかなかったのです。
一生懸命育てたカカオが、誰にも評価されずに山積みになっていく。
良いものを作っても売れないなら、作る意味がない
そうして多くの農家が斧を手に取り、大切に育てたカカオの木を切り倒していきました。
「美味しいベトナムカカオを世界へ広めたい」というワクワクする夢と、
「カカオ農家の未来を守りたい」という使命感。
その2つが重なったとき、私の中でBINON CACAOを立ち上げる覚悟が決まりました。
2017年:何もない土地からのスタート
最初はカカオ豆を日本へ輸出する事業を始めました。
しかし、活動を続けるうちに想いは強くなっていきます。
「ただ豆を売るだけじゃなく、もっと多くの人に、このベトナムカカオの感動を伝えたい」
そのために必要なのは、人が集まり、カカオを感じられる「場所(パーク)」を作ることでした。
私の想いに共鳴してくれたベトナム人のカカオ農家さんという心強いパートナーを得て、二人三脚での挑戦が始まります。
しかし、現実はそう上手くはいかず、設立認可が降りるまでにかかった時間は、実に1年半。
許可を待つ間、私たちは自然が広がるだけの何もない更地を耕し、
希望を込めて一本一本カカオの苗を植え続けました。

想いだけで走り回った日々
資金も実績もない私たちがパークを作るには、多くの協力が必要でした。
日本とベトナムを行き来し、何人もの投資家を訪ね歩く。
私たちの熱意は少しずつ伝わり、格安で機材を譲ってくださる方や、出資を決めてくださる方が現れ始めます。 多くの人に支えられ、なんとかオープンにこぎつけました。

2019年6月:BINON CACAO PARKオープン。そして始まった「味」への終わりなき追及
念願のパークをオープンさせましたが、むしろ、そこからが本当の戦いでした。
「世界で勝負できる、最高のベトナムチョコレートを作りたい」
日本から経験豊富なショコラティエに来てもらい、
現地のベトナム人ショコラティエと共に、来る日も来る日も試作を繰り返しました。
数百パターンに及ぶテストの日々。
焙煎機の温度は1度単位、時間は秒単位で調整します。
滑らかさを決めるコンチング(練り上げ)の時間や温度に至るまで、考えうるすべての条件を組み合わせて、テストを繰り返しました。

作った試作チョコは、実に数百パターン。
さらに私たちのこだわりは、農業にも及びます。
より良いカカオ豆を収穫するため、苗木の接ぎ木をすべてやり直し、品種の改良にも着手しました。
全ては、美味しいベトナムチョコレートを広めるために、
試行錯誤の日々が続きました。
そして10月からは念願の、自社製造のチョコレート販売を開始します。

2020年3月:絶体絶命の危機。コロナ禍と防護服での渡航
パーク開園からわずか10か月。軌道に乗り始めた矢先、世界を新型コロナウイルスが襲いました。
観光客はゼロになり、ロックダウンで工場は2度停止。
海外からの観光客に売り込むという創業時の計画は、オープンから1年足らずで崩れました。
しかし、私たちは諦めません。
「観光客が来ない今こそ、品質を磨くチャンス」
そう切り替え、ひたすら栽培と製造の改良に没頭しました。
そんな中、日本に一時帰国していた私はベトナムに戻れなくなってしまいます。
「現場が大変な時に、離れているわけにはいかない」
その一心で、高騰する片道数十万円のチケットを手配。
完全防護服に身を包んで飛行機に乗り込み、ホテルでの2週間の隔離期間をやきもきしながら耐え、ようやく農園へと駆け付けました。
あの時の孤独と焦燥感、そして農園に辿り着いた時の安堵感は、今でも忘れられません。

そんな私たちの努力を見ていてくれた人たちがいました。
苦しい時期に「無印良品(MUJI)」のベトナム1号店からお声が掛かり、商品を置いていただけることになったのです。
さらに「コーナン・ベトナム」での取り扱いも決まり、BINONはなんとか持ちこたえることが出来ました。

2021年:ホーチミンにアンテナショップを開店
まだコロナ禍の最中でしたが、もっとBINONのチョコを広めるべく、ホーチミン市内に念願の直営ショップをオープンさせます。
支えてくれたのは、現地の在住日本人の方々や近隣の皆様でした。
皆様の「美味しい」という言葉と応援に支えられ、少しずつ売上を伸ばしていきます。

2022年〜:努力が世界に認められる。ICA受賞とJAL機内誌掲載
コロナが落ち着きを見せ始めた頃、磨き続けてきた品質がついに世界で認められ始めます。
世界最高峰のチョコのコンクール「インターナショナルチョコレートアワード(ICA)」で賞を受賞したのです。
2023年: 85%ダーク【アジア太平洋 銅賞】
2024年: 65%ダーク【世界大会 銀賞】
2025年: 40%ホワイト【アジア太平洋 銅賞】
受賞の知らせを聞いたとき、ようやく努力が報われたという安堵感に包まれました。
さらに2025年には、JAL(日本航空)の機内誌「SKYWARD」にて、ベトナムを代表する有名ブランド「Marou」や「Cocoa Project」と並んでBINONを紹介していただきました。
世界中の旅する人々に、私たちのチョコレートを知ってもらえたこと。
そして、名だたるブランドと肩を並べて紹介されたこと。
それは、あの絶望的なコロナ禍を乗り越え、一粒ずつ積み上げてきた努力が報われた瞬間でした。

華やかさの裏側にある、製造現場のリアル
BINON CACAOは、このように多くの関係者の愛によってここまでたどりつきました。
ただ、嬉しいニュースの裏側で、私たちの現場は創業以来、「人の手」だけで動いています。
これは私たちの自信でもありますが、一方ウィークポイントにもなりうることに気がついてきました。
次にこの課題についてそして皆様へのお願いについて書いていきます。

3人で守る、1000本の命
自社農園にある1000本以上のカカオの木を管理しているのは、たった3人の農業部のスタッフです。
肥料を撒くのも、不要な枝を払う剪定も、すべて手作業。
広大な農園で、一本一本の木の健康状態を目視で確認し、我が子のように育てています。
機械にはできない、繊細な選別
収穫したカカオの実(カカオポッド)を割る工程も、実は手作業です。
自然の産物であるカカオは大きさがバラバラです、機械に通すと中の豆まで砕けてしまったり、殻が混入したりしてしまいます。
そのため人の手で一つひとつ割り、中身を取り出すしかないのです。
さらに、発酵・乾燥を終えた豆の選別は、質の良いものを一粒ずつ目視で見極めています。


職人の「勘」だけが頼りの焙煎
そして、チョコレートの味を決める「焙煎」。ここが今、最も苦労している工程の一つです。
私たちが使っているのは、古いガス式の焙煎機で、自動制御の機能などありません。
その日の気温や湿度、豆の状態に合わせ、職人がつきっきりでガスの火力を微調整します。
焙煎具合を確かめるのは、温度計の数字よりも「職人の手の感触」です。
何度も豆に触れ、香りを確認し、秒単位で焼き上がりを見極める。
焼き上がった後も、冷却機がないため、職人が手でかき混ぜて扇風機の下で熱を冷まします。

手から手へ焙煎した豆を粉砕機へ投入するのも手作業なら、出来上がったチョコレートを型に流し込むのも手作業。冷蔵庫へ運び、固まったチョコを型から外すのも手作業です。
そして最後、お客様の元へ届くパッケージに包むのも、スタッフが手作業で行っています。
私たちのチョコレート工場には、ベルトコンベアはありません。
すべての工程に「人の目」と「人の手」が入っています。
だからこそ、自信を持って美味しいと言えるものが作れる。
しかし、このままでは限界があります。
注文が増えれば増えるほど、現場は疲弊し、お客様をお待たせしてしまうのが現状なのです。
創業から6年。私たちBINONには、まだ新しい設備を導入するだけの十分な資金がありません。
それは私たちが、あることに全力を注ぎ、コストをかけ続けてきたからです。
「まだ知られていないベトナムカカオの美味しさを、世界中の人に届けること」
「知ってもらう」ための価格設定
ベトナムのカカオは本当に美味しい。
でも、どれだけ良いものでも、価格が高すぎては一部の愛好家にしか届きません。
「まずは多くの人に食べてもらいたい」
その強い想いから、私たちはあえて、競合他社よりも手に取りやすい価格で販売することを選びました。
こだわり抜いた品質
安くするために、質を落とすことは絶対にしません。むしろ、誰よりも素材にはこだわっています。
一例として、ホワイトチョコレートのこだわりを紹介します。
ホワイトチョコはカカオバター・砂糖・ミルク・バニラからできています。安価なホワイトチョコには植物性油脂(パーム油など)が使われることが多いです。
しかしBINONは、高価なカカオバターのみを使用し、北海道産ミルクと合わせています。
これが本物のバターの香りと口溶けだからです。ホワイトチョコレートのバニラには、農園近くのバリアブンタウで採れる「タヒチ種バニラ」を使っています。これは一般的なブルボン種に比べて非常に希少で高価なため、他社に紹介しても「こんな高いバニラは採算が合わない」と断られました。
それでも私たちが使い続けるのは、それがシンプルに「美味しいから」。
そして、地元の素晴らしい素材を世界に自慢したいからです。
そして迎えた、設備の限界
・「最高の素材」を使い、
・「求めやすい価格」で提供する。
・そして、農家さんからは品質の高いカカオ豆を公正価格で買い取る。
この3つを守り抜くことで、BINONは多くのファンに愛されるブランドに成長しました。
売上も伸び、知名度も上がりました。
しかし、その利益の多くは「味」と「価格維持」に還元してきたため、工場の設備投資に回すだけの余裕が生まれませんでした。
その結果、創業時から使い続けてきた焙煎機がいよいよ限界を迎え、生産が追いつかない状況になってしまったのです。
ここまでやってきた私たちの味と想いは間違っていないと確信しています。
電気式焙煎機を導入したら今までのBINONの味へのこだわりをそのままに、
より多くの人々にこの美味しさをお届けすることができます。
だからこそ今、「設備」の部分で、皆様の力を貸していただきたいのです。
資金の使い道:最高の一粒と、農園の物語を届けるために

いただいたご支援は、『国内活動費』として以下の用途へ大切に使用させていただきます。
・リターンとなる商品の製造費用(チョコレート、包装資材、イラスト・デザイン制作費など)
・国内で発生する送料およびプロモーション活動費
・CAMPFIRE手数料
これらの国内活動費を全額ご支援金で賄うことで、『私たちの自己資金』を捻出し、それをもって以下の用途に充当いたします。
なお、CAMPFIREの規定を遵守し、ご支援金はすべて国内経費の範囲内で使用され、海外送金は一切行われません。
①メインプロジェクト:「電気式焙煎機」導入(目標:100万円)
現在、チョコレートの味を決定づける重要工程「焙煎」を行っているのは、創業時に現物出資していただいた中古のガス式焙煎機です。
長年使い込まれてきたこの機械は、温度計も壊れかけ。
温度管理はすべて、職人の「勘」と「経験」だけが頼りです。
故障するたびにその場しのぎの修理を繰り返し、なんとか製造を止めることなく走り続けてきました。
しかし、いよいよ限界が近づいています。
今の機械は、どんなに注意深く職人が張り付いていても、火力が安定せずに豆が焦げてしまうことがあります。 焦げた豆はチョコレートには使えません。廃棄するしかないのです。
「農家さんが手塩にかけて育てた最高級のカカオ豆を、機械の不調のせいで捨てなければならない」
その時の申し訳なさとやるせなさは、言葉にできません。
新しい「電気式焙煎機」を導入することで、正確な温度管理が可能になります。
これにより、廃棄ゼロを実現し、いつ食べても変わらない「最高のBINONの味」を安定して皆様にお届けできるようになります。
また、製造効率が上がることで、今まで以上に多くのカカオを農家さんから買い取ることができ、彼らの生活をより力強く支えることにも繋がります。
②サブプロジェクト:クラファン挑戦の「きっかけ」をくれた、絵本作り(目標:10万円)
このプロジェクトにはもう一つ私の感謝の気持ちが込められています。
正直なところ、今回のクラウドファンディングを実施することに、ためらいがありました。
「資金は必要だけど、皆様にお願いしていいのだろうか…」
そんな私の迷いを断ち切り、一歩踏み出す勇気をくれたのは、ある一人の友人の存在でした。
建築のプロから、母へ。そして再び
私の高校時代からの親友、陽子。
彼女はもともと建築関係の仕事で活躍していましたが、出産と子育てを機にキャリアを一時中断し、家庭に専念していました。 そんな彼女が、はるばるベトナムのBINONパークまで遊びに来てくれたのです。
久しぶりに会う彼女は、私がスタッフと試作品を前にあーでもないこーでもないと悩む姿や、農園のみんなが笑顔で働く様子を、じっと見つめていました。
そして彼女が日本へ帰った数日後、私のスマホにこんなメッセージが届きました。

そして、こう続きました。

BINONの活動が、大切な友人の「また何か作りたい」という気持ちに火を灯せたこと。
それが本当に嬉しかったです。
「陽子がそこまで想って作ってくれる絵本なら、絶対に多くの人に届けたい」
「この絵本をリターンにして、もう1度クラウドファンディングに挑戦してみよう」
そうして私は、このプロジェクトを立ち上げる決意を固めました。
イラストは、さらに彼女の友人で小笠原諸島に暮らすイラストレーターの方も協力してくださることになりました。
ベトナム、日本、小笠原。
不思議な縁が重なって生まれるこの絵本を、どうか皆様の手で受け取ってください。
この絵本には私に火をつけてくれた陽子への感謝の気持ちだけでなく、
BINON CACAOの生命を手にとって感じるなにかが詰まっていると確信しています。
遠藤代表とカカオパーク来園時のご友人の皆さん(右端ようこさん)
絵本制作者より、みなさまへ

陽子さんが制作する絵本の表紙(予定)
リターンについて
今回のプロジェクトでは、BINONのチョコレートを味わっていただくことはもちろん、
私たちの「物語」や「ベトナムの空気」を感じていただけるようなリターンをご用意しました。

ご自身のスタイルに合わせて選んでいただけるよう、大きく4つのタイプがあります。
【BINONを知ってみたい方へ】
3,000〜8,000円のプランでは、BINONの原点である「カカオを味わう5種類セット」や、人気の「スティックチョコ8種類セット」をご用意。
すべてのプランに、私たちの歩みを描いた絵本をPDF(メール)でお送りします。【BINONの世界を深く知りたい・応援したい方へ】
迷ったらコレ!な「全部入りセット(12,000円)」や、カカオニブ・パウダーが入った「カカオセット」、そして絵本への「お名前掲載」など、より深く関わっていただけるプランです。【体験したい・現地と繋がりたい方へ】
「オンライン農園ツアー&チョコ作り体験」や、1年限定の「カカオの木オーナー制度」など、日本にいながらベトナムの農園とつながる体験をご用意しました。【現地に行きたい・共創したい方へ】
送迎付きの「現地農園ご招待ツアー」や、一緒に新フレーバーを考える「あなたのアイデアを形に」、そして「焙煎室へのお名前掲示」など、BINONのパートナーとして共に歩む特別なリターンです。
BINON CACAOの夢

「カカオでみんなが幸せになるために」
この想いに共感してくださった方々が、チョコレートを買ったり、紹介したりと、協力の輪を作っていきました。
BINON CACAOが目指すのは、「厳選されたカカオ豆を使った美味しいチョコ」ではなく、カカオ農家さんが自分たちの作るものにプライドを持ち、経済的にも豊かになれるよう、すべてのお客様に楽しんでもらえるチョコレートを作ること。
「彼らがいるから、私たちはチョコレートを作らせてもらっている」
日々そう思いながら、農園に通っています。
今の私たちには、最高のカカオがあります。最高のスタッフもいます。
あとは、それを活かす「設備」だけが足りません。
どうか、BINON CACAOの次のステージを、一緒に作ってください。
皆さまの温かいご支援を、心よりお待ちしております。
実行スケジュール
1月から2月中旬の実施を予定しており、ご支援いただいた皆様には、2月〜3月に順次リターンをお届けする予定です。詳しくは各リターン詳細をご確認ください。
・タブレット・スティックチョコレート:2月末〜3月末に配送予定
(絵本とセットとなっている場合は、絵本の完成にあわせて一緒に送ります)
・絵本 :4月末完成予定、完成後順次発送




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