昨夜アップした「アルバムを作るということ」の最後の方でお話しした続きをしましょう。「ぶっちゃけ何枚目のアルバムが一番しんどいか?」でしたね。エヴァを迎撃に来た戦略自衛隊の皆さんと同じく「我々に楽な仕事はありませんよ」と言いたいところですが、楽かどうかは別として、アルバムによってしんどさの濃淡は存在します。まず、ファーストアルバム。ファーストというのは大抵「デビュー前に作った作品のベスト盤」という要素もあるので、制作に入る前に楽曲の数はある程度揃っていることが多いかと思います。シンバルズのインディーズ・デビューの際もアルバムの為に書き下ろしたのは「Cycling Song」「I'm a Believer」「Cymbal Strut」くらいなもんです。あれ、意外と書き下ろしたな。まあ、レーベルにアプローチする時点で何曲かデモとして制作しているはずなので、「アルバムのために全曲書き下ろし!」みたいな状況にはまずなりません。そこはまあ楽とも言えましょう。しかし「僕ら、いやオレたちの、デビュー作だ...これがコケたら後は無い...」という心理的プレッシャーはやはり大きなものでした。セカンドアルバム。ぶっちゃけて言いましょう。一番キツいです。デビュー前に書いた曲の中でもパワフルなものは大抵ファーストに投入してしまって払底しているから、それらを超える、もしくは匹敵する楽曲を新たに書かねばならない。そして「デビュー!」という最大のプロモーションキーワードはすでに品切れ。そして何より「ファーストの方が良かったね...」と言われることへの恐怖。たとえファーストが成功していたとしても、ここで失敗したら一発屋。「自分の過去作が最強の敵となって立ちはだかる」を初めて経験するのがこのタイミングです。サードアルバム。何かしらの集大成、もしくは変化をバンドという生き物そのものが求め始める頃です。反抗期というか思春期というか。もしくは二足歩行を開始する感じかもしれない。そんなバンドちゃんの「自我の芽生え」を見逃さないようにしてあげることが大切です。さあ大変!しかもきちんと「成長」にしてあげないといけない。ここでやりすぎて別人格になってしまったら元も子もない。やっと築いたオーディエンスの皆さんとの信頼関係も御破算になってしまいます。メンバーの腕の見せ所でもありますが、大いに神経を使い、骨の折れる作業でもあります。これはシンバルズもTWEEDEESも大変だった記憶があります。4枚目。反抗期も乗り越え、バンドちゃんも安定期に入ったようにも見えますが、ここで安定してしまったらバンドはただ老成してゆくだけです。簡単に言えば、刺激がなくなってしまう。ここで何かしらの刺激をバンドに与えてあげなくてはなりません。しかも、もうある程度育ってしまったバンドちゃんです。それぞれ個性がきっちりできていることでしょう。なのでここで言う「刺激」は、その個性に合わせたものが必要になり、一般論ではすでに語れないものになっていることでしょう。バンドちゃんの普段の行動や言動によく観察し、耳を傾けてあげることが肝要です。5枚目。シンバルズもTWEEDEESも、まだ5枚目を作ったことはありません。つまりここからは僕にとっても未知数です。しかし、もう11年の付き合いです。「今TWEEDEESちゃんはこんなおべべを着たがっている」「そしてこんなものを食べさせたらびっくりしてまた大きく成長するだろう」と言うものはなんとなく把握しているつもりです。TWEEDEESちゃんがまた面白おかしく立派になっていく姿を、皆さんと一緒に見守っていきたいと思っています。タイトルに反して子育て日記みたいな記事になってしまいましたが、しかし、少なくとも沖井にとって、バンドというものとの付き合いはこんなものなのだ、ということはお分かりいただけるかと思います。どうかこれからもTWEEDEESをよろしくお願い致します。沖井




