
昨日は、FIP1年目の頃に僕が出していた「遊びを生業に」という構想について書きました。
今見返すと、かなり広かったです(笑)
地方創生、QOL、自己実現、移住、教育、マルシェ、空き家、地域内循環。
やりたいことを全部詰め込んでいました。その為最終発表まで進めず、その当時のチームの皆さんには大変ご迷惑をお掛けしました。
正直まだ「それをどう事業にするのか」は見えていなかったと思います。
FIPの2年目に入って、少しずつ見えてきたのは、もっと日常に近い課題でした。田村には、すでに相談できる場所や、地域のために動いている人たちがいます。
Switchのように、地域に関わる人を受け止め、挑戦を支えてきた存在があるからこそ、僕自身もここまで構想を深めてくることができました。
その上で、もう一つ必要だと感じたのが、もっと日常の中で、構えずに声がこぼれる場所です。
相談窓口に行くほどではないこと。
まだ企画書にはならない「やってみたい」。
誰かに話すほどでもないけれど、ずっと気になっている困りごと。
地域に関わりたいけれど、どこから入ればいいか分からない人の小さな声。
そうしたものは、日常の中でそのまま消えていくことがあります。
そこがすごくもったいないと感じています。
だからYOHAKU食堂では、既にある地域の取り組みや人の流れとつながりながら、ごはんを囲む日常の中で、そうした小さな声が自然に出てくる入口をつくりたいと思っています。
今回、FIPでメンターとして伴走してくださった土屋俊博さんから、応援メッセージをいただきました。
土屋さんは、「まちとしごととくらしの研究所」の主席研究員として、地域政策、企業経営、暮らしやコミュニティの領域を横断しながら、地域や事業の支援に取り組まれている方です。
そんな土屋さんが、YOHAKU食堂について、人口減少が進む中で、事業者にとっては「経営が成り立ちにくい」こと、生活者にとっては「相談できる人が身近にいない」ことが、いろいろな困難につながっていると書いてくださいました。
そしてYOHAKU食堂を、地域の方々が集まる、持続可能な場所をつくるプロジェクトとして受け止めてくださいました。
土屋さんが大切にされている「まち・しごと・くらし」を横断して捉える視点は、YOHAKU食堂が目指していることとも重なっているように感じています。
まちは、行政や制度だけでできるものではない。
しごとは、企業や事業者だけで完結するものではない。
くらしは、個人だけで抱え込むものでもない。
本当は、その3つが日常の中でつながっているはずです。
でも人口減少が進む地域では、そのつながりが少しずつ弱くなっていく。
事業者は、経営のことを一人で抱えやすくなる。生活者は、困った時に相談できる相手が身近にいなくなる。地域の中にある小さな声や困りごとが、誰にも届かないまま消えていく。
だからこそ、YOHAKU食堂では、食堂という日常の場を通じて、まち・しごと・くらしがもう一度つながる入口をつくりたいと思っています。
この言葉をいただいて、ああ、そう見えているのかと思いました。
YOHAKU食堂でつくりたいのは、すごく特別なコミュニティではありません。
「今日ちょっとごはん食べに行こう」
「誰かいるかもしれない」
「少し話せるかもしれない」
「この人に相談してみようかな」
そんなふうに、困ったときや何か始めたいときに、ふと思い出せる場所です。
相談会に行くほどではないことでも、ごはんを食べながらなら話せることがある。
会議では出てこない本音も、食卓ではこぼれることがある。
いきなり事業計画にはならない小さな「やってみたい」も、誰かに聞いてもらうことで少し動き出すことがある。
だから、食堂という形に意味があると思っています。
もちろん、想いだけでは続きません。
ここはFIPで何度も問われてきたところです。
誰が来るのか。
どう続けるのか。
売上はどうつくるのか。
地域の中で本当に必要とされるのか。
1年目の僕は、ここにまだちゃんと答えられていませんでした。
でも2年目を通して、ようやく少しずつ見えてきました。
まずは、ちゃんとごはんを出す場所をつくる。
地域の人が日常的に来られる場所にする。
その中で、人と人が出会い、小さな声が出て、必要な人や場所につながっていく。
大きな仕組みを先につくるのではなく、まずは田村の日常の中に、そういう接点をつくる。
それが、今のYOHAKU食堂の形です。
土屋さんが言ってくださった「持続可能な場所」という言葉は、すごく大事だと思っています。
一回盛り上がって終わる場所ではなく、地域の中で続いていく場所にすること。
誰かが無理をし続けるのではなく、食堂としても成り立ちながら、人が集まり、声が出て、少しずつ挑戦が生まれていくこと。
その形を、田村でつくっていきたいです。
FIPの2年間があったから、最初は広がりすぎていた構想が、少しずつ現場に近い形になってきました。
まだ完成形ではありません。
でも今は、必要だと感じています。
YOHAKU食堂は、ただの飲食店ではなく、地域の中で人が孤立せず、相談でき、小さな一歩が生まれるための場所です。





