
支援者の皆様、いつも温かい応援をありがとうございます! そして、この記事で初めて本作を知ってくださった皆様、数あるプロジェクトの中から見つけていただき心より感謝いたします。
本作は、圧倒的な作り込みのハイファンタジーでありながら、その裏側にSF的な真実が隠された、独自の重厚な世界観を持つ選択式アドベンチャーゲーム(ADV)です。ヴィジュアルノベル、ノベルゲームともいいます。
本日は、本編の一部「フロイダナスを軸に展開されるサブプロット」の内容を掻い摘んでご紹介したいと思います!
正義が国を滅ぼす。
ハイファンタジーの皮を被った『社会派政治劇』
『Witch of Yelekedis』の世界において、西のエルフの地「ユダレスト」は今、静かに、しかし確実に崩壊へと向かっています。
本作は単なる勧善懲悪の物語ではありません。そこにあるのは、重厚なハイファンタジーの世界観で描かれる、逃げ場のない社会派政治劇です。
本日は、その中心人物である「隠居生活を楽しんでいたのに、再登板させられる羽目になった宰相フロイダナス」と、彼が直面している「教育のデッドロック」について少し深掘りしてみましょう。
「若者への投資は無駄」
冷徹な宰相が下した、教育放棄という名の死刑宣告。
最古の世代の生き残りの一人である「西の宰相フロイダナス」は冷徹なまでの合理主義者であり、手段を択ばぬマキャベリアンです。彼は長命種であるエルフの社会において、ある独自の、しかし残酷な信念を持っています。
「百年程度で死ぬが着実に成長しそれが次世代に引き継がれる短命種と違い、長命でありながら成長と変化を嫌う頑固な西のエルフのために教育機関を整えるのは、行政投資としてのリターンが見合わない」
(第10章「ヒサク・ハフラ」第42話「トラブルシューター」より)
彼にとって、基礎的な教学とは家庭で身につけるべきものであり、行政が手を差し伸べるのは「真に才ある者」か「本気で挑みたいのだと覚悟を見せた者」のみ。
この徹底した選別思想により、ユダレスト、特に主要都市ドファボーラには「読み書きもできず、分別も知らないまま身体だけが成長した若者たち」が溢れかえることとなりました。
これが本作における「教育のデッドロック」です。
教育を放棄された若者は、自分たちの困窮を「外部から来た避難民」のせいにし、排外主義を加速させます。フロイダナスが避難民を保護すればするほど、彼が切り捨ててきた「自国の若者」たちの殺意は高まっていくのです。
そして若者たちは叫びます。フロイダナスの首を取れ、と。
「格の違い」が殺意に変わる時。
姿なき扇動者『シロアリ』の甘い囁き。
(第10章「ヒサク・ハフラ」第66話「後遺症」より)
暗殺予告が街に響いても、フロイダナスは眉一つ動かしません。
彼のような「最古の世代のエルフ」にとって、戦う術も知らぬ若者など、無力な幼子と大差ないような存在。幼子が泣いて喚いたところで、それは子供の癇癪に過ぎないのです。
(第8章「フォギアー・ハイカナン」より)
この「圧倒的な格の違い」に端を発する無関心が、さらなる悲劇を呼び込みます。
彼が若者を「話の通じる対等な存在」として扱わず、ただの「統計上のノイズ」として処理し続けた結果、若者たちの不満は、姿なき扇動者「シロアリ」にとって格好の餌食となってしまいました。
シロアリは闇の中で、このような教えを説きます。
「汚れを落とせ。邪魔者を排除せよ。綺麗になって、みんな“ひとつ”になろう」
善意という名の一撃が、国家の破滅を加速させる:
前宰相エディアスの失政。
そんな不穏な空気が満ちる街に、追い打ちをかけるのが「北の女王ヤムリシェンドが仕掛けた『避難民の送り込みという波状攻撃』によって失脚させられた前宰相エディアス」の存在です。
平時は有能な為政者であったエディアスも、未曾有の災害と難民流入という有事を前に機能不全となり骨抜きに。胃潰瘍を発症したことによって宰相の座から降りざるを得ず、隠居していたフロイダナスにすべてを押し付けてしまったという背景があります。
さらに、エディアスはある「デマ」を信じ込み、正義感ゆえに致命的な失政を犯します。良かれと思って放った一撃が、最悪の事態を招く導火線に火をつけてしまったのです。
(第11章「ゲルテ」第66話「無能」より)
フロイダナスがエディアスを「無能」と罵倒し、そのプライドを粉々に打ち砕いたとき、物語の歯車は「救済」ではなく「破滅」へと加速し始めます。
選択の重みに震えるノベルゲーム。
地下牢に隠された「口にするのも憚られる真実」
現在、ユダレストの街並みは表向きの平穏を保っています。
しかしその裏で、フロイダナスは「ある特定の者たち」を片っ端から逮捕し、地下牢へと隔離し続けています。
果たして、彼が「地下牢への隔離命令」を出したのは、単なる治安維持のためだけだったのでしょうか?
彼が街の平穏を保つために飲み込んだ「口にするのも憚られる真実」とは一体何なのか。
(第11章「ゲルテ」第84話「不幸は続けてやってくる」より)
それは、プレイヤーである貴方自身が、このエールケディスの大地で目撃することになります。
「正解」のない選択の果てに待つ結末を、ぜひ本編で確かめてみてください!
最後に
宰相フロイダナスが冷徹な決断を下すシーン、そして若者たちの怒りが街に満ちるシーン。それらの緊迫感を支えるのが、本作の重厚な楽曲群です。
現在、本プロジェクトではアルバム3枚分(Vol.1~3)をまとめて手に入れられる「サウンドトラック・プラン」をご用意しています。
単なるBGM集ではなく、エールケディス世界の空気感そのものを閉じ込めた、こだわりの楽曲たちです。
ゲーム本編は無料で公開し、一人でも多くの方にこの物語を届けたいと考えています。しかし、音楽制作をはじめとするクオリティ維持には、皆様のお力添えが必要です。
もし今回の設定紹介で「この世界に浸りたい」と感じていただけたなら、ぜひ音の面からも本作を支えていただけませんか?
ご支援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます!



