
支援者の皆様、いつも温かい応援をありがとうございます! そして、この記事で初めて本作を知ってくださった皆様、数あるプロジェクトの中から見つけていただき心より感謝いたします。
本作『Witch of Yelekedis』の世界を語る上で欠かせないのが、大気に満ち、万物を生かす根源物質「マナ」の存在です。
しかし、この輝かしい恩寵の裏側に、どす黒い影が潜んでいることに、既にお気づきの方も多いでしょう。 今回は、世界の理を揺るがす「マナ」の性質と、今まさにエールケディスの世界を脅かしている怪異「顛化(てんげ)」の核心に迫ります。
呼吸するように「魔」を呑み込む日常
この世界において、マナは酸素と同じです――生命を育み、精霊を介して「魔法」という奇跡を顕現させる、そういう存在なのです。
地下深くを流れる地脈は、いわば世界の血管であり、マナはその中を巡る熱い血潮のよう。
ですが、考えてみてください。この「あまりに都合の良いエネルギー」は、一体どこから湧き出しているのでしょうか?
なぜ、魔法はこれほどまでに、使う者の意志を――時にその「悪意」さえも――鮮やかに具象化できてしまうのでしょうか。
その答えの片鱗は、今のラニャーマにはまだ、あまりに毒が強すぎるかもしれません。
「精霊」と「魔物」を分かつ、あまりに細い境界線
本作における魔物は、単なる「異形の怪物」ではありません。
彼らの正体は、遠い遠い昔にこの世界から退場したはずの「古代人たちの霊魂」。
穏やかな魂が「精霊」と呼ばれる一方で、強いエゴや怨念を抱えた魂がマナと結びついたとき、それは生ける者を襲う「魔物」へと姿を変えます。

凶悪な個体がその身に宿す「核」。それは、彼らが抱き続けた「執着」の結晶なのかもしれません。
そして今、聖地ウルガルに出現した「大穴」を起点に、かつてない規模の魔物の大量発生が始まっています。

「わたし」が「それ」に変わる恐怖――現象「顛化」
今、エールケディス社会を最も震え上がらせているのは、魔物そのものではありません。
魔物の攻撃を受け、あるいは何らかの要因で自我を喪失した者が、その姿を魔物へと変えてしまう現象「顛化(てんげ)」です。
最新のあるエピソードの中では、ある戦士が恐ろしい仮説を口にしています。
「俺たち個々が持つ自我がマナと結合し、
この姿かたちを描き出しているだけなのかもしれない」
もし、私たちが「わたし」であるための輪郭が、マナという不安定な物質によって保たれているのだとしたら? その輪郭が崩れたとき、残るのはマナを際限なく吸い込み続ける「空虚な抜け殻」だけです。
大都市ドファボーラで目撃され始めた、殺意すら持たず、ただそこにあるだけの「白い魔物」。
彼らは果たして、倒すべき敵なのか。それとも、救うべきだった「誰か」の成れの果てなのでしょうか。
あなたは、その手を汚せるか
本作の主人公ラニャーマは、この残酷な世界の仕組みを根底から覆す、ある「力」を秘めています。
それは、顛化を止める唯一の希望であると同時に、人としての倫理を、そしてラニャーマ自身の心を激しく削り取る禁忌の力です。
「世界の平和」という美しい言葉の裏で、誰の自我がすり潰され、誰の怨念がマナとして消費されているのか。
その真実に辿り着いたとき、あなたは、そしてラニャーマは、どのような選択を下すのでしょうか。



