
皆様、こんにちは。有限会社アイナン産業の齋藤大士です。
本日は、本プロジェクトのタイトルにもなっている「コロンブスのたまご」というシステムが誕生するまでの歩みについてお話しします。このプロジェクトは、決して一朝一夕に生まれたものではありません。
1. 原点:現場の「数値化」への欲求 2018年度
全ての始まりは、「鶏舎ごとの正確なデータが欲しい」という経営上の強い欲求でした。 養鶏において「汚れ卵」や「割れ卵」がどの鶏舎で、どの程度の頻度で発生しているのか。このデータを主観ではなく、客観的な数値として把握することが、生産性向上の絶対条件だと考えていました。
2. 技術の萌芽と挫折 2019年度
ちょうどその頃、AIによる画像診断技術が実用レベルに達し始めました。 「これなら一定水準のデータが取れる」と確信し、大学へ相談。産学連携での開発に乗り出しましたが、直後にコロナ禍に突入します。研究開発は思うように進まず、成果が出ない歯痒い時期が続きました。
3. 「完成」と、直面した「陳腐化」2021年度
数年をかけ、一度はシステムとして完成しました。しかし、その間のAIの進化スピードは予想を遥かに超えていました。完成したときには、すでに技術的に「一世代前」のものになっていたのです。
ここで私は、妥協して旧来のシステムを使い続けるのではなく、「一から作り直す」という判断を下しました。そこで相談したのが、友人であり技術的信頼を置く現HALO社の代表でした。
4. 福祉との「運命的」な合流 2022年度
HALO社と再開発を進める中で、技術は「リアルタイム処理」が可能なレベルへと飛躍しました。 また、友人である株式会社cheerの代表から、障がい者就労支援の現場が抱える課題について10年以上前から話を聞く機会がありました。
この二つが脳内で結びついた瞬間、プロジェクトの方向性が一気にシフトしました。 cheerの代表からかけられた、「このシステムこそが、障がい者就労の課題を解決する可能性がある」という言葉。 「現場のデータ化」という自社利益のためのツールが、「誰かの働きたいを叶える社会実装」へと進化した瞬間でした。
5. 未来への実装 2026年度
こうして、「コロンブスのたまご」は【AI × 福祉 × 農業】という三位一体のプロジェクトとして現在の形になりました。 火災という予期せぬ事態はありましたが、このシステムを社会実装することへの決意は、これまでの歴史が証明するように微塵も揺らいでいません。



