有限会社アイナン産業の齋藤大士です。
本日から数回にわたり、私たちが実装する「コロンブスのたまご」システムの核心についてお話しします。初回は、このプロジェクトが解決を目指す「社会的意義」についてです。
■ 私の座右の銘:二宮尊徳の教え
私の経営における座右の銘に、二宮尊徳の言葉があります。「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」
社会に貢献するという高い志(道徳)があっても、それが経済として自立していなければ、継続することはできず、ただの理想論(寝言)に終わってしまいます。一方で、稼ぐこと(経済)だけを追求し、社会への貢献を忘れることは、持続可能な発展を阻害します。
この「コロンブスのたまご」は、この二つを高い次元で両立させるための挑戦です。
■ 障がい者就労の現状と「認知の壁」
現在、日本における障がい者雇用には、解消すべき構造的な課題があります。 身体障がいのある方の就労は、スロープの設置といった「物理的なバリアフリー」によって着実に進んできました。しかし、知的障がい、発達障がい、精神障がいのある方の就職率は、依然として低い水準に留まっています。
その大きな要因は、現場仕事に不可欠な「瞬時の状況判断」や「高度な選別」といった、目に見えない「認知の壁」にあります。
■ テクノロジーによる「認知のバリアフリー」の実装
養鶏場での検品作業(卵の傷や汚れの判別)は、長年の経験と勘が求められる領域でした。この「習得の難しさ」こそが、知的・発達障がいのある方々がこの職域に参入する際のバリアとなってきました。
私たちがHALO社と開発している「コロンブスのたまご」は、AIがその「判断」を肩代わりし、結果をプロジェクションマッピング(光)で直接投影します。
「難しい判断」をAIに委ね、「光っているものを取る」という「実行」に集中する。
テクノロジー側が人に歩み寄ることで、身体的な条件を問わず、これまで「難しい」とされていた職域を、誰もが戦力として輝ける職場へと作り替えます。
■ 支援から「共創」へ
私たちは、障がいのある方を「助ける」ために雇用するのではありません。テクノロジーによって個人の能力を拡張し、地域の産業を共に支える「プロフェッショナル」としてお迎えしたいと考えています。
「福祉の町・美浜」から、このモデルを確立すること。それが、二宮尊徳の言う「道徳」を具現化する道だと確信しています。
明後日は、この道徳を「寝言」に終わらせないための、「ビジネスとしての持続可能性(経済合理性)」について詳しくお話しします。
引き続き、皆様の温かい応援をよろしくお願いいたします。
有限会社アイナン産業 代表取締役 齋藤大士



