
2026年6月15日、実証フィールドとしてご協力いただいている有限会社NOAH(北海道・南幌町)を訪問し、鍋山社長にショートインタビューを行いました。テーマは「令和8年に思うこと」。
畑の近況から農業の未来まで、雑談まじりに伺った中に、ウェルFar"M"が向き合う課題への“答え合わせ”のような言葉がいくつもありましたので、ご紹介します。

平池
本日もNOAHの鍋山社長にショートインタビューでお話をうかがいます。
よろしくお願いします。
鍋山社長
よろしくお願いします。
平池
今回は、以前ご紹介もさせていただいた流れもあって、去年に引き続き、「令和8年に思うこと」などを中心に伺えればと思っています。

天候と作物の状況について
平池
先月はかなり暑かったですが、ここにきて急に寒くなりましたね。去年もこの時期は比較的気温が高かった印象がありますが、今年の夏、お米やトウモロコシの時期はまた暑くなりそうですか。
鍋山社長
暑くはなると思うけど、今の予報だと今週・来週はそこまで高くなくて、25度くらいで平年並みじゃないかな。今年は春先に少し暖かかったけど、その後は逆に寒かった。ただ、コンスタントに雨があるので、作物にとってはすごくいいですね。
平池
去年は雨が少なかったですよね。
鍋山社長
そう。だから今年は今のところいい感じ。ただ、本当は欲しい時期に、1週間に1回くらいはしっかり雨が欲しいんだよね。特にスイートコーンみたいな作物は、発育のタイミングごとに雨が降ってくれるのが一番いい。
スイートコーンの生育と水やり

平池
先日、スイートコーンの播種作業を撮影させていただいた圃場は、もうだいぶ伸びてきていますよね。
鍋山社長
伸びてる、伸びてる。少しずつ青くなってきてるし、雨がない時は水もまいているからね。
平池
撒く水はかなりの量になりますよね。
鍋山社長
そうですね。2,000リッター、3,000リッター単位になることもあるかな。
散水する機械で、ゆっくり進みながらまいていくんです。
平池
伺った際、播種の方は半分機械、半分手作業でしたね。
鍋山社長
そう。機械でまいた方が、その後が楽なんだよね。間引きもしやすい。手でまいたものは間引きが大変なんです。
農作業の負担と機械化の難しさ
平池
この前、皆さんがかなり前かがみで作業されていたのを見て、本当に大変だと思いました。土をかぶせる作業も、肩から肘にかけてかなり負担がかかりそうでした。
鍋山社長
大変だよ。いい機械はあるんだろうけど、なかなか導入できない。そんなに儲かる仕事じゃないからね。機械を買っても、元を取るまでが長いんですよ。
平池
新品を買って回収するのは大変ですよね。
鍋山社長
そう。場合によってはペイできないかもしれない。だから新品を買ったことはあまりないし、中古でも十分使えるものを選ぶ。特に年に数日しか動かない機械なんかは、それで十分なんです。
平池
昨年伺ったとき、甜菜の収穫時だったかな、近くの機械も「それ中古だよ」とおっしゃっていましたね。
鍋山社長
そうそう。デモ機として貸し出されたあとに戻ってきたものを買うこともある。30時間くらいしか動いていなくても中古扱いになるからね。
農業機械の価格とメーカー事情
平池
農作業に通うようになってから、いろいろな機械が見えるようになりました。稲の播種機なんかも興味深かったです。
鍋山社長
ああいう方式は昔とあまり変わらないよ。ただ、精度は良くなっている。高いのはやっぱりトラクターとか、自走するもの。それに後ろに付ける作業機も高い。
平池
アタッチメントも高いですよね。
鍋山社長
高い。もっと安く作れそうな気もするけど、みんな似たような値段になる。
米価と農家経営

平池
米の価格については、一時期すごく話題になっていましたが、最近は少し落ち着いたようにも見えます。実際はどうなんでしょうか。
鍋山社長
最初にどれくらい取れているかをちゃんと把握していれば、ああはならなかったと思う。全体の量が減っていることすら、きちんと見えていなかったんじゃないかな。
平池
需要と供給の問題ですね。
鍋山社長
そう。物がないから値段が上がる。ただ、買い占めたりする人もいるから、余計にややこしくなる。
平池
出荷価格自体も上がっているんですか。
鍋山社長
上がってるよ。一昨年の2倍以上という話だから、かなり上がっている。
平池
それは適正価格に近いんでしょうか。
鍋山社長
いや、今年はちょっと高すぎる。一昨年くらいが適正だったと思う。でも、安すぎると米づくりを続けられない。機械の更新もできないからね。
平池
5キロあたりでいうと、どのくらいが望ましいですか。
鍋山社長
出荷で3,000円台くらいで売れてくれれば、うちとしての単価は取れる。でも今は2,000円台のものもあって、それはやっぱりおかしい。
AIによる書き起こしと限界
平池
最近はこうして録音させていただいて、パソコンにつないで、AIにまとめてもらうことが多いんです。寝る前に走らせて、朝起きて確認する感じです。
鍋山社長
きれいに仕上がるものですか。
平池
かなりきれいに仕上がります。ただ、確認しないと怖いですね。「これ、どこから出てきた話だっけ」と思うこともありますし、違う話に化けていることもあります。
鍋山社長
でも農業みたいに特殊な言葉が多い分野だと、まだ弱いところがあると思う。現場の言葉や感覚は、やっぱり経験がないと分からないからね。
平池
そこは本当にそうですね。自分でも最後は確認しないといけません。
AI・衛星・ロボットと農業の現場
平池
野菜や果物の分野でも、AIや認識技術の活用は進んでいる印象があります。
鍋山社長
ロボットにAIで認識させて、収穫時期を見て自動で取る、という話はある。補助も入るし、GPSや衛星も使える。
平池
でも、実際は難しいですか。
鍋山社長
難しいね。植え方も違うし、同じ時期に取っても色が違う。結局は最後、自分で見て、実を触って、水分を測って確認しないといけない。そこはなくせない。
平池
衛星だけで判断するのは無理ですか。
鍋山社長
収量調査なんかは、おそらく無理だね。昔、衛星だけでやろうとしたこともあったけど、結局うまくいかなかった。今は決算書や実績を出して、それで確定させるしかない。
規格外品とレストラン連携
平池
今、お付き合いのある方がレストランもやられていて、以前のヴィーガンレストラン同様、そちらとも連携できたらと思っています。トマト系で、形が悪い、色が悪い、でも味は問題ないというものを欲しいという話はよく聞きますね。
鍋山社長
そういう話はある。ただ、ミニトマトなんかは規格外を安定して集めるのが難しい。大玉トマトならある程度出るけど、ミニトマトはそうでもない。煮えてしまったとか、割れたとか、そういうものは出荷にならないし、集めようとしても集まらない。
平池
完熟で収穫している分、傷みやすさもありますよね。
鍋山社長
そう。でも味は全然違う。ちゃんと土につながったまま完熟したものは、やっぱり違うよ。
トマト栽培の難しさ
平池
昔、自分でも庭でミニトマトや普通のトマトを作っていたんですが、ミニトマトも難しいなと思っていました。
鍋山社長
一番難しいのは丸トマトだよ。病気にもかかりやすいし。ミニトマトの方がまだ楽。虫はつくけど、致命的な被害になりにくいんだよね。
平池
来年はまたトマトを植えてみようかなと思っています。
鍋山社長
いっぱいできたら、ご近所にあげればいいんじゃない(笑)
海外販路と物流の可能性
平池
レストラン連携の話から少し広がりますが、社長のところは以前、海外にも出していませんでしたか。
鍋山社長
うちが直接というより、送った先が海外に出していたんだよ。香港とか台湾とかね。
平池
なるほど、間に入る会社があったわけですね。
鍋山社長
そう。自分で輸出ライセンスまで取るのは大変だから、そういう会社を通すしかない。
仕向け先は、香港、台湾、シンガポールだったかな。北海道の野菜はよく売れるらしいね。
平池
なるほど、「北海道」の名前がブランドになっているのは国内だけじゃないんですね。昨年同様、私たちも関東近辺のレストランとのコラボを進めているので、先日と同じく輸送費も含めて、また見積もりをお願いします。
鍋山社長
わかりました。
今は翌日配送の仕組みもかなり良くなっているからね。朝収穫したものを、その日のうちに貨物に乗せて、午後には届けることもできる。
しめくくり
平池
すみません、お時間をいただきながら、ずいぶん雑談も交えてしまいました。
鍋山社長
本当はもっとちゃんとした話もあったんじゃないかと思うけどね(笑)。
平池
今回はショートインタビューということで、なるべく雑談に近い形でお話を伺えればと思っていました。
またクラウドファンディングのページなども、あらためてメールでURLをお送りします。
野菜のことだけでなく、健康体操の件やグッズの件なども含めて、またご覧いただければと思います。
鍋山社長
拝見しますね。
平池ありがとうございます。




