mayureプロジェクト|それぞれの視点から Vol.3つくり手の視点から見た、丹後ちりめんのこれから本シリーズでは、mayureプロジェクトに関わったそれぞれの立場から、感じたことや変化をお届けしてきました。学生の視点から見えた「ものづくり」、そして、その中で生まれた気づきや変化。最終回となる第3回は、丹後ちりめんの織り手として産地に向き合い続けてきた、田勇機業株式会社の田茂井 仁哉さんの視点から、今回のプロジェクトを通して感じたこと、そしてこれからの展望をお届けします。今回のプロジェクトに関わった背景丹後ちりめんは、長い歴史と高い技術を持ちながらも、着物需要の減少や単価の低下など、産地として厳しい状況が続いています。だからこそ、これまでの価値を守るだけでなく、新しい形で「絹」に触れてもらう機会をつくる必要があると感じていました。若い世代にとって、着物は少し距離のある存在になりつつあります。その中で、「日常の中で使える形」で絹を届けることができれば、産地の未来につながるのではないかと考え、このプロジェクトに関わりました。学生との共創で感じたこと普段の仕事では、「着物としてどうか」「市場でどうか」という視点で考えることが多くなります。しかし今回、学生の皆さんと一緒に取り組む中で、「自分が使いたいか」「日常に取り入れたいか」という、とてもシンプルで新鮮な視点に触れることができました。自分たちにとって当たり前だった素材や価値が、違う視点から見ることで新しい可能性を持つことに気づかされ、産地としても大きな学びのある取り組みとなりました。mayureという商品について「mayure」は、丹後ちりめんの絹を、日常の中で自然に使っていただくために生まれた商品です。丹後ちりめん特有のしなやかさや上品な光沢、そして肌に触れたときのやさしい質感は、他の素材にはない魅力があります。私たちは普段、生地として製造・販売することがほとんどですが、今回はその一反一反を織り上げる工程から関わっている素材を、製品として手に取っていただける形にしました。作り手として、素材の良さがしっかり伝わること、そして長く使っていただける品質であることにこだわっています。クラウドファンディングでの反応について今回、目標を大きく上回る156%でプロジェクトを達成できたこと、そして126名もの方にご支援いただけたことに、心から感謝しています。単に商品を購入していただいたというよりも、「この取り組みを応援したい」と思っていただけたことが、何より嬉しく感じています。丹後ちりめんという産地の取り組みに対して、これだけ多くの共感が集まったことは、今後の大きな励みになりました。これからの展望今回のプロジェクトはゴールではなく、ひとつのスタートだと考えています。丹後ちりめんは、本来世界に誇れる素材であり、まだまだ可能性を広げることができる産地です。これからも、従来の着物用途だけでなく、さまざまな形で絹の魅力を届けていく挑戦を続けていきます。そして、産地としての価値を次の世代へつないでいくためにも、新しい取り組みを積極的に行いながら、丹後ちりめんの未来を切り拓いていきたいと考えています。





