
全国約80店舗の洋菓子店様と、温かいご支援を寄せてくださる皆さまの力によって支えられている「シェアケーキプロジェクト」。
今回は、東京都にあるmuun cafe&galleryをご紹介します。
同店は、クリエイターが集うイベントを開催するほか 、カフェとしても営業し地域の人の憩いの場として開かれています。
そんなお店を運営しながらプロジェクトに参画されている早川様に、活動への思いを伺いました。
◆「家族や学校以外にも、自分を応援してくれる大人がいる」と感じてほしい
ーーまず、このプロジェクトに参加されたきっかけと、この活動に共感した理由を教えてください。
「シェアケーキについて特集されているニュース番組を見たことが、このプロジェクトを知ったきっかけでした。『お祝いを届ける』という支援の形がとても素敵だと感じると同時に、自分が取り組んできた活動とも重なる部分があると感じました。
私は、店舗運営のほか、アートディレクターとして『絶望しない社会のために、新しい選択肢を』というコンセプトで、人や地域が新しい一歩を踏み出すきっかけをつくるクリエイティブ制作やコミュニティづくりに携わっています。
その背景には、私自身の経験があります。母子家庭で育ち、幼少期から家族の介護など生活を支える役割を担う中で抱いたのは、さまざまな事情から選択肢を狭められ、社会的に孤立してしまう子どもやご家庭に対する強い課題意識でした。
シェアケーキを利用されるご家庭の中には、自分の気持ちよりも周囲を優先し、本当に望むことを諦めてしまう子どもたちもいるのではないかと想像します。 だからこそ、この場所でのコミュニティ活動を通して、『家族や学校以外にも、自分を応援してくれる大人がいる』と感じられる体験を届けたいと思い、このプロジェクトへの参加を決めました。」
◆ お祝いをきっかけに、地域が子どもたちを見守るつながりを
ーー昨今の物価高騰など、お店を取り巻く環境は厳しさを増しています。そのような中でも活動を続けてくださっている理由や、印象に残っている出来事があれば教えてください。
「原材料費や光熱費など、店舗運営を取り巻く環境は年々厳しくなっていると感じています。特にシェアケーキでお届けしているのは、生クリームやフレッシュフルーツを使ったケーキなので、焼き菓子のようにまとめて仕入れて保存しておくことができません。
ご予約に合わせて一台ずつお作りするため、常に物価変動の影響をダイレクトに受けてしまう難しさがあります。
そうした大変さはありますが、この活動を続ける中で印象に残っている出来事がありました。
以前、シェアケーキをご利用されたお母さまとお子さまが、店内のカフェスペースでケーキを囲んで誕生日をお祝いされたことがありました。その際、居合わせたほかのお客様や地域の方々も自然と一緒にお祝いしてくださり、とても温かい空気が生まれたんです。
子どもたちを見守るのは家庭だけではなく、地域の大人も自然に関われる社会であってほしいと思っています。そうやって、地域の方々が自然と子どもたちを気にかけるようなつながりが、この場所から少しずつ生まれていけば嬉しいです。」
◆「あなたは大切な存在」その記憶が温かい循環につながるように
ーー最後に、子どもたちやご家庭へのメッセージをお願いします。
「お誕生日だけは、誰もが『この世に生まれてきたことを後悔しない日』であってほしいという想いがあります。
この取り組みは、単にケーキを届けることではなく、『あなたは大切な存在なんだ』と伝える活動でもあります。ケーキを通して『ここにいてよかった』と思える記憶がひとつでも増えれば、たとえ今が難しい状況にあっても、きっと前を向く力になるはずです。
そして、その記憶が残り、将来『今度は自分も誰かのためにできることをしたい』『周りの人へ感謝を伝えたい』と思えるような気持ちにつながっていけば嬉しいです。そんな温かい循環が少しずつ生まれていくことを願っています。」

(※ケーキの写真は一例です。季節によってフルーツの種類等が変わることもあります)
–店舗情報–
店舗名:muun cafe&gallery
所在地:東京都港区南麻布4丁目12−7 高井ビル 1F



